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米国の親は子どもの美容医療どう考える?2割「容認」、3割は「禁止すべき」、非外科的治療の利用について意見を聞いた、ミシガン大学が調査結果を報告

カレンダー2025.2.21 フォルダー 国内
子どもの非外科的治療をどう考える?画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

子どもの非外科的治療をどう考える?画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 米国は世界最大の美容医療大国。10代でも、脱毛、ケミカルピーリング、歯のホワイトニング、フィラー注入といった非外科的治療が身近になりつつある。

 一方で、親は子どもの非外科的治療を必ずしも好ましく思っているわけではない。

 保護者への調査の結果、どんな場合でも認める人が2割弱いた一方で、3割はどんな場合でも禁止すべきだと考えていた。

 米国ミシガン大学の研究グループが2025年2月に調査結果を報告した。

親の半数が「理由があれば容認」、理由は多様

米国の調査。子どもが何歳になった場合に非外科的治療を認められるか。左から19歳以上、18歳、16~17歳、16歳以下。(出典/米国ミシガン大学、Sara Schultz, University of Michigan Health C.S. Mott Children's Hospital National Poll on Children's Health)

米国の調査。子どもが何歳になった場合に非外科的治療を認められるか。左から19歳以上、18歳、16~17歳、16歳以下。(出典/米国ミシガン大学、Sara Schultz, University of Michigan Health C.S. Mott Children’s Hospital National Poll on Children’s Health)

 調査によると、10代の子どもが美容施術を受けることについて、親の6人に1人に当たる18%が「理由を問わず認めるべき」と回答した。

 逆に、31%の親は「いかなる場合も禁止すべき」と考えていた。米国は美容医療大国ではあるが、10代が行うべきかという点から見ると消極的な親が多いことが分かる。

 一方で、51%の親は「正当な理由がある場合のみ認めるべき」と考えている。ただし、何を「正当な理由」とするかについては意見が分かれた。

 例えば、「精神的健康の改善のため」という理由を認める親は37%にとどまり、「いじめを受けているため」との理由を認める親も30%にとどまった。さらに、「特別なイベントのために施術を希望する場合」は33%の親が容認したが、「将来のキャリアのため」や「SNSの影響を受けたため」という理由には支持がほとんど集まらなかった。

 非外科的治療を受けられる最低年齢についての質問では、19歳以上を望む親が35%、18歳とする親が21%、16~17歳とする親が27%、15歳以下を許容する親が17%という結果だ。18歳以上が望ましいと考える親が全体の56%を占め、過半数を占めている。

リスクや費用への懸念が大きく、慎重な判断を求める声も

未成年の美容医療は日本でも課題に。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

未成年の美容医療は日本でも課題に。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 子どもが非外科的治療を希望した場合の不安点についても聞いている。

 これは複数回答で、64%の親が「その施術自体が必要ないのではないか」と感じ、57%が「将来的に後悔するかもしれない」と回答した。

 また、健康リスクについても多くの親が心配しており、感染や傷跡、皮膚の変色などのリスクを懸念する声が44%に上った。

 このほか、「子どものメンタルヘルス問題が隠れていないか」「コストはどうか」「続けて他の施術も望むようになるのではないか」など、懸念が挙げられた。非外科的施術は比較的安価だが、効果を維持するためには継続的な施術が必要となることが多く、費用負担が大きくなる可能性がある。

 親たちの意識の中で共通しているのは、「子どもが美容施術を希望した場合、慎重に考えるべきだ」という点。

 たとえ施術を受けるにしても、専門家による十分な説明を受け、施術者の資格や安全対策を確認することが重要だと指摘されている。

 こうした点は日本でも同様だろう。

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ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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