
ソウルガイドメディカル創設者でCEO(最高経営責任者)のトニー・メディナ氏。(写真/編集部)
──認証を受けているクリニックなどでなくとも、評価の高いクリニックはある。
メディナ氏: 認証は担当する医師の技術力や人柄により評価は定まってきます。認証を受けたクリニックでは、医師に加えて、看護師、マネージャー、受付、通訳などのスタッフを十分に配置できますが、より小規模なクリニックなど、多くのクリニックでは、海外からの来院者専任スタッフを配置するほどの体制はありません。私たちは窓口の役割と果たすほか、施術を受ける医療機関の選定、現地での案内、通訳やフォローアップなどを提供しています。つまり医療機関の体制の不足を補っているわけです。
仲介役が間に入ることにより、医療機関にとっては、海外から連絡を受ける段階から術後まで、一貫して対応できる体制を整えることができます。利用者にとってもクリニックと直接やりとりする負担が少なく済むというわけです。
──日本人にとってファシリテーターを活用するメリットとは?
メディナ氏: 一番のメリットは「情報の不透明さや言語の壁が大幅に減る」という点です。人気のあるクリニックほど医師もスタッフも忙しく、一般の方が直接連絡しても返信が遅くなったり、そもそも担当者がいなかったりします。私たちは事前カウンセリングをオンラインで行い、希望する施術内容に応じて複数のクリニックを候補として提示し、各院の実績や専門性などを踏まえて最適な医師を選定します。
私たちは韓国で美容医療を検討している方と、長期的に関わるケースも多くあります。そのため、最適なクリニックを提案します。急に韓国に来て短時間でクリニックを決めて施術を受けてそれでおしまいというものではありません。長期的なサポートが可能である点も、私たちの強みです。
渡航後は、空港ピックアップやホテル手配、通訳同行、支払い代行なども行い、万が一、術後にトラブルが起きても私たちが窓口になって医師と調整します。医療費の透明性や余計な手数料の有無などを気にされる方も多いですが、当社は韓国政府の規定に基づく厳格な税務報告や経理ルールに従って運営しています。そのため、「連絡が取れなくなるのは不安」「費用が不明瞭なのは避けたい」と感じる方にも、安心してご利用いただける体制を整えています。

ソウルガイドメディカル創設者でCEO(最高経営責任者)のトニー・メディナ氏(左)。(写真/編集部)
──美容医療だけでなく、一般医療やがん治療を求める海外患者もいる。
メディナ氏: 実際には、がん治療をはじめとする長期的な治療を希望する方も少なくありません。韓国政府の規定により、総合病院から医療観光エージェントが受け取れる手数料は非常に少額です。そのため、収益の確保が難しく、対応を行っていないエージェントも少なくありません。エステや美容整形のような短期かつ比較的高額な施術とは異なり、がん治療は治療期間が長く、サポートが必要な場面も多くなります。にもかかわらず、十分な収益が見込めないため、多くのエージェントが対応を敬遠せざるを得ないのが現状です。そこは今後の課題ですね。
──最後に韓国で美容医療を受けたいと考えている方へのアドバイスを。
メディナ氏: まずは、信頼できる情報源を確保することが大切です。例えば、政府認可の医療観光エージェントを使ってみるとか、複数のクリニックを比較検討するといった基本をしっかり押さえることをお勧めします。ネット上の口コミやSNSの評判も参考になります。一方で、広告目的で書かれたものもありますから、慎重に情報を見極めることも必要でしょう。
また、手術を受ける前に担当医、その医師の経験年数や症例数などできるかぎり情報を集めることも良いでしょう。施術後の問題が起きたときに責任を持って対応できる体制が整っているかどうか、といった点も重要です。総合的に判断して、ご自身が納得できるクリニックを選ぶことが大切です。