ヒフコNEWSには、美容クリニックに関連する情報が、読者から投稿されることがある。
その中には、美容医療の安全性に直結する問題が指摘されるケースもある。
最近寄せられた投稿の一つに、医師が診療に関与していない美容クリニックの実態について報告が寄せられた。
医師が姿を一切見せないクリニック
投稿内容によると、都内のある美容クリニックでは、施術を受ける際に、医師の姿が全く見られなかったという。同クリニックでは、カウンセラーやスタッフが主に対応し、医師が施術に関与していない状況が明らかになった。これは、次のような経験を伝えるものだった。
都内のある美容クリニックにおいて、医師が診療に関与していない可能性がある事例を経験した、というものだった。
同クリニックでは、施術を受ける際、医師の姿を一度も確認できず、カウンセラーやスタッフが対応を行った。
具体的には、クリニックを訪ねた後に相談や施術の準備を受けた際、医師ではなくスタッフが直接施術を行った。さらに、施術後の会計業務も同一のスタッフが担当し、施設全体において医師の不在が疑われる状況だった。
このケースでは、医師法に違反している可能性があるとも考えられた。
医師の監督の下で、看護師が施術を行うという形態は珍しくないだろうが、診察から施術に対して医師が全く関与しないことへの不信感が明らかにされている。
寄せられた情報を参考に、当てはまるクリニックについての関連の情報を調べたが、公開されている情報が乏しく、一般の人がどのようなクリニックであるかを理解するための情報が不足している。連絡先のメールアドレスはフリーメールアドレス(Gmail)であった。意図的かどうかは不明だが、院長が偽名を使用していると見られた。なぜなら、公的な登録情報を調べたところ、ウェブサイトに掲載されている名前とは一部文字を変えた名前が示されていたためである。
このようなクリニックが増えているとしたら、どのように考えるべきだろうか?
同様に、運営実態が不透明な医療機関は、他にも存在すると考えられる。医療機関を利用する本人にとって、透明性の欠如は重大な不安要因であり、命に関わる問題である。そのため、クリニックの運営情報を公開し、透明性を高めることが強く求められる。
情報を見えやすくする国の動きも
厚生労働省の「美容医療の適切な実施に関する検討会」では、医師以外のスタッフが診察や施術を行っている実態が明らかにされた。具体的な調査結果は、以下の通りだ。
美容医療を受けたことのある600人を対象にした調査では、医師以外のカウンセラーや受付スタッフが治療方針を決定したり、施術を行ったりするケースがあることが明らかになった。
具体的には、次のような状況が明らかになった。
担当者 行った行為 回答の割合 カウンセラー 診察を行う 20.5% カウンセラー 施術を行う 13.8% 受付スタッフ 診察を行う 8.7% 受付スタッフ 施術を行う 6.3%
これらの数字は、美容医療分野における運営実態の問題を浮き彫りにしている。医師が診療に関与しない場合、患者の安全性が確保されないリスクが高まり、重大な健康被害に発展する恐れがある。
こうした背景の下、厚生労働省は2024年11月29日、社会保障審議会医療部会において、一般社団法人が開設する医療機関における非営利性の徹底を図る方針を示した。一般社団法人が運営する医科診療所の数は780施設に達し、19年から23年の間に約2倍に増えた。特に美容医療分野での増加が顕著であることが明らかになった。一般社団法人による医療機関の非営利性に疑いが生じており、その実態が不明であると問題視されている。国は、定期的な報告の義務付けを含む対策を検討している。
透明性が高いクリニックが増えることで、より安心して美容医療を受けられる社会になるのであれば、歓迎すべきことだ。