
スマホでカルテ情報を確認する時代に?画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
美容医療も無縁ではないかもしれない。
2025年7月1日、厚生労働省が「医療DX令和ビジョン2030」の具体策を発表して、2030年までに全国すべての医療機関に、標準型の電子カルテの導入を義務付ける方針を示した。
医療法の一部改正で動きが加速

厚生労働省。(写真/Adobe Stock)
- 医療法改正と美容医療→
2027年の医療法改正により、地域医療、医師偏在、医療DXの三本柱が導入され、美容医療にも影響を与える可能性がある。- 医療DXの義務化→
2030年までに全国すべての医療機関に標準型電子カルテ導入が義務化される。主目的は情報共有の促進。自由診療の美容クリニックにも影響?- 利便性向上→
スマートフォンで施術履歴を確認できるなど、美容医療におけるアフターフォローや次回施術の判断に役立つ環境が整う可能性がある。
今回の厚生労働省の動きは、2027年の医療法の一部改正に伴うものだ。地域医療や医師偏在、医療DXを三本柱としている。これら3つの施策は、美容医療とも密接に関係しており、地域医療の関連では、美容医療を行う医療機関の定期報告義務を課しているほか、医師偏在の関連では、保険医療機関の開業に当たって、保険医としての勤務経験を求める制度が検討されている。開業の条件については、美容クリニックでも保険診療を行うことがあり、美容医療も影響を受ける可能性がある。
今回、注目するのは、医療DXで、こちらも美容医療と関係する可能性がある。
厚労省が、前述の通り、2030年までに全国すべての医療機関に標準型の電子カルテの導入を義務付ける。この重要な目的は、医療機関や薬局などとの間で情報共有を進めること。今後、実現する全体像ははっきりと示されているわけではないが、医療情報を活用して医療の実態を把握することなどが考えられる。さらに、医療機関で受けた医療の内容を、受診した本人が確認できるようになる可能性もある。
こうした施策は基本的に保険診療に関連するものではあるものの、美容クリニックでも完全に無関係というわけにはいかないだろう。全国の医療機関が標準の電子カルテを使うようになれば、それは美容クリニックにおいても、標準型の電子カルテが普及していく流れになって不思議ない。
そうなれば、例えば、美容クリニックでの施術で合併症が起きた場合に、他の医療機関に情報共有がスムーズに共有されるといったことも考えられる。一般の病院やクリニックで受けた医療行為について、自分で確認できるのが当たり前になれば、美容クリニックでも自分の受けた施術をスマートフォンなどで確認できるようになるのも当たり前と受け止められるようになる可能性はある。
美容施術においては、アフターフォローが欠かせないとされている。そのような場合、美容クリニックと情報共有ができ、自分の施術カルテ情報で確認できるようになれば、次の施術の判断にも役立つと考えられる。
情報共有で安全で安心な美容医療へ

情報共有にも安心と安全が重要。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
- 美容医療とIT・AIの活用→
美容クリニックでもITやAIの活用が進み、クリニック内だけでなく他医療機関や利用者への波及が期待されている。- デジタル技術の恩恵→
情報共有の仕組みが整えば、美容医療の安全性や信頼性が向上し、より身近な存在になる可能性がある。- 美容クリニックに求められる対策→
安心して情報を預けられるように、美容クリニックには厳重なセキュリティ対策が求められている。
美容医療の世界でも、情報技術(IT)や人工知能(AI)の活用がどんどん進んでいる。こうした動きが、美容クリニックの中だけでなく、その外側──例えば、他の医療機関や利用者自身にも広がることで、より多くの人がデジタル技術の恩恵を受けられるようになるかもしれない。
情報をスムーズに共有できる仕組みが整えば、美容医療の安全性や信頼感が高まり、これまで以上に身近に感じられるようになるだろう。
とはいえ、美容医療に関する情報はプライバシー性が高く、取り扱いには細心の注意が必要だ。もし情報が漏れてしまえば、利用者の不安や不信感にもつながりかねない。美容クリニックでも、きちんとしたセキュリティ対策を行い、安心して情報を預けられる環境を整えることが求められている。
