世の中には、さまざまな脱毛方法があります。それぞれにメリットとデメリットがありますが、ここでは主に「レーザー脱毛」について解説していきます。
レーザー脱毛の特徴とは
レーザー脱毛とは、肌にレーザーを照射して毛を処理していく方法をいいます。「医療レーザー脱毛」「医療脱毛」と呼ばれることもあります(ここでは「レーザー脱毛」の表記に統一します)。
レーザー脱毛は医療機関でのみ受けることのできる施術であり、それを扱うことができる人間も国家資格を持つ医師や看護師だけに限られます。レーザー脱毛で使われるレーザーは、黒い色素(メラニン)に反応するものです。このレーザーが毛のメラニンに吸収されることで熱を発生し、毛を生やす細胞である毛乳頭を破壊し、脱毛へと導きます。メラニンへの反応が高いレーザーですから、メラニン色素が少ない肌部分には基本的には影響がありません。
光脱毛とは
レーザー脱毛同様に人気の、脱毛エステサロンで使われる光脱毛(フラッシュ脱毛、IPL脱毛とも呼ばれる。ここでは「光脱毛」に統一)は、原理としてはレーザー脱毛と似ています。黒い色素に反応する光を照射し、メラニンを含む毛を処理していきます。
しかし、レーザー脱毛は755〜1064nmの波長のレーザーを利用するのに対し、光脱毛は500~1,200nmと広域波長の光を利用します。レーザー脱毛は単一波長のレーザーを集中的に照射しますが、光脱毛は、複数の異なる波長の光を幅広い範囲に作用させるため、照射パワーが拡散しやすく、1回の照射による脱毛効果は、レーザー脱毛よりも低いといえます。
また、照射パワーが強力であるがゆえに医療機関でしか使えないレーザー脱毛とは異なり、光脱毛は無資格者のエステサロンのスタッフでも扱うことができます。
レーザー脱毛と光脱毛の違い
レーザー脱毛と光脱毛の原理には、共通した部分が多くみられます。しかしその照射時の違いゆえに、レーザー脱毛と光脱毛では、
- 効果が出るまでに必要とされる回数
- 施術が受けられる場所
- 施術者の資格の必要性
に違いがみられます。
医療レーザー脱毛 |
光脱毛 |
|
脱毛方法 |
医療レーザー脱毛 |
光(フラッシュ式)脱毛 |
痛み |
比較的痛みを感じやすいが、麻酔クリームなども選択肢に入れられる |
レーザー脱毛よりも弱い |
費用 |
1回あたりの費用は高いが、完了までのトータルコストで見たときは安くなることもある |
1回あたりの費用は安いが、完了までのトータルコストで見たときは高くなることもある |
必要な回数・期間の目安 |
5~8回程度 (1~2年程度) |
12~18回以上 (2~3年程度) |
脱毛可能な場所 |
クリニックなどの医療機関 |
エステサロン |
施術者・必要資格について |
医師や看護師など、医療資格保有者が施術 |
特別な資格は不要 |
レーザー脱毛のメリット
ここからは、より深く「レーザー脱毛のメリット」について解説していきます。
レーザー脱毛のメリットは、以下の通りです。
レーザー脱毛の3つのメリット
1.エステの光脱毛に比べると威力が高いとされている
2.針脱毛に比べて、広範囲に一度にアプローチできる
3.医療機関でしか扱えないため、万が一肌トラブルが起きても適切な処置が可能
一つずつみていきましょう。
エステサロンの光脱毛に比べると脱毛効果が高い
レーザー脱毛の場合は、エステサロンの光脱毛に比べると短期間で脱毛効果を実感しやすいという特徴があります。光脱毛よりも強力な照射パワーをもつ医療用レーザーを用いて、ピンポイントでムダ毛に対して働きかけていくことができるため、毛を再生させる毛乳頭を破壊する効果が高いとされているからです。一方光脱毛は、毛乳頭にダメージを与えることはできますが、破壊することはできません。このため、一時的な減毛効果しかなく、長期間に渡って通い続ける必要があるのです。また、「レーザー照射力の高さ」は、「通う期間を短くできること」に繋がります。どこをもってゴールとするかは人によって異なりますが、レーザー脱毛の場合は光脱毛に比べるとおよそ3分の1程度の回数で同じ程度の効果が得られるとされています。レーザー脱毛は早い段階で効果が得られるだけでなく、早いと1年程度で脱毛完了となるケースもあるため、忙しい人でも受けやすいでしょう。
針脱毛(ニードル脱毛)に比べて、広範囲に一度にアプローチできる
脱毛方法には、レーザー脱毛・光脱毛の他に「針脱毛(ニードル脱毛)」があります。針脱毛も、レーザー脱毛同様、原則として医療機関でのみしか受けることのできない施術とされています。針脱毛は電気針を使ってムダ毛を1本ずつ処理していく方法です。レーザー脱毛や光脱毛が一般的になる前は、針脱毛が主流とされていた時代があり、約140年もの歴史があるといわれています。ただ、針脱毛は毛を1本ずつ処理していくため、一度に施述可能な範囲がかなり限定され、効率の良い方法とは言い難いです。スピーディーに脱毛を進めたい方は、広い範囲を1度に照射できるレーザー脱毛を選んだ方がよいでしょう。
医療機関でしか扱えないため、万が一肌トラブルが起きても安心
光脱毛を扱うエステサロンのなかには、病院と提携しているところもあります。しかし、万が一火傷などのトラブルが起きた場合、その場ですぐに適切な処置を行えないことが多いのも事実です。肌トラブルが起きたとき医師の診察や薬の処方など、迅速な対応をしてもらえるのは、医療機関で受けられるレーザー脱毛でしょう。また、施術自体も国家資格を持つスタッフが行うため、信頼度が大きく異なります。
レーザー脱毛のデメリット
ここでは、レーザー脱毛のデメリットについてみていきましょう。
レーザー脱毛の3つのデメリット
1.光脱毛に比べると強い痛みを感じる人が多い
2.肌の色によっては照射不可となったり、使用する脱毛機に制限が出る場合もある
3.脱毛料金が高額になりやすい
こちらも1つずつ説明していきます。
光脱毛に比べると強い痛みを感じる人が多い
レーザー脱毛は、光脱毛に比べて高い出力で照射を進めていくため、痛みも強く出てしまいがちです。そのため、デリケートゾーンなどの場合は特にこの「痛み」がネックになることもあります。しかし現在では数多くのクリニックが「テスト照射」を実施しています。これは、事前にクリニックへ連絡しておくことで、カウンセリング時に無料で数ショットの照射を受けられるものです。レーザー脱毛の痛みはもちろん、赤みやヒリつきといった肌トラブルの有無についても確認することができます。また、クリニックによっては痛みが不安な方が麻酔クリームを無料で利用できる制度を設けているところもあるので、気になるクリニックがあったら事前に確認しておくとよいでしょう。
肌の色によっては照射不可となったり、使用する脱毛機制限が出る場合もある
レーザー脱毛は、黒い色素に反応する特徴をもったレーザーを使用するものです。そのため、元々の肌の色が黒かったり、日焼けをしていたりすると、レーザーが肌内部のメラニンに反応し、火傷などのリスクが高まるため、照射できない可能性があります。
ただ今は、肌の色に左右されにくいレーザー脱毛機器も出ています。たとえば、「ヤグレーザー」や「蓄熱式脱毛機」がその代表例です。もともとの肌の色が黒い人などは、複数のレーザー機器を使い分けているクリニックを選ぶようにするとよいでしょう。
料金が高額
レーザー脱毛は、医療用の脱毛機を使用して医師や看護師が照射する「医療行為」にあたります。このため、エステサロンの脱毛よりも高額な料金設定のクリニックが多く、なかなか手が出せないという方もいるでしょう。しかし、医療脱毛は1回あたりの脱毛効果が高く、必要な照射回数も少ないため、総額で比較するとエステ脱毛の料金と変わらない場合もあるのです。また、クリニックによっては、1回の照射ごとに支払う「都度払い制度」を設けているところもあります。まずは何回か試してみて、効果を確認してからコース契約を検討するのも一つの方法といえるでしょう。
<レーザー脱毛のメリット・デメリットまとめ>
メリット |
デメリット |
|
レーザー脱毛 |
・少ない照射回数や期間で満足できることが多い ・短期間でスピーディーに脱毛できる ・肌トラブルが起きても医師の対応が可能なため、安全性が高い |
・光脱毛よりも痛みを感じやすい ・肌の色によって受けられる機械に制限が出ることもある ・1回の料金が高額 |
光脱毛 |
・痛みを感じにくいといわれている ・店舗数が多く予約を取りやすい ・結婚式に向けてなどの、美容のトータルケアを受けやすい |
・必要な照射回数が多く、脱毛期間が長くなりがち ・肌トラブル時はその場で治療を受けられないことが多い |
脱毛にはメリットとデメリットがあります。不安要素や不明点があっては、気持ちよく施術を受けることはできません。レーザー脱毛のメリットとデメリットを知ったうえで、受けるかどうかを検討し、受ける場合はどこのクリニックを選ぶかを考えていきましょう。