エラボトックスとは

エラボトックスとは、顔のエラ部分(咬筋)にボトックス注射を行う美容施術のことです。この治療により、発達した咬筋が縮小することで小顔効果を得ることができるため、多くの女性に人気の施術となっています。
ボトックス注射に使用されるボツリヌストキシンは、筋肉の収縮を抑制する働きがあり、エラの張りの原因となる咬筋の動きを一時的に制限します。
この施術の最大の魅力は、メスを使わずに小顔効果を得られる点にあります。輪郭を変える骨切り手術とは異なり、筋肉の働きを調整することで自然な仕上がりを期待できるため、美容施術が初めての方にも選ばれやすい治療法です。
エラボトックスについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
エラボトックス術後経過とは

エラボトックス注射を受けた後は、時間の経過とともに段階的な変化が現れます。術後の経過を「直後」「翌日〜3日」「3日以降」に分けて、それぞれの時期における具体的な変化や注意点について詳しく説明していきます。
直後
エラボトックス注射を受けた直後は、特に慎重に過ごす必要があります。この時間帯は注入したボツリヌストキシンがまだ安定しておらず、安静にしていないと薬剤が意図しない部位に拡散してしまう可能性があるのです。
直後に絶対に避けるべき行動は以下の通りです。
- 注射部位を触る・押す・マッサージする
- 激しい運動や体温上昇を伴う活動
- 長時間うつ伏せになる
施術直後に現れる症状として、注射部位の軽い腫れや赤みが挙げられます。これは針を刺した際の正常な反応であり、通常は数時間以内に自然に治まるものです。
また、エラ部分に軽い違和感やひきつれ感を感じることもありますが、これも一時的な症状なので心配する必要はありません。
洗顔やメイクについては、注射部位を避けて優しく行うのであれば問題ありません。ただし、強くこすったり圧迫したりすることは絶対に控えてください。また、アルコール摂取も血行を促進して腫れを悪化させる可能性があるため、当日は避けることをおすすめします。
翌日〜3日
エラボトックス注射から翌日~3日の期間は、注入したボツリヌストキシンが筋肉組織に徐々に浸透し始める時期です。この段階では直後ほどの制限はありませんが、引き続き慎重な過ごし方を心がけましょう。
施術翌日になると、注射部位の腫れや赤みはほとんど目立たなくなります。しかし、薬剤はまだ完全に安定していないため、強い刺激や圧迫は避ける必要があります。この時期の重要なポイントは、咬筋へ過度な負担をかけないことです。
日常生活における注意点として、以下の行動に気をつけてください。
- 硬い食べ物を強く噛む行為(ナッツ、せんべい、硬いパンなど)
- エラ部分のマッサージや指圧
- 長時間の歯ぎしりや食いしばり
美容ケアに関しては、通常のスキンケアは可能ですが、エラ部分への強いマッサージは控えてください。洗顔時も泡で優しく洗い、タオルで拭く際は押さえるように水分を取るのがポイントです。
この期間中に軽い違和感や筋肉のこわばりを感じることがありますが、これは薬剤が効き始めているサインでもあります。心配せずに、引き続き適切なケアを継続することで、フェイスラインの変化を実感できるようになってきます。
【3日以降】薬剤が作用し始める準備期間
施術から3日ほど経つと、ボツリヌストキシンが筋肉内で安定し、
ゆっくりと効果が現れ始める「作用初期」の段階に入ります。
この頃から、食事中に噛むときの筋肉の張り感がやや軽くなったと感じる人もいますが、
見た目の変化としてはまだ大きな違いは出ません。
多くの方は、施術から2〜4週間後にかけて徐々にフェイスラインがすっきりしてきます。
3日目以降はその“準備期間”と考え、薬剤がしっかり作用できるよう
穏やかに過ごすことが大切です。
この時期の注意点や過ごし方のポイントは以下の通りです。
- 適度な運動は可能だが、激しい筋トレは1週間ほど控える
- 顔のマッサージやエステは施術後2週間程度避ける
- 通常の洗顔・スキンケアはOK(ただし強い摩擦は避ける)
- 硬い食べ物は徐々に様子を見ながら摂取する
3日以降は、体の中で少しずつ反応が進んでいる段階。
「まだ変化がない」と焦らず、安静を心がけて過ごすことで、
2〜3週間後には自然で引き締まったフェイスラインへと変化していきます。
【1〜2週間後】見た目の変化が少しずつ現れ始める時期
施術から1週間ほど経つと、ボツリヌストキシンが筋肉の神経伝達を安定してブロックし始め、
エラ張りの原因である咬筋(こうきん)の動きが徐々に弱まるタイミングに入ります。
この時期から「噛んだときの筋肉の盛り上がりが減った」「エラの張りが少しやわらいだ」と感じる方が増えてきます。
見た目の変化はまだ緩やかですが、フェイスラインがなめらかに整い始めることで、
鏡を見たときに下顔面がややスッキリした印象を受けるようになります。
この頃の変化は、周囲から指摘されるほどではないものの、
自分では「あれ?なんとなく軽くなったかも」と感じる段階です。
また、人によっては噛むときに少し力が入りづらいと感じることもありますが、
日常生活に支障が出るほどの変化ではなく、通常は数日で慣れていきます。
筋肉の働きが少しずつ抑えられていく過程で、自然にフェイスラインが整うのが理想的な反応です。
【1〜2週間後の過ごし方】
この時期は、見た目にも変化が出始める一方で、まだ薬剤の作用が完全ではありません。
以下の点を意識して過ごすことで、より美しい仕上がりを得られます。
- 咬筋に負担をかける硬い食べ物の摂取は控えめに
- フェイスラインのマッサージやエステは引き続き避ける
- 熱を伴う施術(HIFU・サウナ・ホットヨガなど)は2週間程度控える
- スキンケアやメイクは通常通りでOK
1〜2週間後は、「効果が出始めた」と感じる方と「まだ変化が少ない」と感じる方が分かれる時期ですが、
焦らずに様子を見ましょう。多くの人が2〜4週間後に最も効果を実感します。
エラボトックスの術後で気をつけるべきNG行動

エラボトックスの術後に効果を確実に得るためには、NG行動を正しく理解することが不可欠です。術後に避けるべき主な行動として、激しい運動、フェイスマッサージ、長時間の入浴やサウナ、過度な飲酒などが挙げられます。
これらの行動は血行を促進したり、注入部位に刺激を与えたりすることで、ボトックスの定着を妨げる可能性があるのです。なぜこれらの行動がNGなのか、具体的にどのような影響があるのかについて詳しく説明していきます。
激しい運動
エラボトックス術後に激しい運動は絶対に避けるべき行動の一つです。施術後24時間以内の激しい運動は、エラボトックスの効果を大幅に減少させる可能性があるため注意が必要です。
激しい運動がNGとされる主な理由は、血行促進による薬剤の拡散にあります。ランニングや筋トレなどの激しい運動を行うと血流が活発になり、注入したボトックスが本来効かせたい咬筋以外の部位に流れてしまう恐れがあります。
その結果、期待していた小顔効果が十分に得られなかったり、意図しない筋肉に作用して表情に影響が出たりする可能性があるのです。
また、運動中に発生する発汗や体温上昇も、注射部位の腫れや赤みを悪化させる要因となります。さらに、運動によって無意識にタオルで顔を拭いたり、手で顔に触れたりする機会が増えることも、術後の患部への刺激となってしまうでしょう。
フェイスマッサージ
エラボトックス術後のフェイスマッサージも避けるべきNG行動です。普段のスキンケアルーティンでフェイスマッサージを習慣にしている方も多いと思いますが、施術後は一定期間控える必要があります。
フェイスマッサージがNGとされる理由は、注入したボトックスの拡散リスクにあります。マッサージによる圧力や摩擦は、まだ定着していないボツリヌストキシンを本来効かせたい咬筋以外の部位へ移動させてしまう危険性があるのです。
その結果、期待していた小顔効果が十分に得られないだけでなく、意図しない筋肉に作用して表情の違和感や非対称を引き起こす可能性もあります。
また、日常的な洗顔時の摩擦やスキンケア時の強いパッティングも、マッサージ同様の刺激となってしまいます。洗顔料を泡立てて優しく洗う、化粧水や美容液は軽く押さえるようにつけるといった配慮が必要でしょう。
長時間の入浴やサウナ
エラボトックスの施術後は、長時間の入浴やサウナ、岩盤浴などの高温環境は避けましょう。
これは単に血行が良くなるからという理由だけでなく、
ボツリヌストキシンという薬剤が熱に弱い性質を持つタンパク質であるためです。
ボトックスは注射後すぐに筋肉へ完全に結合するわけではなく、
体内で安定して作用を発揮するまでに2〜3日ほどかかります。
この間に体温が過度に上がると、薬剤が熱によって分解・変性し、効果が弱まる可能性があります。
また、血流が活発になることでボトックスが意図しない部位へ広がり、
表情の違和感や非対称を引き起こすリスクもあります。
特にサウナは短時間でも体温が急上昇しやすく、
その後の冷水浴による急激な温度変化も血管に負担をかけるため、術後は避けるのが安全です。
どうしても体を温めたい場合は、施術後2〜3日はシャワーのみ、
その後もぬるめ(38〜39℃程度)の湯に短時間浸かる程度にとどめましょう。
ボトックスの効果をしっかり定着させるためには、
「熱を避けて安静に過ごす」ことが最も確実なアフターケアです。
過度な飲酒
過度な飲酒も控えるべきNG行動です。過度な飲酒がNGとされる最も重要な理由は、アルコールによる血行促進作用にあります。アルコールを摂取すると血管が拡張し、血流が活発になることで、注入したボツリヌストキシンが本来効かせたい咬筋以外の部位に拡散してしまう危険性があるのです。
その結果、期待していたエラの小顔効果が十分に得られなかったり、意図しない筋肉に作用して表情の非対称や口角の下がりといった副作用を引き起こしたりする可能性もあります。
飲み会や接待などでどうしても断れない場合は、ノンアルコール飲料で代用するか、「薬を服用している」ことを理由にお酒を控えるという方法もあります。
エラボトックスの効果を持続させるための過ごし方

エラボトックスの効果は、一般的に3〜6か月ほど持続します。
ただし、生活習慣や筋肉の使い方によっては、効果が早く薄れたり、左右差が出やすくなったりすることもあります。
せっかく受けた施術の効果を長持ちさせるためには、日常生活で次の3つのポイントを意識しましょう。
① 咬筋に負担をかけすぎない
ボツリヌストキシンは、咬筋(こうきん)の動きを一時的に抑えることで小顔効果を発揮します。
そのため、硬い食べ物を頻繁に噛む、歯ぎしりをする、無意識に食いしばるといった行為を続けると、筋肉が再び発達し、効果の持続期間が短くなる原因になります。
食事中や就寝時に顎へ力が入りやすい方は、意識的にリラックスを心がけるほか、ナイトガード(マウスピース)の使用も有効です。
② 定期的な再施術を検討する
ボトックスの効果は永久的ではなく、時間の経過とともに元の筋活動が少しずつ戻ります。
3〜6か月に一度のペースで継続的に施術を受けることで、筋肉が徐々に小さくなり、より持続的で自然なフェイスラインを維持しやすくなります。
特に初回は3か月程度で再施術を受け、その後は筋肉の戻り具合に合わせて半年ごとに調整していくのが理想的です。
このサイクルを続けていくことで、筋肉の働きが徐々に落ち着き、咬筋自体も少しずつ縮小していきます。
これは、筋肉を使わない期間が続くことで筋線維が細くなる「廃用性萎縮(はいようせいいしゅく)」と呼ばれる現象によるものです。
その結果、回数を重ねるごとに筋肉量が減り、施術間隔を空けても効果が長持ちしやすくなる傾向があります。
つまり、最初は数か月ごとの定期施術が必要でも、時間の経過とともに少ない回数でキープできる状態へ移行していくのです。
③ 健康的な生活習慣を維持する
睡眠不足やストレスは、無意識の歯ぎしりや食いしばりを誘発しやすく、エラの筋肉を刺激する原因になります。
また、過度な飲酒や喫煙は血流や代謝に影響を与え、ボトックスの分解を早める可能性があります。
規則正しい生活とバランスの取れた食事、十分な休息を意識することで、美容医療の効果をより長く、安定的に保つことができます。
エラボトックスは、1回の注射でフェイスラインをすっきり見せるだけでなく、定期的に続けることで筋肉そのものを縮小させる長期的な変化をもたらします。
正しいアフターケアと生活習慣の工夫を重ねることで、無理なく自然な小顔ラインをキープすることができるでしょう。
エラボトックス術後の過ごし方に関する質問

エラボトックスの施術後に多くの方が疑問に感じるよくある質問について回答していきます。
いつからマッサージできますか?
エラボトックス施術後のマッサージは、施術から1〜2週間後以降に開始することが推奨されています。これは、注入されたボトックスが筋肉にしっかりと定着するまでに約1週間程度の時間が必要だからです。
施術直後から1週間以内にフェイスマッサージを行ってしまうと、ボトックス製剤が注入部位から移動してしまう可能性があります。特に強い圧力をかけるマッサージや、長時間の揉みほぐしは避けるべき行動として覚えておきましょう。
メイクはいつからできますか?
エラボトックス施術後のメイクは、基本的に施術当日から再開することが可能です。メイクが当日から可能である理由は、注射の傷口が非常に小さいためです。極細の針を使用するため、メイク用品が傷口に入り込む心配はほとんどありません。
術後に筋トレは行っても大丈夫ですか?
エラボトックス術後の筋トレは、最低でも1週間は控えることが望ましいです。理想的な小顔効果を確実に得るためには、この期間中の運動制限を守ることが非常に重要でしょう。
筋トレを控えるべき理由は、激しい運動による血行促進が挙げられます。ウェイトトレーニングや高強度の筋トレを行うと、血流が活発になりすぎて注入したボトックスが本来効かせたい咬筋以外の部位に拡散してしまう恐れがあるのです。
その結果、期待していたエラの小顔効果が減少したり、意図しない筋肉に作用して表情に違和感が生じたりする可能性があります。
ダウンタイムはどれくらいで落ち着きますか?
エラボトックスのダウンタイムは、ほとんどありません。使われる針も細いので、針穴が目立つようなことありませんし、施術直後からメイクも可能です。
ただし、内出血が生じた場合は完全に収まるまでに2週間程度かかることもあります。内出血の程度は個人の体質や血管の状態によって大きく異なるため、心配な場合は施術を受けたクリニックに相談することをおすすめします。
まとめ

エラボトックス施術後の過ごし方は、単に美容効果を左右するだけでなく、あなたの健康にも直結する重要な要素といえるでしょう。
術後に避けるべき主なNG行動として、激しい運動、フェイスマッサージ、長時間の入浴やサウナ、過度な飲酒が挙げられます。これらの行動は血流を促進させ、ボトックスの拡散や効果の減少を招く可能性があるためです。
一方で、効果を持続させるためには患部への刺激を避ける、患部を触らない、体温を上げないという3つのポイントを心がけることが大切です。
術後の不安や疑問が生じた際は、一人で悩まずに施術を受けたクリニックに相談することをおすすめします。適切なアドバイスを受けながら正しいケアを続けることで、満足のいく美しい小顔効果を実現できるでしょう。







