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過剰な発汗を抑える6つの対策とは、制汗剤などを有効活用、脇汗などの悩みを抱える人は多い、米国皮膚科学会が日常生活の工夫示す

カレンダー2024.7.25 フォルダー 海外
汗に悩まされている人は多い。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

汗に悩まされている人は多い。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 激しい暑さが続く中で、大量の汗に悩まされている人もいるだろう。体を冷やす必要がなくなっても、汗が止まらない多汗症の症状を示す人もいるかもしれない。

 米国皮膚科学会が2024年7月に過剰な汗を抑えるための6つのポイントをまとめている。

過剰な発汗が起こすトラブルとは

体を冷やす必要がない状況で汗が出続ける人もいる。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

体を冷やす必要がない状況で汗が出続ける人もいる。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 米国皮膚科学会によると、過剰に汗が出てくる多汗症は米国では推定1580万人が悩まされている可能性がある。日本の統計でも脇などの多汗症に悩まされている人は多いと考えられている。

 汗が出やすくなるほかの病気にかかっていないのに過剰な脇汗が出る「原発性腋窩多汗症」に対する治療が一般に行われている。これは美容医療とも関連が深い症状といえる。

 汗は体を冷やすために必要だが、多汗症の人は体を冷やす必要がないのに汗をかき続けることがある。体が乾いているように見えても、手のひら、足、脇の下、頭など、体の1~2カ所だけ汗をかきやすいということもある。

 多汗症になると、目に見えるような発汗が続くほか、皮膚が軟らかくなり、白くなったり、皮がむけたりすることがある。また、赤く傷ついたり、水虫などの感染症になりやすくなったりすることもある。日常生活に支障をきたし、例えば脇の下の汗が衣服を濡らしたり、手が汗で滑ってドアノブを回せなかったり、パソコンが使えなかったりする問題にもつながる。

 学会によれば、家族に同じように汗をかきやすい人がいる場合や、汗をかきやすくなる病気にかかっている場合、汗をかきやすくなる薬やサプリメントを飲んでいる場合には注意が必要になる。

制汗剤や発汗の記録などの対策

医療機関で多汗症への治療も行われる。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

医療機関で多汗症への治療も行われる。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 米国皮膚科学会では、次のような6つの対策を勧めている。

制汗剤を使用する 制汗剤は汗腺を塞ぎ発汗を減少させる。夜に乾いた肌に制汗剤を塗り、朝に再度塗ることで効果を最大限に引き出せる。デオドラントは体臭を隠すためのものであるため、注意が必要。
発汗のきっかけになることを記録 発汗が発生する状況を記録し、その状況を避けるように努める。トリガーになるのは暑さ、緊張、一部の食品や飲料(スパイシーなものやカフェインを含む)などが含まれる。
通気性の良い衣服を着用 コットンなどの通気性の良い素材を選び、必要に応じて着替えを持ち歩く。また、汗取りパッドを使用して衣服を保護することもよい。
足の発汗対策 靴を頻繁に交換し、可能であれば靴を脱ぐことで臭いや感染症を防ぐ。自然素材のサンダルや靴を選び、綿製の靴下や吸湿性のある素材の靴下をはく。
水分補給を心がける 発汗による脱水症状を防ぐために十分な水分を摂取する。
心の健康を保つ 発汗が原因で不安や憂うつになる場合、カウンセリングやサポートグループに参加し、多汗症について学ぶことができる。

 多汗症の症状を治療する方法としては、ボツリヌス注射や、汗を作る汗腺を焼く腋窩多汗症治療機器(ミラドライ)が利用されている。生活の工夫をしても解決に至らない場合には皮膚科などの皮膚に関連した医療機関に相談することも選択肢となる。治療には合併症の可能性もあるため、どこで治療を受けるかは慎重に検討することが大切だ。

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ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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