年末年始は、お正月やクリスマス、忘年会などのイベントが盛りだくさん(今年は自粛が多いと思いますが)。暴飲暴食をしてしまったり・・・正月休みにゴロゴロしてしまい、体を動かす機会が減ってしまったりと、太りやすい時期です。
この時期に、ダイエットを始める方も多いのではないでしょうか。ジョギングやウォーキング、筋トレ、食事制限、カロリー制限、糖質制限などの代表的なものに加えて、「ダイエットサプリメント」を飲むことで、効率的に痩せたい方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は、年末年始に太るを予防する成分の含まれたサプリメントや処方薬などについて、ご紹介します。
ダイエットサプリには、2つのタイプある
市場には様々なダイエットサプリがありますが、実は2タイプあります。
- 太らない様にする(予防)ために飲むタイプのサプリ
- 太ってしまった後に痩せる(改善)ために飲むタイプのサプリ
つまり、太りたくない人が飲むべきサプリと、痩せたい人が飲むべきサプリの2つのタイプがあるという事です。ダイエットサプリと言っても実は、2つのタイプがあり、選び方を間違えてしまうと、効果を実感できないという残念なことになってしまいます。
効果を実感できないだけならまだしも、そのダイエットサプリに無駄なお金と時間をかけてしまうことにもなりますので、どっちのタイプのダイエットサプリを選ぶのか?は非常に大切です。
太ってしまう(脂肪が蓄積する)メカニズムと理由
最も気を付けるべきものは糖質です。
糖質は人間が活動する上でエネルギー源になる大切な栄養素ですが、「摂り過ぎ」てしまうと脂肪になってしまいます。
メカニズム
①糖質(白米、パン、麺、お菓子など)が体内に吸収される。
②糖質はブドウ糖に分解されて、エネルギーとして消費される。
③過剰に摂ってしまった糖質は、エネルギーとして消費されずに余ってしまう。
④余った糖質は「グリコーゲン」に形を変えて、先ずは筋肉と肝臓に貯蔵される。
⑤それでも筋肉と肝臓に貯蔵しきれなかった糖質は、「体脂肪」に形を変えて貯蔵される。
体脂肪がつきやすい理由
次に、体脂肪が付きやすい理由をご説明します。(体が糖質を脂肪に変換した方が良い理由)
体脂肪は非常に「エネルギー効率が良い」という特徴があります。
- 脂肪:1g=9kcal
- 糖質:1g=4kcal
- タンパク質:1g=4kcal
この様に脂肪は他の栄養素と比較しても、少ない量で多くのエネルギーを生み出すことができます。
つまり人間の体は糖質を体内に貯蔵する時には、「少ない量」で、「多くのエネルギー(カロリー)」を生み出すことができる「脂肪」として貯蔵した方が、非常に効率が良いのです。
また、余った糖質は先ずは筋肉や肝臓に貯蔵されますが、筋肉や肝臓には貯蔵量の限界があります。しかし、体脂肪はどれだけでも大きくなれるという特徴がありますので、貯蔵量に限界がなく、どれだけでも溜め込むことができます。これらが、人間の体の特性から見た体脂肪が付きやすい理由になります。
体脂肪が落ちにくい理由もある
体脂肪は付きやすいだけではなく、落ちにくいというやっかいな特徴もあります。それは、人間の体には溜め込んだエネルギー源を使う「順番」があるからです。
- まずは筋肉と肝臓に溜め込んだ「グリコーゲン」を使う。
- グリコーゲンが無くなったら、筋肉や骨が「アミノ酸」に分解されてエネルギー源になる。
- その後に、体脂肪が「脂肪酸」に分解されてエネルギー源になる。
つまり、体脂肪が分解されるのは一番最後なのです。
グリコーゲンやアミノ酸が使い切られる前に、再び糖質を口にしてしまうと、いつまで経ってもグリコーゲンが使いきれずに、体脂肪が分解されません。
それどころか、多くの糖質を口にしてしまうと筋肉や肝臓の貯蔵量を再びオーバーしてしまい、また体脂肪になってしまいます。これが、体脂肪が落ちにくい理由です。
ダイエットサプリメントは、「太るを予防する」ものが多い
ダイエットサプリには、2パターンあるというお話をさせていただきましたが、市場にある多くのサプリは体脂肪になるメカニズムのスタートである「糖質」に着目したものが多いのです。
ダイエット成分の代表的な働きは、
- 糖質の吸収を緩やかにしてなるべく体脂肪になるのを防ぐもの
- 糖質の分解を緩やかにしてなるべく体脂肪になるのを防ぐもの
- 糖質が素早くエネルギーとして消費されるのを手伝ってくれるもの
になります。
糖質をゆっくり吸収させたり、早くエネルギーに変えたりすることで、体脂肪になるのを防ぐ、つまり「太るを予防する」(太りにくくしてくれる)といった働きです。年末年始のどうしても太りやすい時期には、太るを予防するダイエットサプリ(太りたくない人が飲むサプリ)がおすすめです。
太るを予防する成分と飲む際の注意点
太るを予防する成分
- 難消化デキストリン
- グァバ葉ポリフェノール
- L –アラビノース
- 小麦アルブミン
- 大麦若葉由来食物繊維
- サラシノール
- イヌリン
- ビタミンB1 etc
サプリメントを飲む際の注意点
ここで、飲む際の注意点があります。
それは、飲むタイミングです。
太るを予防する成分が持つ、食事から摂った糖質の吸収を緩やかにしたり、エネルギーとして消費したりするという特徴を考えると、太るを予防するダイエットサプリは「食前」に飲む必要があります(糖質を食べる前に飲まないと、吸収を緩やかにしたり、エネルギーとして消費したりできないですよね。反対に糖質を食べた後に飲んでも、間に合いません。)。
必ず、上記の成分が配合されたサプリを飲む際は「食前」に飲んで下さい。
そうしないと、せっかくサプリを購入しても、効果が実感できないという残念な結果になります。
トクホ飲料を飲むときも実は注意が必要
特に、気をつけていただきたいのは「トクホ」(特定保健用食品)の飲料です。
トクホとは?
消費者庁が食品に健康機能表示(健康への効果をしめす表現)を具体的に表示する許可する制度。例えば、体脂肪が気になる方の食品、血中中性脂肪が気になる方の食品、など。
今では、お茶やコーヒー、コーラなどにもダイエット目的のトクホ飲料がコンビニなどでも気軽に購入できるようになっています。ただ、トクホ飲料の飲むタイミングを間違えている方が多い印象があります。太るを予防する成分が配合されているトクホ飲料なのに、食後や運動中に飲んでいる方も見かけます(必ず食前に飲みましょう)。
トクホ飲料は一般的なお茶やコーヒーなどよりも高額ですが、飲むタイミングを間違えてしまうと、ただ単に高額なお茶やコーヒーを購入しているという残念なことになってしまいます。
太るを予防するための処方薬もある
医療機関では、太る(肥満)を防ぐ目的で薬を処方しているところもあります。
代表的な薬は、サノレックス(マジンドール)です。
サノレックスは「食欲抑制剤」として承認を受けた薬で、食欲を抑えることで太るを予防するためのものです。
他にも、
- 「ゼニカル」:食事から摂取した脂分の吸収を阻害する。
- 「GLP -1受容体作動薬」:血糖値を下げる。
といった肥満を予防する薬もあります。これらは医療機関で処方されるものになりますので、気になる方は医療機関に必ずご相談下さい。
ダイエットは正しい知識を持って行いましょう
ダイエットは食事制限、糖質制限、ジョギング、筋トレなど、何かを我慢したり、辛い運動をしないといけないので、ダイエットを始めることに抵抗があったり、続かないという声もあると思います。
また、せっかくダイエットを始めたのに、なかなか痩せない、続かない、結果が出ないと、お金や時間だけかけてしまった・・・ということになります。
そのような事態を避けるために、「正しい知識」を持って取り組み、「効率的」にダイエットをしましょう!
この記事を書いたのは
- 宮田哲朗
- ㈱UTP 学術部部長 3,000件以上のクリニック、エステティックサロンに携わった経験を元に、化粧品やサプリメントなどをプロデュースし、数々のヒット商品を手掛ける。 著書に「美肌作りの3分ルール」、「プロのための美肌メソッド」