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男性看護師座談会 Vol.1 「美容医療現場で働く男性看護師に聞いた!よくお願いされる施術は?」

カレンダー2023.11.6 フォルダー連載・コラム

 美容医療の現場に立つ男性看護師に集まってもらい、座談会を開催した。女性看護師とは違った視点もあり、美容医療を検討するときのヒントにもなるかもしれない。第1回は、美容医療に関わったきっかけから、男性看護師としてよくお願いされる施術について。

──男性看護師さんは少ない。美容医療に携わることになったきっかけは?

こば: そもそも、4年前に入った時は男性で美容看護師になれるとは思っていなかったです。就職先がないですよね。

こうじ: 自分も最初はそうでした。受け入れ先が少なかったですね。

こば: 5、6年前くらいはまだ窓口が広くなかった。高橋さんはずっといらっしゃるけどどうやってこの業界に?

高橋: 僕は、たまたま、以前勤務していたクリニックのホームページに看護師募集を見つけたので、面接に行きました。その頃、男性希望者自体が珍しかったことと、ちょうど「男性脱毛に興味ある」という人が増えていたので、入りやすかったのかなと思います。

──ちょうど男性脱毛などで男性美容医療に注力するところも増えてきた時だった。受け皿としてはやはり少ない?

こば: そうなんですよ。入れば「意外とあるんだな」とは思いましたが、5年前は「少ないなぁ」と思っていました。だから、やろうと思ったきっかけなどはなくて、とにかく「あ、やれるんだ」としか思わなかった。

こうじ: 確かに。そうですね。

 6年前、最初に入社した某大手美容外科は、色んなサイトを見て入れるクリニックが、そこかもう一社かくらいだったんです。選択肢が少ない中で「一番学べるところがいいな」と大手美容外科に入ることを決めました。当時、男性が美容ナースとして働けることを知らなかったので、その広告を見て「すぐに受けなきゃ」と思ったのがきっかけです。

──そうでしたか。今は、同じクリニックの中に男性はいるのか。

こば: うちは、男性看護師があと2人います。だから計3人です。

こうじ: うちも最近、6月から1人男性が増えたので、2人になりました。

高橋: うちは1人です。前のところも1人だったので、まだまだ少ない印象です。

──男性が依頼されやすい施術はあるか?

こば: 抽象的なことで言葉は良くないですが、クレームの多い方は、男性看護師が対応することが多いです。女性看護師には強く言う人もいるので、強いキャラクターの強い訴えをする方は、よく対応します。長らく対応しているので、慣れたものです。

こうじ: 大変ですね。

高橋: 若い女性看護師が対応すると、当たられがちですよね。クレームや、強く言われることに慣れていないので。

こうじ: おどおどしてしまい、余計に不安を煽ってしまうケースも考えられますよね。

──なるほど、さらにクレームの内容が過剰になることを考慮すると、ベテランの男性看護師が担当された方が、良さそう。

 施術自体はどうか。男性看護師だから、これをお願いされるというものは。

高橋: 僕が施術をしている中では、男性だから、ということを感じたことはあまりないです。最近、男性の美容も女性の美容も、同様にSNS上で広がっていますし、男性だからとか女性だからというのも、時代的にもなくなってきているなと感じます。

──そうですよね、LGBT法も成立したばかり。

高橋: 僕は、看護師の在り方として、いかに話しやすく、どれだけお悩みに応じて、より対応できるかというところを重んじていることもあり、あまりそういうことは感じないです。

こうじ: 自分も、今は感じないんですけど、以前大手美容外科にいた時は感じる場面がありました。大手ということで、色んなお客さんが来るんですね。中には「男性にしか絶対にやってもらいたくないです」という方は多くいたんです。特に、今VIOは主流じゃないですか。

 一番上の年齢だと70歳の男性がVIOを受けに来たりするんです。介護脱毛が流行っていたこともあり、増えました。

 逆に「男性看護師は絶対に嫌だ」という人もいるんですよ。(女性看護師への)セクハラまがいな方など。そういう人には、あえて自分が施術に入ります。女性を入れると危ないので。

こば: うちも脱毛の施術は結構あるんですけど、他に、男性看護師が入るケースが多いと思うのは、思春期のニキビです。私の担当している方で高校生がいます。

 こちらの意図として、「治そう」と思った時に、しっかりとコミュニケーションを取り、情報がとれないと分析ができない、結果が出せないので。

──綺麗な女性看護師が出てきてしまうと、恥ずかしくて年頃の男性は話せない。

こば: そうなんです。あと、母親が同伴されることがあります。綺麗な女性看護師に、アップセルされないようになど、親も警戒することがあるんです。受ける側の安心感と、治療の効果を出すためにあえて男性看護師が担当することはありますね。

※アップセルとは、より高額な施術の契約を取り付けること。

高橋: こうじさんは、ヘッドスパニストもやっていますよね。頭髪のお悩み改善も多いのでは?

こうじ: そうですね。ヘッドスパニストでもあるので、今主流になっているAGA治療のお客さまのお悩み相談に乗るなどの対応はします。

 AGAの治療を自分で行っているわけではないんですけど、男性ホルモンが影響しているものなので、同じ男性が言うことで共感できますし、話しやすさや説得力が増す部分があるようです。うちの院長も「じゃあよろしくね」と任せてくれます。

 AGA治療にすごく強いとは思っていないんですけれども、自分も実際にヘアラインのアートメイクを入れているので、そういう点では女性看護師より知識としてはあります。

──AGA治療は、同じ男性に聞いてもらえると男性ホルモンの話などしやすい。

 これからも、男性看護師の役割は増えていきそう。

看護師プロフィール ※50音順 敬称略

こうじ 新井孝二

こうじ 新井孝二(29)
大学病院の小児科で3年間勤務した後、大手美容外科でリーダー・スタッフ指導を担当し3年半勤務。現在は立ち上げから携わった赤坂にあるイートップクリニックに勤務。同医院では、眉下の皮膚を切除する“ぱちキワ”が「二重幅が広がる!」と人気。ニキビに悩んでいたとは思えぬほどのツヤのある肌は、自身の美容研究の成果という。サプリメントの知識を常に集めている。美容看護師歴6年目。
Instagram → @e_coopi.a(美容ナース こーじ)

こば

こば(31)
美容関連クリニックのオープンと同時にアルバイトとして入社し3年間勤務。現在は新宿にあるSHERIE CLINICに勤務し4年目。皮膚の重症治療にも携わる。また、男性美容ナースとしてSNSで情報発信を続け、Instagramのフォロワーは23年8月時点で2400人を超える。美容看護師歴は4年目だが、皮膚の解剖生理とスキンケアの研究を続け、勤務する皮膚科では管理職も務める。
Instagram → @dsk_glam(こば。)

髙橋良

髙橋良(48)
美容皮膚科のアルバイトから始まり、複数の美容クリニックで幅広く看護師業務を経験。現在は、東京・神谷町にあるTHE ONE.で主任を務める。細かな分析を行い、一人一人の肌に合わせたカスタマイズ治療が人気。よりよく年を重ねていく「ウェルエイジング」の考え方で、無理のない寄り添った施術を提案してくれる。学んだ美容知識を自ら実践し、年を感じさせない肌の状態を保つ。美容看護師歴16年目。
Instagram → @Theone__clinic(THE ONE. | 美容医療)

(写真/編集部)

次回は、「美容クリニックで人気!トライフィル ぱちキワ ミラノピールってどんな施術?」です。

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Author

山田 千穂

山田 千穂

2013年から週刊誌の記者として、芸能、事件、健康、美容など幅広いテーマを担当。元保育園栄養士で2児の母。子供の食事、妊婦の栄養を得意とする。妊娠で18キロ太るも、産後2ヶ月で-18キロ、ウエスト58センチに。現在もキープ中。

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