2022年、美容医療の世界ランキング公開、第3位はまぶたの手術、第2位は豊胸術、前年に続く第1位とは?国際美容外科学会(ISAPS)調査
ポイント
- ISAPSの調査によると、2022年の美容外科手術の世界的な増加率は11.2%増
- 外科手術が16.7%増、非外科手術が7.2%増で、日本の件数は3位だった
- 22年のマスク使用の増加が世界的な手術件数の急増に影響したと推定される
最新の国際美容外科学会(ISAPS)調査によると、美容整形外科手術は世界的に増加傾向にあり、2022年の手術件数は11.2%増加したことが明らかになった。
世界の美容外科ブーム
ヒフコNEWSでは、ISAPSによる21年調査の結果についても既に伝えている。21年は前年比19.3%増加となり、外科的な手術が18.5%増加に対して、非外科的治療が19.9%増加するという結果となった。21年は脂肪吸引が豊胸手術を抜いて最も一般的な手術になっていた。
ISAPSは、8月31日から9月2日にかけて開催されたISAPSオリンピアード・アテネ世界大会2023で新たな世界調査を発表した。この調査は、ISAPSが世界中の形成外科医を対象に調査を実施し、その数値に基づいて推定を行ったものとなる。
調査の結果、外科的な手術と非外科治療の合計が11.2%増加。外科的な手術は前年比16.7%の約1498万件、非外科治療は前年比7.2%増の約1885万件となった。
国別の件数では、米国が740万件(全体の22%)で世界トップ、次いでブラジル(8.9%)、日本(7.3%)だった。日本の件数は約169万件だった。外科的な手術が約35万9000件、非外科的治療が約210万件。
世界的な増加の原因は、22年にマスクの使用が長期化したことが大きいという分析だ。
人気の施術ランキング
男女合わせたランキング、女性のランキング、男性のランキングは次の通りである。
外科的手術 トップ5(全世界)
ランキング | 手術名 | 絶対数 | 2021年との比較 |
---|---|---|---|
1 | 脂肪吸引 | 2,303,929件 | +21.1% |
2 | 豊胸術 | 2,174,616件 | +29.0% |
3 | 眼瞼手術 | 1,409,103件 | -2.6% |
4 | 腹部形成術 | 1,180,623件 | +19.1% |
5 | バストリフト | 955,026件 | +22.2% |
非外科的治療 トップ5(全世界)
ランキング | 手術名 | 絶対数 | 2021年との比較 |
---|---|---|---|
1 | ボツリヌス療法 | 9,221,419件 | +26.1% |
2 | ヒアルロン酸 | 4,312,037件 | -18.3% |
3 | 脱毛 | 1,798,253件 | -2.1% |
4 | ケミカルピーリング | 844,616件 | +57.9% |
5 | 非外科的脂肪減少治療 | 778,716件 | +6.5% |
女性の外科的手術 トップ5
ランキング | 手術名 | 絶対数 |
---|---|---|
1 | 豊胸術 | 2,131,976件 |
2 | 脂肪吸引 | 1,937,995件 |
3 | 眼瞼手術 | 1,096,152件 |
4 | 腹部形成術 | 1,076,945件 |
5 | バストリフト | 955,026件 |
女性の非外科的治療 トップ5
ランキング | 手術名 | 絶対数 |
---|---|---|
1 | ボツリヌス療法 | 7,850,924件 |
2 | ヒアルロン酸 | 3,740,777件 |
3 | 脱毛 | 1,517,217件 |
4 | ケミカルピーリング | 701,864件 |
5 | 非外科的脂肪減少治療 | 642,067件 |
男性の外科的手術 トップ5
ランキング | 手術名 | 絶対数 |
---|---|---|
1 | 脂肪吸引 | 365,935件 |
2 | 眼瞼手術 | 312,950件 |
3 | 女性化乳房治療 | 305,340件 |
4 | 鼻形成術 | 239,971件 |
5 | 脂肪移植術-顔 | 126,493件 |
男性の非外科的治療 トップ5
ランキング | 手術名 | 絶対数 |
---|---|---|
1 | ボツリヌス療法 | 1,370,495件 |
2 | ヒアルロン酸 | 571,260件 |
3 | 脱毛 | 281,036件 |
4 | ケミカルピーリング | 142,752件 |
5 | 非外科的脂肪減少治療 | 136,650件 |
非外科的治療のトップはボツリヌス療法
外科的な手術の上位5位は脂肪吸引、豊胸術、眼瞼手術(まぶたの手術)、腹部形成術(タミータック)、バストリフトだった。
22年に続いてトップとなった脂肪吸引の手術件数は前年比21.1%増の230万件となった。外科的な手術の中で増加率が特に高かったのは豊尻術で前年比56.8%増だった。まぶたの手術は、脂肪吸引に代わって、男性でトップとなった。
非外科的治療の上位5位は、ボツリヌス療法、ヒアルロン酸、脱毛、ケミカルピーリング、非外科的な脂肪減少治療が人気だった。
豊胸術と鼻形成術は、18~34歳が最も多く、ボツリヌス療法と脂肪吸引は35~50歳が最も多かった。
ボツリヌス療法は、すべての年齢層、また男女ともに非外科的治療のトップであり続け、世界中で900万件以上の施術が行われた。
世界のトレンドと日本のトレンドを比べると、日本では非外科的治療が圧倒的に多いのが大きな違いとなっている。ヒフコNEWSでは、そのトレンドについて引き続きウオッチしていく。
参考文献
Global Survey 2022
https://www.isaps.org/discover/about-isaps/global-statistics/reports-and-press-releases/global-survey-2022-full-report-and-press-releases/
The Latest Global Survey from ISAPS Reports a Rise in Aesthetic Surgery Worldwide
https://www.isaps.org/media/a0qfm4h3/isaps-global-survey_2022.pdf
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