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ニキビ、酒さ、肝斑の改善に注目される「アゼライン酸」、最新の美容皮膚科研究が明かす効果

カレンダー2023.8.10 フォルダー最新研究

ポイント

  • アゼライン酸は、にきび、酒さ、肝斑の症状改善に有効であることが示された
  • 英国の研究グループが、アゼライン酸の局所適用に関する43の研究を分析
  • 酒さやニキビには抗菌薬よりも効果的で、肝斑にはハイドロキノンよりも有効と報告された
アゼライン酸が効果。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

アゼライン酸が効果。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 「アゼライン酸」をご存じだろうか。スキンケア製品に含まれ、これが、ニキビ、酒さ、肝斑(シミの一種)に効果があることが示された。英国の研究グループが2023年8月に報告している。

幅広い皮膚疾患への効果が検証された

肌に効果を示す外用剤とは。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

肌に効果を示す外用剤とは。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 アゼライン酸は、ニキビや酒さに使われることがあるが、最近の研究では、他の皮膚疾患に対する効果が報告され始めていた。

 そこで英国の研究グループは、アゼライン酸の外用剤に関する43の研究をまとめて分析。ランダムにグループ分けして効果を確かめるランダム化比較試験(RCT)と呼ばれる信頼性の高い試験が選ばれている。

他の薬よりも良好な効果を確認

従来使われてきた薬よりも効果が高いと示された。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

従来使われてきた薬よりも効果が高いと示された。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 こうして分かったのは、酒さ、ニキビ、肝斑の改善にアゼライン酸が有効であること。

 酒さでは、アゼライン酸は12週間以内に赤みの重症度などを有意に改善。塗り薬として使われるメトロニダゾールよりも効果が高かった。ニキビでは、アゼライン酸が病変の縮小と全体的評価の向上において塗り薬であるエリスロマイシンゲルを上回った。

 また肝斑においても効果が確かめられた。美白化粧品に使われるハイドロキノンよりも優れた効果が確認された。

 皮膚の老化への効果については、まだ研究が十分に進んでいないという結果だ。

 有害事象は,比較対照の薬剤などと比べて差はなかった。

 アゼライン酸は、国内でも市販のスキンケア製品に含まれている。研究が進むにつれて注目されるのかもしれない。

参考文献

King S, Campbell J, Rowe R, Daly ML, Moncrieff G, Maybury C. A systematic review to evaluate the efficacy of azelaic acid in the management of acne, rosacea, melasma and skin aging. J Cosmet Dermatol. 2023 Aug 7. doi: 10.1111/jocd.15923. Epub ahead of print. PMID: 37550898.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37550898/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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