禁止される医療広告などの事例集が更新へ、厚生労働省「医療広告の禁止事項などを示した事例解説書」第3版への検討進む
ポイント
- 厚生労働省が検討を経て「医療広告の禁止事項などを示した事例解説書」改正へ
- 同省のネットパトロールにより、新たに8件の「禁止事例」などが追加される見通し
- フリー素材を加工修正して手術前後の写真を掲載するなどの事例が禁止事例となる
「医療広告の禁止事項などを示した事例解説書」が改正される見通しだ。厚生労働省の医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会が2023年8月25日に開催され、寄せられた検討会構成員の意見を踏まえて今後改正されることになる。
ネットパトロールを踏まえて改正
ヒフコNEWSでは、「医療広告の禁止事項などを示した事例解説書(第2版)」に基づいて医療広告で禁止されている事項などを説明している。第2版は2023年2月に公開された。
厚生労働省では、ネットパトロールを継続的に実施し、その結果を踏まえて「広告が禁止される事例」や「限定解除要件の記載が不適切な事例」などを追加して示している。
※限定が解除される要件とは、制限がなくなり、その広告ができるようになるための条件のこと。基本的に、広告が規制されている事柄でも、一定条件を満たすと広告できるようになることがある。逆に言うと、その条件を満たさないのに広告している場合は問題となる。
今回新たに8つの「広告が禁止される事例」と2つの「限定解除要件の記載が不適切な事例」、1つの「広告するにあたって注意が必要な事例」が新規作成あるいは修正される見通しとなった。
十分な説明ないSNSのビフォーアフターは禁止
今後、さらに厚生労働省が修正をすることになるが、「広告が禁止される事例」としては次のようなものが挙がっている。
- フリー素材を加工修正することで術前後の写真を掲載(新規作成)
- 不特定の医療機関と比べて自施設が優良であると強調(修正)
- 特定の治療法や医療機器などが最適、最先端であるとする「誇大広告」(新規作成)
- 厚生労働省など行政からのお墨付きがあるかのような表現を使う「誇大広告」(新規作成)
- 患者直筆アンケートを掲載して治療内容や効果に関する体験談を掲載(新規作成)
- 患者の主観による治療内容や効果に関する体験談を掲載(新規作成)
- 治療内容や費用、リスク副作用を、ビフォーアフターの写真とは別にリンク先で掲載(新規作成)
- バナー画像や公式アカウントSNSでビフォーアフター写真を十分な説明なく掲載(新規作成)
「限定解除要件の記載が不適切な事例」としては次の2つが挙がっている。
- 自由診療の料金の表示で、最低価格のみを切り出して掲載(修正)
- 自由診療のリスクや副作用の適切な説明の掲載(新規作成)
「広告するにあたって注意が必要な事例」は次の通り。
- 症例モニターを広告する際に費用の割引を強調(新規作成)
今後修正が加えられ、医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書(第3版)として公開される見通し。
参考文献
医療法における病院等の広告規制について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/index.html
医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書(第3版)について
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001147572.pdf
医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書(第3版)
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001147573.pdf
禁止されている美容医療の広告とは何?「ここをチェックして危ない美容医療から身を守ろう」 Vol.1
https://biyouhifuko.com/news/column/1672/
こんな医療広告は危ない!?「ここをチェックして危ない美容医療から身を守ろう」vol.2
https://biyouhifuko.com/news/column/1826/
限定解除要項と注意したい内容は?「ここをチェックして危ない美容医療から身を守ろう」vol.3
https://biyouhifuko.com/news/column/1968/
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