エラボトックスとは?痛みを理解する前に知っておきたい基礎知識

エラボトックスは、ボツリヌストキシンという成分を咬筋(エラの筋肉)に注射することで、筋肉の動きを一時的に抑制し、小顔効果やエラ張りの改善を目指す美容医療です。
エラボトックスについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
エラボトックスの仕組み
エラボトックスは、ボツリヌストキシンという成分を使って、咬筋(エラの部分の筋肉)の動きを抑える施術です。
ボツリヌストキシンは、ボツリヌス菌がつくる毒素から精製されたタンパク質成分で、毒そのものではありません。 医療用に安全に調整され、さまざまな治療にも使われています。
この成分をエラ張りの原因である咬筋に注射することで、神経から筋肉への「動け」という信号が一時的に遮断され、咬筋の働きが抑えられます。
使われなくなった筋肉は徐々にボリュームが減り、エラの張りがやわらいでフェイスラインがすっきりとした印象に変わっていきます。
もともとボツリヌストキシンは、眼瞼けいれんや片側顔面けいれんなどの治療にも使用されており、医療分野でも長年用いられている成分です
施術時間・効果・ダウンタイム
エラボトックスの施術は、約5~10分程度の短時間で完了するのが最大の特徴です。
効果については施術直後に劇的な変化はありませんが、筋肉の動きが弱まるまでには2〜3日〜1週間程度かかります。
そこから、動かさなくなった咬筋が少しずつ萎縮(細くなる)していくため、フェイスラインの変化を実感できるのはおおよそ2〜4週間後です。
より自然にエラの張りがやわらいで見えるのは、1か月前後が目安となります。
ダウンタイムはほぼゼロに近いのも嬉しいポイントです。注射直後に軽い赤みや腫れが生じることはありますが、お化粧や洗顔も当日から可能で、翌日にはほとんどの方が普段通りの生活を送れます。
エラボトックス後の過ごし方について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
エラボトックスの痛みはどのくらい?実際の体感を解説

エラボトックスの痛みは、多くの方が心配されるほど強いものではありません。実際の体感としては、注射時はチクッとした軽い痛みが一瞬感じられる程度で、歯科治療の麻酔注射よりもずっと軽微です。
注射時と注射後それぞれの痛みの特徴について詳しく説明していきます。
注射時の痛み:チクッとするが一瞬で終わる
エラボトックスの注射時には、チクッとした刺激に加えて、ややズンと響くような痛みや圧を感じることがあります。
とはいえ、痛みはごく短時間で、数十秒ほどで施術が終わるため、多くの人が我慢できる範囲です。
この施術は基本的に麻酔なしで行われるのが一般的ですが、痛みに不安がある場合は、表面麻酔クリームや冷却による麻酔を併用できるクリニックもあります。
使用される針は非常に細く、皮膚への刺激を最小限に抑えるよう工夫されています。
痛みの感じ方には個人差がありますが、「筋肉注射より軽い」「歯医者の麻酔よりはマシ」と表現する方が多いです。
エラボトックスの注射後には、軽い筋肉痛のような鈍い違和感を感じることがあります。
これは、ボツリヌストキシンが咬筋に作用し始め、筋肉の動き方や力の入り方が変化していく過程で起こる反応です。
違和感はすぐには出ず、注射から数日〜1週間ほど経って薬が効き始める頃に感じることが多いです。
普段の咀嚼や食いしばりの際に、いつもと少し違う感覚があり、「筋肉が張っている」「だるい」と表現する人もいます。
ただし、日常生活への支障はほとんどなく、仕事や家事などは普段通り行えます。
一時的に硬いものを噛むと違和感が強く出ることがありますが、時間の経過とともに自然に落ち着いていきます。
気になる場合は、数日間は柔らかい食事を意識するとより快適に過ごせるでしょう。
痛みを軽減する方法・対策

エラボトックスの痛みが心配な方でも、適切な対策を取ることで痛みを軽減できます。
具体的な痛み軽減方法について詳しく説明していきます。
① 麻酔クリームや冷却で痛みを緩和
施術前に注射部位に麻酔クリームを塗布することで、皮膚の感覚を鈍らせ、針を刺すときの痛みを和らげることができます。
冷却による痛み緩和も非常に効果的な方法として知られています。施術直前に注射部位を氷嚢や冷却ジェルで冷やすことで、皮膚の感覚が鈍くなり、針を刺す瞬間の痛みを感じにくくなります。
クリニックによってはごく細針と麻酔の併用でほぼ痛みを感じないケースも珍しくあえいません。
② 痛みが少ない針・注入技術を選ぶ
一般的な注射針よりも細い針を使用するクリニックを選ぶことで、痛みを軽減できます。
また、経験豊富な医師の施術ほど刺入スピードや圧が最適化されるため、痛みを抑えやすい傾向にあります。
③ リラックスして受けることも大切
緊張状態にあると筋肉が硬くなり、痛みを感じやすくなってしまうため、エラボトックス施術前には意識的にリラックスすることが大切です。
特に効果的なのが腹式呼吸によるリラックス法です。お腹を膨らませながらゆっくりと息を吸い、お腹をへこませながら長く息を吐くことで、副交感神経が優位になり、自然と心身がリラックスしていきます。
施術中も肩の力を抜いて、顎の筋肉をゆるめることを意識してみてください。咬筋に力が入っていると針が刺さりにくくなり、痛みも感じやすくなってしまうでしょう。
痛みの感じ方には個人差あり

エラボトックスの痛みについて「思ったより痛くなかった」と感じる方もいれば、「想像以上に痛みを感じた」という方もいらっしゃいます。これは、痛みの感じ方が人それぞれ異なることが大きく関係しているからです。
痛みを感じやすくなってしまう要因や痛みを感じにくい人の特徴についてご紹介します。
痛みを感じやすくなる要因
エラボトックスの痛みについては、体調不良や疲労状態にある時は、普段よりも痛みに敏感になりがちです。風邪気味だったり睡眠不足が続いている場合、神経が過敏になっているため、通常よりも注射の痛みを強く感じる可能性があります。
生理前や生理中も痛みを感じやすくなる重要な要因の一つです。ホルモンバランスの変化により、痛覚が敏感になったり、精神的に不安定になりやすい時期だからです。
その他にも、咬筋の厚みが強い(筋肉が発達している)人は痛みを感じやすい傾向にあります。
痛みを感じにくい人の特徴
エラボトックスの痛みを感じにくい方には、いくつかの共通した特徴があります。
普段から注射に慣れている方や筋肉が薄い方は、痛みを感じにくい傾向があります。定期的な健康診断や予防接種、献血などの経験が豊富な方は、注射に対する恐怖心が少なく、心理的な緊張状態になりにくいためです。
痛みの閾値(いきち)が高い方も、エラボトックスの痛みを感じにくい特徴の一つです。普段から運動習慣がある方や、筋肉痛に慣れている方は、軽い刺激に対する耐性が高く、注射時のチクッとした感覚をあまり気にならない程度に感じることが多いでしょう。
また、痛み対策を丁寧に行っているクリニックを選んでいる人も痛みを感じにくいでしょう。痛みに敏感だという方は、クリニック選びの段階で痛み対策を丁寧に行っている場所を選ぶことをおすすめします。
痛みより注意したい副作用・ダウンタイム

エラボトックスの施術には、実は痛みよりも注意深く観察すべき副作用やダウンタイムの症状があります。
具体的な副作用とダウンタイムについて詳しく説明していきます。
内出血や腫れ
エラボトックス施術後に起こりやすい副作用が内出血や腫れです。これらの症状は注射針が皮膚や血管に刺さることで生じる自然な反応で、痛みよりも見た目への影響が気になる方が多いでしょう。
内出血や腫れについては施術直後から翌日にかけて最も目立ちやすく、軽いむくみのような状態が1週間ほど続くのが一般的です。コンシーラーやファンデーションで隠すことも可能なので、日常生活への影響は最小限に抑えられるでしょう。
万が一、内出血や腫れが2週間以上続く場合や、強い痛みを伴う場合は速やかにクリニックに相談しましょう。
エラの動かしにくさ・笑顔の違和感
エラボトックス施術後に多くの方が経験する副作用が、エラの筋肉の動かしにくさや笑顔の違和感です。これは痛みとは全く異なる性質の症状で、ボトックス効果が現れる自然な過程として起こります。
笑顔の違和感については、特に満面の笑みを浮かべる際に、いつもと表情の作り方が少し違って感じられることがあります。これは咬筋が表情筋の一部と連動しているためで、筋肉の動きが制限されることで表情のバランスが一時的に変化するからです。
これらの症状は一時的なもので、通常2~3週間程度で慣れてきます。効果が安定すると、違和感も自然に軽減されていくでしょう。ただし、日常生活に大きな支障をきたすほど強い症状が続く場合は、注入量の調整が必要な可能性もあるため、施術を受けたクリニックに相談することをおすすめします。
まとめ:痛みは一瞬、効果は数ヶ月続く

エラボトックスの痛みについて重要なのは、痛みは本当に一瞬だということです。注射時のチクッとした感覚は数秒程度で終わり、その後の軽い筋肉痛のような違和感も数日から1週間ほどで自然に治まります。
一方で、エラボトックスの効果は3~6ヶ月間という長期間にわたって持続するのが大きな特徴でしょう。つまり、ほんの一瞬の軽い痛みを我慢するだけで、数ヶ月間の小顔効果を手に入れることができるのです。
痛みに関しては個人差はあるものの我慢できる程度なので一度試してみることをおすすめします。痛みに弱い方はクリーム麻酔などを併用することもできるのでクリニックに相談してみてください。








