X世代が美容整形ブームの最前線、米国美容医療支出3兆円超、米国形成外科学会（ASPS）報告

ポイント

• 米国形成外科学会が、米国の美容医療トレンドについて詳細に調査
• 世代別で異なる施術の人気。X世代が幅広い分野で積極的に施術を受けている
• ここ3年間で、男性の美容医療が急増し、非外科的治療が強く支持されている

人気の施術は？写真はイメージ。（写真／Adobe Stock）

　このたび米国の美容医療トレンドに関する分析が公開された。その中心にいるのは40～54歳のX世代。米国での年間の美容医療支出は総額260億ドルで、日本円で3兆6000円を上回る。世界最大の形成外科の団体である米国形成外科学会（ASPS）が2023年12月7月に発表したものである。

30歳前後は豊胸術と豊尻術が人気

世代によって求められる施術は異なる。写真はイメージ。（写真／Adobe Stock）

　米国形成外科学会は22年統計の補足データを発表し、形成外科の最新の進歩を解説。同学会の会長であるSteven Williams医師は、「より快適で、自信を持てるようになる施術が求められている」と見解を示した。

　美容医療を受ける人たちの年代別割合、それぞれの世代で人気のある施術は次の通りである。

　データによると、X世代（40～54歳）は美容医療を受ける人たちの中で最も目立っている。この世代は腹部脂肪切除（タミータック）の48％、ボツリヌス療法の57％、ヒアルロン酸注射の50％など、さまざまな分野で最大のシェアを占めている。

　このほかミレニアル世代が多く受けている施術は、豊胸手術と脂肪移植による豊尻術。Z世代が多く受けているのは鼻形成術と頬インプラントだった。ベビーブーマーは顔の施術を受ける人たちのうち50％を占めていた。

男性の施術は3年で253％増加

美容医療を受ける人が増加している。写真はイメージ。（写真／Adobe Stock）

　男性の美容医療への関与が増加し、特に体をメスで傷つけない非外科的治療のニーズが高まっている。男性は150万人以上が非外科的治療をはじめとした美容医療を受けており、2019年と比較して253％の増加を見せている。

　特に「Brotox（ブロトックス）」と呼ばれる男性向けのボトックス療法は19年から65％増加した。フィラー治療も19年と比べて70％増加した。また、足の表面に血管が目立って見える「静脈瘤」や「クモ状静脈」の見た目を改善する硬化療法も54％の増加を見せている。

　一方で、外科手術は男性においては少なく、150万件のうち8万8876件にとどまっている。まぶたや耳の手術、頬のインプラントや顎の増大などでは、男性が受けるケースが多いようだ。

　美容医療への投資は増加傾向にある。非外科的治療は530ドル～1800ドル（日本円で約7万4000円～約25万円）。美容整形手術は3000ドル～1万ドル（同42万円～140万円）。米国で美容関連の手術に費やされた費用は総額260億ドル（同約3兆3600億円）に上った。施術料が低下している施術は、まぶたの手術、豊胸術、非外科的な脂肪減少術、スキンタイトニングだった。

参考文献

American Society of Plastic Surgeons Breaks Down 2022 Plastic Surgery Trends Among Different Demographics
https://www.plasticsurgery.org/news/press-releases/american-society-of-plastic-surgeons-breaks-down-2022-plastic-surgery-trends-among-different-demographics

2022年、美容医療の世界ランキング公開、第3位はまぶたの手術、第2位は豊胸術、前年に続く第1位とは？国際美容外科学会（ISAPS）調査
https://biyouhifuko.com/news/world/3331/

コロナ・パンデミックが世界の美容を変えた、その背景に韓国美容のトレンド
https://biyouhifuko.com/news/world/147/

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