マスク生活で人前に出るときには常に顔の下半分が隠れた状態の現在、その人の印象を決めるのに、おでこの役割は以前にも増して大きくなっています。
でも、ゴツゴツしている、シワがあるなど、おでこにコンプレックスを持っている方も少なくないのではないでしょうか?
今回は、おでこを丸くつるんとさせるのに効果的な美容治療をご紹介します。
印象・雰囲気に大きく影響する「おでこ」
顔の大部分を占めるおでこは、目元と並んで、印象や雰囲気に大きく影響するパーツです。
ふっくらと丸みのあるおでこは、曲線がもたらす効果で柔らかな雰囲気を感じさせます。横から見ると特に立体感が出るため、シルエットも美しく見えますし、若々しく華やかな印象になります。
一方、丸みの少ないおでこは、ゴツゴツとした険しい雰囲気を感じさせることも。顔全体がのっぺりと平坦な印象になりがちです。シワも目立ちやすく、老け顔に見えてしまいます。
生まれつきの骨格で、小さい頃からおでこの丸みが少ないという方もいらっしゃいますが、実は加齢によっておでこが凹んでしまうこともあります。
人間の骨量は、20歳をピークとして30歳を過ぎた頃から徐々に減少すると言われています。顔の骨も例外ではなく、加齢によって萎縮し、骨格に変化が現れます。特にこめかみや眉上の骨が凹みやすく、おでこのシワにもつながってきます。
おでこに丸みがあるかどうかが、顔全体の印象を左右すると言ってもいいでしょう。
おでこを丸くすることのメリットとは
おでこを丸くする施術は、ヒアルロン酸や脂肪などを注入する施術が一般的です。これらの注入施術には、形を整える以外にもこのようなメリットがあります。
シワ・たるみの改善
おでこにボリュームが出ることで、しぼんだ風船を膨らませ直すようにハリが戻ります。それによって、皮膚がたるんで波打ったようになることで現れるシワが改善すると期待できます。
おでこの凸凹を改善
施術の際には、骨の萎縮による凹みの部分や、血管が浮きあがって凸凹した部分に重点的に製剤を注入して、表面が均一になめらかになるようデザインします。なめらかな曲線を持つ、光を反射するようなつるんとしたおでこが手に入ると期待できます。
若見え効果
横顔の美しさの指標として、鼻先と顎先を結ぶEラインがよく知られていますが、おでこから鼻にかけてのSラインも重要です。
おでこが丸く整うことで横顔がきれいなS字を描くようになると、華やかで若々しい印象になります。
目元のリフトアップ効果
皮下に製剤を注入すると、製剤の分だけおでこの筋肉や皮膚が上に持ち上がります。眉毛や上瞼もつられてリフトアップするため目元がすっきりし、目がパッチリ大きく見えるようになります。
クリニックで受けられるおでこの施術
おでこをふっくらと丸くさせる施術には、メスを使った本格的な方法もありますが、ここでは負担のあまり大きくない注入療法をご紹介します。
ヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸製剤を注入することで、おでこを丸く形成したり、おでこのシワを目立たなくしたりできる施術です。
加齢や元々の骨格などで骨に凹みのある場合は硬めの製剤を骨認知回深さに注入し、土台からおでこにボリュームのある自然な丸みを作ります。
深く刻みこまれた溝のようなシワがある場合には、比較的柔らかめの製剤をシワの真下に注入し、肌を内側から持ち上げて、目立たないようにします。
注射器で注入しますが、面積の大きい額は、複数箇所に針を刺してそれぞれの箇所で注入を繰り返す手法より、針穴が1箇所で済むマイクロカニューレを使った注入が適しているようです。
通常の注射針は硬く、先端が尖っています。何度も刺すと血管に突き刺さってしまうリスクがあります。これに対してマイクロカニューレは先端が丸く柔らかい注射針で、周辺の血管や神経組織を傷つけにくく、内出血のリスクが少ないといわれています。
マイクロカニューレでの注入を選択する場合は、3,000~9,000円のオプション料金が追加されることが多いでしょう。
ヒアルロン酸は様々な種類がありますが、おでこへの注入に特に適しているとされているのが、こちらの3つの製剤です。
ジュビダームビスタ ボリューマXC
アラガン社製のジュビダームビスタシリーズは、日本で初めて美容治療目的で厚生労働省の承認を受けたヒアルロン酸製剤です。
なかでもこのボリューマXCは、最長2年と持続期間が長いタイプです。
製剤に程よい硬さがあって形成力が高く、流れて広がるということが少ないので、注入で整えた形が崩れにくいとされています。
ヒアルロン酸製剤には吸水力が高いと、注入後に周囲の水分を吸収して膨らみ、その結果注入箇所が不自然に盛り上がってしまうものがあります。ボリューマXCは水分を吸収しにくい構造をしているため注入後の膨らみが少なく、なめらかで自然な仕上がりになると定評があります。
持続期間:1~2年
費用相場:7~10万円程度(1ccあたり)
クレヴィエル
韓国製のヒアルロン酸製剤です。他社のヒアルロン酸製剤と比較しても高濃度・高密度で、高い形成力と持続力が特徴です。高密度なため吸水性が低く、注入後の腫れが少ないとされています。
硬めの「コントア」と柔らかめ「プライム」の2種類があり、おでこへの注入にはプライムが適しているとされています。(コントアは鼻・顎の形成に使用されることが多いようです。)
持続期間:1~1年半
費用相場:5~10万円程度(1ccあたり)
ジュビダームビスタ ボリフトXC
こちらも厚生労働省承認のジュビダームシリーズですが、ボリューマXCよりも柔らかめの製剤です。柔らかいため形成力は少々弱めですが、肌なじみがよく、特にシワの改善に効果が期待できます。肌にツヤや潤い感がUPし、若々しいおでこになります。
持続期間:1~1年半
費用相場:7~10万円程度(1ccあたり)
脂肪注入(コンデンスリッチファット注入)
脂肪注入は、自分自身の太ももや臀部などから吸引した脂肪を気になる部分に注入して、ボリュームを与える施術です。おでこをふっくらと丸い形に整えることができます。
吸引した皮下脂肪に圧力をかけて遠心分離すると、血液や細胞膜、不活性化している細胞や老化した脂肪細胞といった不純物を取り除くことができ、さらに脂肪を細かくすることで高い生着率が期待できる治療法です。。こうして作成された健全な濃縮脂肪細胞=コンデンスリッチファット(CRF)は、元々が自分自身の組織なので肌へのなじみも良く、しこりなどになることもほとんどありません。体への定着率は60~80%ほどと高く、定着後は体に吸収されることもなく、半永久的に効果が持続します。
専用機器でCRFに含まれる大きな脂肪を更に細かく粉砕し、微細な脂肪細胞と高濃度幹細胞を抽出したものを、マイクロCRFといいます。なめらかなジェル状になっており、自然な仕上がりになります。
おでこにしっかりと丸みを出したい場合には、ひとつひとつの脂肪細胞が大きく、より形成力に優れているCRFが適しています。
一方マイクロCRFには、血液細胞や肌細胞の元となる幹細胞や、細胞を活性化する成長因子が含まれており、これらの働きで肌組織が活性化しコラーゲンが増生するため、ハリやシワの改善効果が期待できます。
持続期間:定着後はほぼ半永久的
費用相場:35万~60万円程度
比較表
ヒアルロン酸注入 |
脂肪注入 |
|
ダウンタイム |
ほぼなし(数日間目が腫れぼったくなることも) (稀に注射による内出血が1週間程度) |
・注入部位に腫れや鈍痛が1〜2週間程度 ・脂肪採取部位に内出血や腫れが1〜2週間程度 |
持続期間 |
半年~2年(製剤による) |
半永久 |
メリット |
・短時間で手軽に施術できる ・副作用やダウンタイムがほぼない ・失敗しても戻すことができる |
・生着後は効果が半永久的 ・吸引部位の痩身効果も ・肌のハリや弾力もUP ・自分の脂肪を使用するため、アレルギーがでにくい |
デメリット |
・繰り返しの施術が必要 ・技術によって凸凹や偏りができることも |
・脂肪が定着しない場合、複数回治療が必要 ・失敗しても元に戻しにくい ・ダウンタイムがある |
こんな方におすすめ |
手軽に施術を受けたい 初めておでこ注入をする |
長期間持続させたい ダウンタイムがあってもいい |
まとめ
印象を大きく左右するおでこ。ふっくらと丸いハリのあるおでこは、若々しく華やかな雰囲気を感じさせます。
おでこを理想的な丸い形に整えることができる注入療法は、施術する医師の知識や技術、センスによって、仕上がりに差が出る治療法です。また、顔の中でも広い範囲を占めるおでこは、特に失敗の許されない重要なパーツでもあります。経験と技術のある医師による施術が不可欠だと言えるでしょう。
ヒアルロン酸の場合は、各製剤メーカーが独自に注入指導医や認定医などの制度を設けています。CRFには日本医療脂肪幹細胞研究会(CRF協会)による認定制度があります。そういった資格・認定を得ているかどうかも、クリニック・医師選びの参考にすると良いかもしれません。