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肌のSOSに応えるドクターズコスメ、2023年も市場拡大続く、矢野経済研究所が明らかに

カレンダー2024.2.29 フォルダー 国内

ポイント

  • 大手の業績回復と敏感肌化粧品への需要増加が市場を引っ張る
  • 韓国発ドクターズコスメの市場参入が増えて活況になっている
  • 23年度の市場規模予測と、マスク着用の長期化が市場拡大の鍵握る
いったん縮小した市場が回復。(出典/矢野経済研究所)

いったん縮小した市場が回復。(出典/矢野経済研究所)

 日本国内のドクターズコスメ市場が拡大していることが明らかになった。市場調査を行っている矢野経済研究所が実施した調査によると、2022年度の市場規模が前年比111.8%に達し、1212億円と推定されている。

 肌トラブルへの対処や美容医療への関心の高まりなども背景にあるようだ。

韓国発のドクターズコスメが日本に

韓国美容の影響が日本にも。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

韓国美容の影響が日本にも。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 矢野経済研究所の調査によると、ドクターズコスメ市場はコロナ禍以前には大手の売上が落ちたことで市場が縮小する状況にあった。ところが、コロナ禍を迎えると状況は一変。大手が回復し、肌トラブルを訴える人が増えたり、美容医療への関心が高まったりしたことで、クリニックで販売される化粧品の販売が好調に推移した。

 美容全般にいえることとして、コスメなど韓国の影響が大きいが、ドクターズコスメ市場でも韓国の影響は色濃い。同研究所によると、韓国発ドクターズコスメの日本市場参入が増えている。これまで並行輸入品の購入や韓国旅行での購入が主流だったが、国内導入をきっかけに購入しやすくなり、販売が拡大している。

 韓国発ブランドの製品は、高い機能性と手頃な価格、デザイン性の高いパッケージで支持を集めている。今後は、日本や欧米のブランドに肩を並べる存在になりそうだという。

国内の化粧品メーカーも活発に開発

コスメと医療。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

コスメと医療。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 国内のドクターズコスメ市場規模はさらに拡大すると予想されている。23年度の市場規模は、前年度比107.9%の1308億円に達すると同研究所は予測する。マスク着用の長期化でスキンケア用品の人気が高まり、肌悩みへのニーズも根強いことから、ドクターズコスメを求める人は増える見立てがある。

 国内では、化粧品メーカーが相次いで医療機関と提携する動きを見せる。ドクターズコスメの市場が広がるとともに、化粧品メーカーも積極的に新商品を開発していくと予想される。当面、ドクターズコスメへの注目は続きそうだ。

参考文献

市場を牽引してきた大手プレイヤーの業績回復と敏感肌化粧品のニーズ増加などを要因に市場は拡大基調に~2022年度のドクターズコスメ市場は前年度比111.8%の1,212億円~
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3474

オーガニック美容品市場拡大中、DTCからブランド直営店での新たなトレンド、矢野経済研究所の報告
https://biyouhifuko.com/news/japan/4679/

美容クリニック看護師座談会vol.4 「コロナ禍で美容医療業界に起きた変化 今後脱マスクで増える治療は?」
https://biyouhifuko.com/news/column/1184/

ポーラ・オルビス、美容医療市場に新規参入、リンクルショット開発者、末延則子氏が率いる
https://biyouhifuko.com/news/japan/3718/

資生堂が米国ダーマコスメ「Dr Dennis Gross」手中に、640億円の大型買収、化粧品と美容医療の融合が進化
https://biyouhifuko.com/news/japan/4934/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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