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最近では「美白点滴」を導入するクリニックが増えており、美容雑誌や美容系のブログでも頻繁に紹介されています。「美白点滴」は美白化粧品やサプリ、美白にいい食材を摂取するよりも即効性があり、効果を実感できる美白ケアと言われています。
この記事では、今話題の「美白点滴」がどういった施術なのか、その種類や効果、費用相場について詳しくご紹介します。
美白点滴とは
「美白点滴」は、シミやそばかすを薄くする、肌に透明感をもたらす、お顔全体のトーンアップといった効果が期待できる、高濃度ビタミンCやプラセンタエキス、グルタチオンやアミノ酸などを点滴で体内に取り入れる治療法です。
食事やサプリメントのような経口摂取では、体内に入ってから様々な器官を経て毛細血管にたどり着くため、吸収されるまでに時間がかかります。また、摂取した栄養分すべてを吸収するのは不可能なため効率が悪いということもあります。
一方、点滴や注射はダイレクトに血管内へ有効成分を送り込めるため、より高い美白効果が期待できます。また、美白点滴に使用されている有効成分には、美白だけでなく、疲労回復や肝機能促進、美肌などの効果もあり、一石二鳥の実感を得ることができるのも嬉しい特徴です。
美白点滴の種類
「美白点滴」と調べたら「ビヨンセ美白点滴」、「白玉点滴」など様々な名前があることが分かります。これは美白点滴には種類があり、改善したい悩み、体質によりクリニックごとに配合されている有効成分が異なるためです。
最近では有効成分を数種類混ぜて、オリジナルのカクテル点滴として提供しているクリニックも増えています。
「美白点滴」に配合されている主な成分
ビタミンC
メラニンの生成を抑える他に、すでに蓄積したメラニンを還元する、活性酸素を抑えるなど、シミやソバカスへの効果が期待できます。
また、コラーゲンの生成を助けるため、肌の弾力アップといった効果も得られます。
高濃度ビタミンC
ビタミンCの血中濃度を、通常の経口摂取ではとれないレベル(10〜100gほど)にまで一気に高めることのできる点滴です。(保険診療のビタミンCは2gほど)。美肌やアンチエイジングなどの美容効果はもちろん、体質改善・疲労回復、さまざまな体の不調を改善する効果が期待できます。
ビタミンB2
皮膚や粘膜の保護効果が期待できる成分です。
外からの刺激を跳ね除け、丈夫な肌作りが目指せる、細胞の再生効果により、肌ダメージの回復なども期待できます。
ビタミンB6
さまざまな外的刺激から肌を守り、皮膚炎の予防に役立ちます。成人女性の場合、1日1.3mgのビタミンB6を摂取することが厚生労働省より推奨されています。
αリポ酸
ビタミンCやビタミンEの約400倍もの抗酸化作用がある成分で、疲労時の栄養補給や肝機能の向上など幅広い効能があります。またデトックス効果もあり、より一層の美容効果を期待できます。
トラネキサム酸
アミノ酸の一種で、肝斑の改善に効果を発揮します。トラネキサム酸は、ドラッグストアや薬局などでも販売できるOTC医薬品(経口摂取)として、肝斑の改善効果で初めて認可された成分です。比較的に安全性が高いと言われ、アレルギー症状や蕁麻疹、口内炎などの治療にも処方されることもあります。
グルタチオン
3つのアミノ酸が連なったペプチドで、強い抗酸化作用と解毒作用を持っています。元々体内で作られていますが、年齢とともに生成量が減少することで、肌荒れや代謝の低下などを引き起こします。美容ではアンチエイジングに適した成分として使用されている他、肝機能の改善やパーキンソン病の治療としても用いられています。
ビオチン
ビタミンB7とも言われており、水溶性のビタミンB群の仲間のひとつです。皮膚や粘膜の働きを助けてくれる成分で、肌のターンオーバーを正常化して、健康な皮膚を作ります。
グリチルリチン・グリシン・システイン
美白に効果的な成分と言われています。また、抗炎症作用、抗アレルギー作用、解毒作用と複数の効果を期待できるので、もともと肌が弱い人でも、より丈夫な肌を目指せます。
プラセンタエキス
高い美白効果、抗酸化作用が期待できる成分です。くすみ・シミの改善や予防に役立ちます。
他にもコラーゲンの生成、保湿効果、抗アレルギー効果もあるので全体的に美肌を目指せる成分です。ただし、プラセンタエキスには、個人差がありますが血液低下・喘息発作を引き起こす可能性がある他、献血ができなくなるなどの注意点があります。
美白点滴のメリットとデメリット
メリット | ・効果が高く即効性も期待できる ・さまざまな美白有効成分をミックスして処方してもらえる ・お肌の調子だけでなく身体の調子も整えることができる |
デメリット | ・施術費用が高額 ・効果については個人差がある ・定期的に継続して通う必要がある(1〜2週間に1度)・発疹、頭痛、吐き気、腹部の不快感などの副作用が出るときがある ・心臓に疾患がある人、高血圧症の人、腎臓に疾患のある人、血栓性の疾患がある人など、点滴を受けられない人もいる |
メリット
点滴した翌日に一気に真っ白な肌になるわけではありませんが、「ファンデーションの色が明るくなった」「お肌の調子がよい」「肌がつやつやになった」という感想や「周りから肌を褒められるようになった」という声が多いです。複数の成分を混ぜて点滴で取り入れることで、お肌の調子をトータルで整えられるため、しみやそばかすの他にニキビやくすみなどの症状改善も期待できます。また、肝機能の促進や免疫力アップなど身体の調子も同時に改善できるというメリットも有ります。
デメリット
点滴に含まれる成分に対してアレルギー反応が出る場合があります。発疹や頭痛、腹部の不快感の他にもアナフィラキシー症状を起こす場合があります。必ず医師と相談した上で点滴を受けるようにしましょう。
また、心臓の疾患や高血圧、腎不全などの疾患を持っている、脳血栓や血栓性静脈炎といった血栓性の疾患を持っている人は施術できないことがあるので注意してください。副作用ではありませんが、プラセンタ注射を1度でも行った場合は献血ができなくなります。さらに、「思っていた程効果がなかった」「継続が必要なので費用が高額になる」といった声も聞かれます。定期的に接種しなければ効果は続かないので、成分だけでなく、予算も考えて自分に合ったクリニックを選ぶことが大切です。
費用相場
「美白点滴」は費用が比較的高額です。医療行為ではあるものの保険適用外となりますので、大体1回につき4,000円〜10,000円が相場となります。病院によってはそれ以上するところもあります。また、配合されている成分や継続回数によっても費用総額は変わります。
ビタミンC点滴30g | 1回3,000円~8,000円 |
高濃度ビタミンC点滴 | 1回5,000円~20,000円 |
グルタチオン点滴600mg ※美容だけでなく、他の治療目的のためにも使用することがあるので単品での点滴を扱っている病院が多くあります。 |
1回5,000円~8,000円 |
プラセンタ注射 ※プラセンタ自体は「メルスモン」と「ラエンネック」という2種類しか許可されていません。保険適用の場合は1アンプル(1本=2ml)500円くらい。医療機関によりばらつきがあります。 |
1回3,000円~20,000円 |
ビオチン点滴、トラネキサム酸点滴 ※ビタミンCなど他の美容成分と混合する場合が多く、この場合は成分にもよりますが5,000円~20,000円ほどです。 |
1回2,000円程度 |
グルタチオン点滴は早い人で、3~4回受けると美白効果を実感できるといわれています。他の点滴も、個人差はありますが最初は週に1回~2週間に1回ほどを6~7回、そのあとは月に一度、もしくは2度という頻度で受けていると美白キープが出来ると言われています。施術時間は病院によってさまざまですが、目安は20分〜1時間前後です。
美容点滴を受けるクリニック選びのポイント
価格だけで決めない
例えば同じ「高濃度ビタミンC点滴」でも、Aクリニック3,000円ですが成分量は6g、Bクリニックは10,000円しますが成分量が20gといったケースもあります。また、使われている薬剤の質に違いがある場合もあります。
「美白点滴」は「ビタミンC+トラネキサム酸+プラセンタ」など、いろいろな成分がオリジナルで配合されている場合がほとんどです。価格だけではなく、それぞれの点滴に配合されている成分と成分量なども確認したうえで選びましょう。
大手美容クリニックだけではない
最近では一般の皮膚科、内科などでも自費治療として「美白点滴」を行っているところがあります。身近に美白点滴を扱う信頼できるクリニックがあれば、大手美容クリニックと比べて安く治療を受けられるかもしれません。
一方大手美容クリニックでは、美白点滴だけでなく、いろいろな美白メニューが用意されているメリットがあります。カウンセリングで、気になるシミがあればレーザーで除去する、ピーリングで肌のトーンアップをするなど、総合的に悩みを解決するための治療法を提案してくれます。
信頼できるクリニックかどうか
「美白点滴」は保険適用外の医療行為です。メリットや効果ばかりを説明してくる、キャンペーン中だからと施術を急がせる、などのクリニックには注意が必要です。
あなたの立場になって考えてくれているか、デメリットも含め施術に関して丁寧で分かりやすい説明をしてくれているか、経験豊富な医師が施術をしてくれるかなどをひとつの判断基準としてクリニックを選ぶことをおすすめします。
まとめ
美白ケアは、何よりも根気が必要です。普段の生活でしっかりケアをしていてもなかなか色白にならない、効果が見られないという方は、「美白点滴」を取り入れてみるのも良いかもしれません。
記事監修

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山下真理子先生
京都府立医科大学を卒業して、医師に。 大阪市内で美容医療に携わりながら、医療教育にも従事。 コラムの執筆やモデル業の傍ら、17公式ライバーとしてライブ配信も行っている。
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