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「矯正歯科」と「歯科保存」が広告可能に、専門医を選びやすくなる、23年の補綴歯科に続く改正、厚生労働省が医療広告ガイドライン一部改正を通知

カレンダー2024.9.17 フォルダー 国内
矯正歯科の専門医を広告可能に。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

矯正歯科の専門医を広告可能に。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 2024年9月13日、厚生労働省は「医療広告ガイドライン」を一部改訂し、新たに「矯正歯科」と「歯科保存」の専門医資格が広告可能となると通知を出した。

 これにより、これまで広告できなかったこれらの専門医資格は、広告で自らの専門性を示すことが可能となる。歯科治療を受ける人にとっては専門医を選びやすくなる。

矯正歯科と歯科保存の役割が拡大

矯正歯科と歯科保存という歯に関わる専門医が注目される。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

矯正歯科と歯科保存という歯に関わる専門医が注目される。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 日本矯正歯科学会の解説を参考にすると、矯正歯科は、悪い歯並びや噛み合わせ(不正咬合)を改善し、機能的であり、かつ審美的な口腔環境を整える治療を行う分野。歯を削ることなく、矯正装置を用いて歯や顎の骨に力をかけ、ゆっくりと歯並びを整えていく。これにより、食べ物をよく噛めない、歯周病になりやすい、口臭の原因になるなどの問題を防ぐことができる。

 一方、日本歯科保存学会の解説を参考にすると、歯科保存は、虫歯や歯周病などにより損傷を受けた歯を保存し、自然な状態で長く機能させることを目的とする治療分野。保存修復、歯内療法、歯周療法の3つの治療法が含まれ、それぞれが患者の口腔機能を回復、維持させるために重要な役割を果たす。

 例えば、保存修復では、虫歯による欠損を人工材料を用いて補い、歯の機能や審美性を回復させる。一方、歯内療法は、歯の神経や歯根の病気を治療するものであり、根管治療によって歯を保存する技術が進化している。歯周療法は、歯の周囲の組織が損傷される歯周病の治療。

 今回の広告解禁により、こうした高度な技術を持つ専門医が広告を通じて自らの専門性を示すことで、歯科治療を求める人たちにとっては質の高い治療を受けられる環境が整えられると予想される。

関心が高まる医療の専門資格

厚生労働省では美容医療の議論が活発になっている。(写真/Adobe Stock)

厚生労働省では美容医療の議論が活発になっている。(写真/Adobe Stock)

 今回の改正は、23年の「補綴歯科」の専門医資格が広告可能になった改正に続くもの。矯正歯科と歯科保存の専門医資格を持つ歯科医師も広告を通じて自らの専門性を示すことが可能になった。

 歯科医療で専門医の広告が可能となったが、美容医療の分野では専門資格が注目されている。施術を行う医師がどのような専門資格を持っているかは治療の安全性や効果を考える上で重要な判断材料となる。美容医療をめぐるトラブルが問題になる中で、トラブルを避ける意味からも資格情報をあらかじめ確認することは重要視されている。今回は歯科の改正だったものの、広告のガイドラインの改正を含めて、情報公開をどのように行っていくかは今後ますます重要になると予想される。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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