ニキビは「尋常性座瘡(じんじょうせいざそう)」という難しい正式名称のある、立派な皮膚疾患、しかも慢性疾患です。治りにくく、また繰り返しやすい疾患です。ニキビの症状が進行すればするほど、治癒までにかかる時間は長くなり、ニキビ跡になる可能性も高くなります。10年後の美肌のためにも、ニキビは早期治療が鉄則なのです。

毎日のケアに気を使い、ビタミンやコラーゲンと食事にも気をつけても、避けられない肌トラブル。中でも、ある日突然ポツッと現れる「ニキビ」にお悩みの方は多いのでは?そのうち治る…と放っておくと、長引いて、より厄介なニキビ跡が残ってしまうこともあります。早いうちに治すことはもちろん大切ですが、できないに越したことはないですよね。大人ニキビの原因を知って、なめらかな肌を目指しましょう。

どうしてできる大人ニキビ 悩みの元凶3大要因

どうしてできる大人ニキビ 悩みの元凶3大要因

ニキビは、「皮脂・毛穴つまり・アクネ菌」の3つの要因が関係して発生します。

皮脂の過剰分泌

皮膚を外部の刺激から守るために欠かせない皮脂。ストレスの増加や寝不足による自律神経の乱れが原因となって男性ホルモンと女性ホルモンのバランスが崩れると、皮脂の分泌が活発になります。糖分油分の多い食事で皮脂の分泌が過剰になることもあります。
また、肌の水分量が少なく、乾燥した状態になると、肌本来のバリア機能が低下します。すると肌は外部の刺激から皮膚を守るために皮脂の分泌量を増やすので、結果として皮脂の過剰分泌に繋がります。

毛穴のつまり

肌には、約28日のサイクルで角質がはがれおちて新しい皮膚細胞に生まれ変わるターンオーバー機能があります。通常、皮脂は汗とともに毛穴から排出されます。ところが、ターンオーバーがうまくいかなくなると、毛穴の中に角質がうまく排出されず残ってしまい、その角質と皮脂やメイク汚れなどが混ざり合って角栓となり、毛穴を塞いでしまいます。

アクネ菌の増殖

ニキビに悩む人にとっては最も嫌な敵と言えるアクネ菌。実は、誰もが持っている肌の常在菌です。ということは、ニキビがない人の肌にも、アクネ菌は存在しているということです。ではなぜ、ニキビになる時、ならない時があるのでしょうか?

アクネ菌は、空気を苦手とする嫌気性の細菌です。そのため、空気に触れやすい環境では増殖することはありません。そんなアクネ菌にとって最高の環境が、つまった毛穴の中です。前述した通り、ターンオーバーの乱れなどが原因で毛穴づまりが起こると、毛穴が密閉されアクネ菌が苦手とする空気に触れなくなります。そして、その詰まった毛穴の中で皮脂をエサとしてアクネ菌はどんどん増殖し、炎症のもとになる成分をつくります。

これをまとめると、

角質や過剰な皮脂が毛穴を詰まらせる→詰まった毛穴の中でアクネ菌が増殖する

これが、ニキビ発生の仕組みです。

あなたのニキビはどちらのタイプ?思春期ニキビと大人ニキビ

あなたのニキビはどちらのタイプ?思春期ニキビと大人ニキビ

「ニキビは青春のシンボル」なんて言葉もあるように、中高生の肌トラブルという印象が強いニキビ。なのに、大人になってもニキビに悩まされ続けるのはどうしてなのでしょうか?実は、中高生の頃の「思春期ニキビ」と、大人になってからの「大人ニキビ」とでは、毛穴の詰まりの原因に違いがあります。

思春期ニキビの場合に毛穴が詰まる原因は、主に成長期における皮脂の過剰分泌です。そのため、顔の中でも皮脂が多くなりやすい、おでこや鼻といったTゾーンにできやすいのが特徴です。ホルモンバランスが安定してくる20代前後になると、落ち着いてきます。

一方、大人ニキビの場合は、肌のターンオーバーのリズムが乱れ、古くなった角質が溜まることが、毛穴を詰まらせる原因だと考えられています。ターンオーバーがうまくいかなくなる要因は、食生活の乱れ、寝不足、ストレス、ホルモンバランスの乱れ、間違ったスキンケアなど、さまざまです。これらの要因は皮脂の過剰分泌を引き起こすこともあり、そうするとさらに毛穴を詰まらせることになります。思春期ニキビとは違って、皮脂の少ない頬からアゴにかけてのUラインにできやすいこと、乾燥肌の人にもできること、同じところに繰り返しできやすいことが特徴です。

ニキビの状態によって、注意するポイントも変わります

ニキビの状態によって、注意するポイントも変わります

ニキビは、進行度合いによって症状が変わります。

白ニキビ

皮脂が毛穴につまった状態で、ポツンとした小さな白い点に見えます。気になってついつい触ってしまったり、小さいうちに自分で潰そうとしたりしがちですが、指の雑菌が入って炎症になってしまうことがあるのでNGです。

黒ニキビ

白ニキビができた後に毛穴が開き、中の皮脂と角質が混ざって酸化し、角栓の頭が黒く見える状態です。黒く目立つので気になって、指や綿棒で押し出したくなりますが、肌に傷を作ったり、雑菌で炎症を起こしたりしかねないのでNGです。

 

上記の白ニキビと黒ニキビには、詰まった皮脂や古い角質を取り除くピーリングが有効です。ピーリング効果のある洗顔料、化粧水をスキンケアに取り入れてみましょう。また、美容クリニックでは、滅菌した器具で詰まった皮脂を取る圧出処置をしてもらえます。

赤ニキビ

白ニキビ・黒ニキビが悪化して炎症を起こし、周りが赤く腫れあがった状態です。毛穴の中では、増殖したアクネ菌が炎症物質を作り出しています。こうなると、自己流のケアは禁物です。自分で潰すのはもっての外、市販のニキビ薬でも症状の進行に追い付かず、悪化させてしまうことがあります。この段階でしっかり治療しないと、ニキビ跡になってしまうこともあります。

黄ニキビ

赤ニキビがさらに悪化し、激しく炎症を起こしている状態です。アクネ菌と戦った白血球の残骸が黄色っぽく透けて見えます。この状態になってしまったら、一日でも早く皮膚科を受診してください。
炎症がひどいと、膿疱と呼ばれる膿をともなうニキビになる場合もあります。毛穴の破壊が進んでダメージが皮膚の深いところまで及ぶと、凸凹したニキビ跡になってしまうことがあり、その治療はとても難しくなります。

 

赤ニキビ・黄ニキビは、炎症を抑えることが大事ですので、医師に治療を委ねるのが一番です。抗生物質や消炎剤を含んだ外用薬・内服薬を処方してもらいましょう。

クリニックに相談して、ニキビの悩みを解決しましょう

クリニックに相談して、ニキビの悩みを解決しましょう

「ニキビくらいでクリニックに行くなんて…」と受診をためらわれる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、ニキビは「尋常性座瘡(じんじょうせいざそう)」という難しい正式名称のある、立派な皮膚疾患、しかも慢性疾患です。治りにくく、また繰り返しやすい疾患です。ニキビの症状が進行すればするほど、治癒までにかかる時間は長くなり、ニキビ跡になる可能性も高くなります。10年後の美肌のためにも、ニキビは早期治療が鉄則なのです。医師には、症状が軽い患者さんから重い患者さんまで、たくさんの治療経験があります。「このくらいのことで…」なんて思わず、ぜひ皮膚科専門医の力を借りてください。

まとめ

肌の大敵、大人ニキビ。今回は、大人ニキビの原因と種類についてご紹介しました。自分の顔にひとつでもニキビを見つけると、がっかりした気分になってしまうもの。そうなる前に、ニキビができる原因を知って、対策をしましょう。それでもできてしまったら、すぐに皮膚科専門医を受診して、正しく早く治しましょう。ニキビ知らずの健康な肌作りを目指したいですね。

 

記事監修


山下真理子先生

京都府立医科大学を卒業して、医師に。 大阪市内で美容医療に携わりながら、医療教育にも従事。 コラムの執筆やモデル業の傍ら、17公式ライバーとしてライブ配信も行っている。

※マッサージや化粧品などの情報が記載されている場合は監修範囲に含まれません。

※執筆・掲載日時点の情報を参考に医師監修しております。

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