「年齢を重ねるごとに気になる肌トラブルが増えた」という方も多いのではないでしょうか。シミ・そばかす、くすみ、赤ら顔、小じわ、毛穴の開き、ハリの低下など、様々な肌トラブルに効果が期待できるといわれているフォトフェイシャル。この記事では、フォトフェイシャル(光治療)の毛穴悩みに関する効果についてまとめました。
フォトフェイシャルとは
フォトフェイシャル(光治療)とは?
フォトフェイシャルとは、IPL(Intense Pulsed Light)と呼ばれる特殊な光を肌へ照射することで、メラニン色素や毛細血管などに反応させ、シミやくすみ、ニキビやニキビ跡など、様々な肌悩みを同時に改善することができるといわれている治療です。
エステやサロンでもフォトフェイシャルという美肌トリートメントを目的としたメニューがあるようですが、正式にフォトフェイシャル(光治療)と呼べる機械を取り扱うことができるのは医療機関のみです。今回はフォトフェイシャルの「毛穴への効果」にフォーカスしてみていきたいと思います。
※ここでは、光(IPL)治療と表記して進めていきます。
光(IPL)治療はどんな仕組みになっている?
光治療では、照射した光が肌トラブルの原因となるターゲット(メラニンや毛細血管など)に到達すると、光エネルギーが熱エネルギーへ変化します。これにより、シミ、くすみ、ニキビ跡、赤ら顔といった肌の色ムラへのアプローチが可能とされています。
同時に、真皮層のコラーゲンを増生して肌のキメや質感を整えるため、回数を重ねることで毛穴やたるみ、小ジワといった肌悩みの改善も期待できます。
光治療最大の特徴は、ダウンタイムがほとんどなく、仮に症状が出たとしてもシミが一時的に濃くなる、赤みが少し出るといった程度のため、日常生活に支障が出にくいことです。ただし、1回の効果が緩やかなため、肌悩みを解消できるまでには3〜4週間ごとに1回、合計5回程度の治療が必要だといわれています。
開きや黒ずみ・たるみなど、毛穴悩みの原因や特徴は?
気になりやすい毛穴悩みの症状とは?
ひとことで「毛穴悩み」といってもその症状は様々ですが、特に目立ちやすい毛穴のトラブルをまとめると、下記のような例があげられます。
【毛穴のお悩み例】
- 毛穴の黒ずみ
- 毛穴の開き
- たるみ毛穴
- いちご鼻 など
毛穴トラブル別の原因と特徴
毛穴の黒ずみ、いちご鼻
誤ったスキンケアや生活習慣の乱れ、ストレスなどにより、肌のターンオーバーが乱れると、皮脂や角質がスムーズに排出されなくなってしまいます。すると、毛穴の内部に残った古い角質と皮脂が混ざり合うことで角栓になり、毛穴をつまらせる原因になるのです。毛穴に詰まった角栓は酸素に触れて酸化することで黒く変色し、ポツポツとより目立つようになります。これが「毛穴の黒ずみ」の正体なのです。また、鼻周りに角栓がたくさん詰まっているといちごの表面のようにも見えるため「いちご鼻」と呼ばれることもあります。角質と皮脂では除去する際に必要な成分が異なるため、一度に取り除くことが難しく、肌状態に合った適切なケアが必要です。
毛穴の開き
毛穴が開く原因は、肌の乾燥や過剰な皮脂分泌、長年の紫外線による影響やバランスの悪い食生活、加齢、ストレスなどさまざまな要因があげられます。
また、生まれつき皮膚が分泌される「皮脂腺」が大きく、いわゆる「オイリー肌」に該当する方は皮脂量が多いため、皮脂腺の出口である毛穴が大きく、目立ちやすいといわれています。また、皮脂分泌が多いと角栓が詰まりやすくなるため、毛穴パックや指での押し出しなど、肌刺激の強いセルフケアが習慣になっている方は要注意。無理に角栓を除去する方法は高確率で毛穴の開きに繋がるので、できる限り避けた方が良いでしょう。
たるみ毛穴
加齢や乾燥、紫外線などの影響で肌のコラーゲンやエラスチンなどの成分が減少・変形し、肌のハリが失われていくことが原因で肌のたるみにつながります。10〜20代の毛穴が丸い形であるのに対し、たるみ毛穴はしずくのような形をしており、毛穴が下に引っ張られるように広がっている状態になっているのです。
肌のたるんだ部分が、ピンとハリのある部分よりも凹み、ぼこぼこしているように見えます。もし毛穴が気になる箇所を部分的に伸ばした際に、毛穴が見えなくなるようであればそれは「たるみ毛穴」である可能性が高いでしょう。
毛穴タイプ別・光(IPL)治療でどのくらい効果が期待できるの?
毛穴悩みへの効果が期待できるとされる光治療ですが、毛穴の状態によっては他の治療が適応になることもあります。
きちんと肌状態を診察した上で、肌悩みに合った治療を受けることが大切です。
毛穴の黒ずみ、いちご鼻への効果は?
光治療は複数の肌トラブルの改善に効果がありますが、詰まった角栓を取り除くことはできないため、角栓の酸化が原因の毛穴の黒ずみに関しては、効果を感じられないことがほとんどです。
この場合、古い角質や毛穴に詰まった皮脂や汚れに対してのケア、皮脂の過剰分泌を抑えることが重要となります。
毛穴の詰まりや黒ずみには、古くなった角質を剥がれやすくして肌の新陳代謝を促すピーリングや、専用の機器を用いて角栓を吸引する角栓除去、毛穴を引き締めて過剰な皮脂を抑えるイオン導入などが効果的といわれています。
毛穴の黒ずみケアについて詳しく知りたい方はこちら
2021.08.21
毛穴の開き、たるみ毛穴への効果は?
開いた毛穴やたるみ毛穴には、光治療で肌内部の真皮層を刺激、活性化し、コラーゲンの生成を促すことが効果的だといわれています。しかし、光治療による毛穴への効果が穏やかなため、たるみがひどい場合や凹凸が目立つ大きな毛穴の開きには、より毛穴に特化した治療を受けた方が即効性があり、光治療よりも少なく・短い治療期間で肌状態が改善することもあります。
皮脂の過剰分泌により開いた毛穴やたるみには、極細の針を真皮層まで通し、創傷治癒力を利用して肌の再生を図るダーマペンや、コラーゲン増生効果が高いとされているマッサージピール、光治療よりもたるみの改善に優れているといわれる高周波治療(RF)がより効果的だといわれています。
また、ニキビを繰り返したことにより肌に凹凸ができ、毛穴の開きが気になっている肌には「フラクショナルレーザー」が良いでしょう。1回の照射で治療した部位の10〜20%が入れ替わるといわれており、照射を繰り返すことで毛穴だけでなく、全体的に若々しい肌印象に近づけることが期待できます。
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毛穴悩みに光治療を選択するメリット・デメリットとは?
メリット
光治療で毛穴の悩みを改善しようとする場合に考えられるメリット・デメリットは以下のとおりです。
毛穴だけでなく、シミやそばかす、赤みなどの改善が期待できる
肌の悩みは毛穴一つではないはず。気になるシミや赤みなどスキンケアでは改善の難しい症状も、光治療ならさまざまな肌トラブルに対応できるため、全体的な美肌を目指すことができます。
ダウンタイムがほとんどなく手軽
光治療はダウンタイムがほとんどないため、周りにバレずに美肌が手に入るという点も人気の理由の一つです。また、施術時間も15〜20分程度で、終わったらすぐにメイクもできるので、ちょっとした空き時間に受けることができるという手軽さも魅力だといわれています。
たるみ毛穴の予防効果も期待
光治療を定期的に受け続けることで、肌が衰えることを防ぐ効果が期待できるといわれています。年齢を重ねるとともに毛穴トラブルは深刻になりがちなので、若いうちから治療を始めておくことで、たるみ毛穴の予防につながる可能性もあります。
デメリット
すべての毛穴トラブルに効果があるわけではない
前述したとおり、毛穴に詰まった角栓が原因の黒ずみや、重度のたるみ毛穴に対する効果はあまり期待できません。自分の悩みに合わせて適切な治療法を選ぶのが良いでしょう。
効果を実感できないことがある
光治療の一回の効果は緩やかなため、特に毛穴に対する効果を期待して治療を受けた場合はあまり効果を実感できないということもあります。そもそも、光治療は複数回受けることが推奨されている治療なため、1−2回で効果が実感できなくても続けてみることで変わる可能性もあります。ただ、効果が実感できない原因が、元々の肌トラブルが光治療では効果を得づらいものであったり、施術の方法が悪かったりということもあるので、気になったら医師に相談してみることをおすすめします。
光(IPL)治療の詳細について
ここでは、光治療を実際に受ける際に知っておきたい施術の流れや料金相場、注意点についてご紹介します。
施術の流れについて
- メイクを落とし、お肌の状態をチェックした上で、ドクターが適切な出力を決めていきます。
- ジェルを施術部位もしくは機械の肌に触れる部分に塗り、目元をゴーグルで保護した後、光を照射します。
※照射時の光は、写真撮影時のカメラのフラッシュのようなイメージです。1回の照射ごとに眩しい光が出ますが、強い痛みは感じにくいです。
- ジェルをふき取り、保湿をして完了です。
施術時間は、お顔全体の場合、およそ15分〜20分ほど。
ダウンタイムも少ないので、終了後は基本的に通常通りのスキンケアやメイク可能です。
1回の照射でも高い効果を実感する方もいますが、より高い肌変化を得たい場合は3〜4週間に1度のペースで5回程度回数を重ねることで、肌全体の悩みを改善していくといわれています。
光(IPL)治療を受ける際の注意点
- 痛みの感じ方には個人差がありますが、ゴムでパチンと弾かれるような痛みを感じたり、ヒリヒリとした痛みを感じたりする人もいるようです。
- 照射後1週間前後の期間に、IPLの光に反応したしみ・そばかすなどが一時的に濃く浮き出る場合があります。目立たなくなっていく場合がほとんどですが、ごく稀に色素沈着を残す場合もあります。
- かゆみ、または毛包の周囲に赤みが現れることがあります。
- 色素沈着や色素脱失(皮膚の色が白く抜ける)といった症状が現れることがあります。通常であれば、3ヵ月から6ヵ月で薄くなっていくと言われています。
- 気になる症状が現れた場合は、すぐに治療を受けた病院やクリニックへ連絡すると良いでしょう。
- 施術期間中は肌が外部からの刺激を受けやすく、敏感になっているため、保湿と紫外線対策が必要です。
光(IPL)治療の料金相場について
光治療は多くのクリニックで顔全体1回が10,000円~30,000円前後の料金設定になっているようです。
また、クリニックによって異なりますが、初回のみトライアルでの割引料金や、継続治療推奨のため、数回分まとめての申込で割引料金を設けているところも見受けられます。特に光治療での毛穴トラブル改善には、1回の治療で効果を実感できるケースが少なく、複数回の治療が必要になることが多いので、あらかじめ続けやすい料金設定かを確認しておくことが大切です。
納得のいく治療を受けるために大切なこと
毛穴悩みの症状によって、光治療の効果は大きく変わります。治療前のカウンセリングで、きちんと毛穴の状態を見極め、光治療の適応になるかをきちんと診察し、詳しい説明をしてくれるクリニックを探すことが重要です。
また、気になる点は医師に確認し、必要な治療回数や予算の目安についてもよく相談すると良いでしょう。
毛穴の状態によっては光治療以外の方法を提案される場合があるかもしれません。
不明点は積極的に尋ね、納得した上で治療をスタートできるようにすると安心です。
まとめ
光(IPL)治療は、コラーゲンの生成を助け、ハリが生まれることで毛穴が目立たなくなります。皮脂分泌過剰で開いた毛穴、加齢により縦に流れてしまった毛穴の改善が期待できます。ただし、黒ずみやいちご鼻には効果が出にくいため、黒ずみに特化したケミカルピーリングなど、他の治療が適しているといえるでしょう。光治療は複数の肌トラブルに効果があるといわれますが、レーザーなどと比べるとマイルドな治療となるため、1回の照射で劇的に肌状態を変化させることが難しいとされています。大きく開いたりたるみによる毛穴を集中的に改善したい場合は、より毛穴治療に特化しているピーリングやダーマペン、フラクショナルレーザー等の治療を考えてみてもいいかもしれません。
まずは皮膚科で今の肌状態を診察した上で最適な治療を受けることが、毛穴治療の近道です。