美容クリニック看護師座談会vol.3 「美容クリニックに来る男性ってどんな人?来院理由の多くが『○○たい』だった」
ヒフコNEWSでは、美容クリニック看護師の座談会をシリーズでお届けしている。今回は男性の美容医療利用者について語ってもらった。
──最近、男性も増えていると聞きます。どのような男性がどんな治療をされる?
恵梨香:そうですね。うちの銀座のクリニックは、女性約6割、男性4割くらいです。ワンフロア、男性で埋まる時間帯もあります。
富裕層向けのメニューが多いためか、人の前に出て話される経営者の方や、美容に関心の高い男女が多いです。会長・役員クラスの年代の方が、女性が美容院に行く感覚で月1のルーティンのような形で来られている方もいます。幹細胞培養上清液の点滴、シワ、クマ、たるみ、美肌治療が人気です。
──どのような経緯でいらっしゃる?
恵梨香:まず最初は、彼女や奥様といらっしゃる方が多いです。
男性は、「モテたい」という意識から「幾つになっても、若々しく見られたい」という気持ちが根強くあるようで、女性よりも、ハマると一途に、安心してずっと来てくださいます。
そして、若返っていくと「何してるの?」と周囲から聞かれ、ご紹介いただき、「〇〇さんが行ってるところだったら安心できるから」と、来院される方も多いんですよ。
有紀:うちのクリニックは、アートメイクは3割ぐらいが男性です。眉毛のアートメイク、あとは少数派ですが、ほくろとリップですかね。
ダークリップを改善するのも人気です。タバコをよく吸う方って唇がちょっと紫っぽくなっちゃうんです。それが、リップのアートメイクでくすみが取れて、色味がだいぶ改善されるんです。男性は、紹介で来られる方が多いです。
ホクロは、「泣きぼくろが欲しい」というご要望に沿って入れたり、「ここにあった方が印象が良いかな?」と、ご相談いただきながら入れていきます。最近の男性は、やはり美意識が高いですね。
Mariko:男性比率は、外科皮膚科合わせて2割程度ですかね。
うちは、輪郭治療が主なので、男性も輪郭治療が多いです。前に出ている口元を下げたり、小顔にしたり。目元や鼻の整形をする方も多くいらっしゃいます。
皮膚科のほうでは、イボやほくろ、シミを取る方もいらっしゃいますし、たるみ治療でハイフをされる方やシワの予防でボトックスを打ったりですね。
──入院される方もいる?
Mariko:うちは、入院施設は設けていないんですが、クリニックから3分のホテルと提携しており、看護師が付き添い送迎をして翌日まで診るということをしています。夜間も緊急対応できるよう緊急電話を持っていますので、看護師は呼ばれたら24時間行きます。食事とか、身の回りのことも全てさせていただいていますので、その、アフターケアの充実さが、「安心できる」ととてもご好評いただいております。
────すごく良いですね。ホテルと提携されたり、ホテルにクリニックが入っていたりしていることは珍しくはないのでしょうか?
Mariko:都内でも、現在はたくさんあるようです。
──恵梨香さんは椿山荘に入っているクリニックでもお勤めですね。ホテルならではのお客様もいらっしゃる?
Mariko:椿山荘のクリニックは、点滴や皮膚科メニューに加えてインバウンド向けのメニューも豊富にあります。旅行のついでに来られる海外の方が多いです。コロナが落ち着き始めた去年から特に増えています。
スイートルームにステイして、幹細胞をとって、培養して、治療自体は1時間くらいで終わってしまいます。幹細胞治療は、宗教の問題などもあり、ほぼ日本でしかできないですし、日本の医療レベルや清潔さ、ホスピタリティが世界に比べても高いため、「日本で、ジャパニーズ製品でやってほしい」という海外のお客様が多いです。
一晩、宿泊費も込みで750万円くらいかかるんですが、海外の富裕層の方達は何の気無しにお支払いしてくださり毎回驚きます。
以前は中国やベトナムの方が多かったんですが、最近は韓国、台湾、ドバイの方などもとても増えています。皆さん、ご家族やご夫婦でも来られます。
有紀:ドバイ、確かに多いですよね!
──美容クリニックの繁忙期はいつなのでしょうか?
有紀:外科と皮膚科で多少異なります。うちは、皮膚科のほうはあまり波がなくて、コンスタントに通われて、イベントに向けて、維持していきたいから、年に4、5回通うっていうスタンスの人が多数を占めます。
ただ、予約が早く埋まる月はやっぱり年末ですね。来る新年度に備えて、メンテナンスをする方が増えるのでしょう。
Mariko:外科は、年末など長期休みの時が圧倒的に多いですね。大きな手術を受ける方は、ダウンタイムが長いので、こちらからもそれを促します。話す時に、少し話しにくいなど、手術によっては日常生活に支障が出る可能性もあるので、お仕事に差し支えないかという事前確認もしっかり行ってから手術を決めます。やはり長期休み前になりますね。
皮膚科は、夏の紫外線を気にされて、「冬のうちに頑張りたいです」と言って、冬場に計画を立ててこられる方、あとは、年内にきれいにして新年を迎えたいという方も多いですね。
恵梨香:うちも、12月が一番多いですね。あと、ゴールデンウイーク。イベントがある時は多いです。その翌月は、減るイメージです。
Mariko:美容の繁忙期は、長期休みが取れる時とイベント前。逆に閑散期と言われているのが、2月、10月、11月頃でしょうか。
看護師プロフィール ※50音順
藤尾有紀さん(34)
大手美容外科で勤務した後、様々なクリニックの立ち上げ、看護師長を経験しながらメディカルアートの技術を習得。現在は、リアンクリニック表参道院で看護技術の総責任者でありながら、アートメイク部門の代表も歴任している。ハイフとサーマジェンが人気のある美容看護師で、経験は10年。栗好きゆえ愛称はゆきまろ。
Instagram → @fujioyuki.nurse(ゆきまろ美容ナース)
Marikoさん(38)
7年間の臨床経験を経て、美容クリニックで約10年間勤務。現在は、アーククリニックとアークスキンクリニックで看護部長を兼任している。外科から派生したクリニックであるため、輪郭3点とも呼ばれる小顔形成術や骨切り手術が人気。また、昨年8月に開業した美容皮膚科アークスキンクリニックも併設している。
Instagram → @ark_marik(arkclinic看護部長)
水野恵梨香さん(37)
エステティシャンを経験した後、看護師に転職。総合病院を経て、大手美容クリニックに入社し、現在は東京トータル美容クリニックの看護師長を務めている。アンチエイジング専門のたるみ系レーザーや人中短縮レーザー、美肌にする注射器が人気で、AGAに悩む男性も多数いる。また、N2クリニックホテル椿山荘東京院にも兼務している。美容看護師歴は6年。
Instagram → @eribiyou_11(えりナース)
(写真/編集部)
次回「美容クリニック看護師座談会vol.4「コロナ禍で美容医療業界に起きた変化 今後脱マスクで増える治療は?」https://biyouhifuko.com/news/column/1184/
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