男性は美容医療に引き続き関心を持っているが、美容医療に関する一部のトラブルが報じられる中、「怖い」という理由が新たに美容医療を避ける要因として挙げられる結果となった。
矢野経済研究所が2024年11月29日、20代から50代の男性400人を対象にした美容医療への関心や課題についての調査結果を報告している。
男性美容医療、顔と身体で異なるニーズ
矢野経済研究所は昨年に続いて、今年も美容医療経験者200人と未経験者200人を対象に、美容医療の施術に対する関心や選択基準、施術内容について調査している。
調査結果から、男性が最も関心を寄せる施術は次の通りとなった。同研究所による昨年の調査と比べると、顔の施術に対する関心は順位が変わっていないが、身体の施術に関する関心は3位が脂肪吸引からワキガ・多汗症に入れ替わった。
顔の施術に関する関心(気になる部位)
- シミ・あざ・ほくろ除去
- ひげ脱毛
- ニキビ・ニキビ痕
身体の施術に関する関心(気になる部位)
- 脱毛
- 特にない
- ワキガ・多汗症
美容医療経験者が実際に受けた施術も、顔、身体ともに関心のある施術の順位と一致していた。昨年、身体の3位は脂肪吸引だったが、関心のある施術の順位と同じく、実際に受けた施術の順位もワキガ・多汗症に入れ替わっていた。
美容医療経験者がクリニックを選ぶ際に重視した理由は以下の通りで、昨年と同様だった。
- 場所がよかった
- 価格が明瞭
- 技術が高そう・症例数が多い
未経験者は美容医療なぜためらうか
今年の調査で注目されるのは、美容医療をためらう理由として、「怖い」がランクインしたことだ。美容医療未経験者の回答から、利用をためらう理由として以下が挙げられた。
美容医療を利用しない理由
- 費用がかかりすぎる
- 安全性に不安
- 怖い
23年の調査結果では、「利用しない理由」の3位に「トラブル」が挙げられていたが、今回の調査ではランク外となり、「怖い」に入れ替わった。トラブルが継続的に報じられる中で、怖いという負の感情が増大した可能性がある。美容医療をより安全に、安心できるものに変えていく必要があるのだろう。
そうした中で未経験者による施術別の評価で、「受けたくない」が半数を割り込んだ施術が8つあった。それらは以下の通りだ。
- ひげ脱毛(顔)
- 脱毛(身体)
- シミ・あざ・ほくろ除去(顔)
- ニキビ・ニキビ痕(顔)
- 美肌(顔)
- シワ・たるみ取り(顔のフェイスリフト)
- 美肌(身体)
- シワ・たるみ取り(顔の注射等)
男性の美容医療への関心は依然として存在しているが、「怖い」というイメージで利用をためらう人が増えている可能性が示された。価格の透明性を高めたり、技術力を向上させたりするとともに、安全性を向上させる具体的な取り組みを続けていくことは欠かせないといえるだろう。