ポイント
- 皮膚に光や高周波などを当てて効果を示す医療デバイスがニキビを改善させる可能性が報告された。
- 光線力学的療法(PDT)と高周波を使った方法は皮脂の30%以上の減少をもたらすことが確認された。
- 一部の研究でレーザーを使った治療では、軽度から中程度の赤みや腫れ、灼熱感が報告されている。
皮膚に光や高周波(ラジオ波、RF)などを当てて美容効果を引き出す医療デバイスが、ニキビを改善させる効果が示されている。米国マイアミ大学などの研究グループが2024年8月11日に研究結果を発表している。
医療デバイスでニキビ改善する?
ニキビは、皮脂腺の過剰な活動による皮脂の過剰分泌、角質の異常、細菌の増殖、赤みや腫れなどの炎症により起こる。塗り薬のほか、飲み薬により皮脂分泌を減少させる方法などがあるが、飲み薬は副作用の可能性もある。
こうした中で、可視光線療法やレーザー療法、光力学的療法(PDT)、高周波デバイスなどの医療デバイスがニキビ改善のために効果が確認されている。
※可視光線療法やレーザー療法、PDT、高周波デバイスは、異なるメカニズムで皮脂腺に作用し、皮脂分泌を制御する。可視光線療法は、青や赤、緑などの可視光を用いて、皮脂腺の活性を低下させ、ニキビ菌を殺菌し、皮脂分泌を抑制する。レーザー療法は皮脂腺を標的として熱を加えることで皮脂腺の縮小を引き起こし、皮脂の分泌を抑える。PDTは、光が当たると効果を示す光感受性物質を用いて皮脂腺を標的とし、皮脂の分泌を抑制する。高周波治療は皮膚の水分をターゲットに皮脂腺を熱により破壊する。これらの治療法は皮脂分泌の減少を通じてニキビの発生を抑制し、炎症を軽減する効果が期待されている。
今回、研究グループは、可視光線療法、レーザー療法、PDT、高周波デバイスがニキビに与える影響、特に皮脂分泌を減少させる効果がどれほどかに焦点を当て、過去の論文をまとめて有効性を評価した。
PDTと高周波が特に効果的
23の研究を分析した結果、PDTと高周波治療が皮脂レベルを最も効果的に減少させることが確認された。具体的にはPDTと高周波治療は、皮脂分泌をそれぞれの治療で30~40%、30~35%減少させることが多くの研究で確認された。
レーザー療法はこれに次ぐ効果を示し、特に1450nmダイオードレーザーが有効とされた。一方、可視光線療法の効果は研究によってばらつきが見られた。
こうした医療デバイスはトラブルも報告されることがあるが、研究グループでは、新しいデバイスは副作用がより少なくなっていると伝えている。
ヒフコNEWSで伝えているように、ニキビの治療法は基本的に塗り薬や飲み薬が組み合わされているが、医療デバイスを使った治療の効果や安全性が確立されれば、その活用も広がりを見せる可能性がある。