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業界ガイドライン、年1回の定期報告が大きな変化に、あけましておめでとうございます、2025年年初のご挨拶【編集長コラム】

 あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

厚生労働省がガイドライン作りの方針示す

あけましておめでとうございます。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

あけましておめでとうございます。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 2024年は、美容医療に関連したトラブルの増加、直美の問題、医療脱毛大手アリシアクリニックの経営破たん、献体ピース写真の問題など、多くの課題が出てきて、「美容医療は大丈夫なのか」という不信感を持った人も多かったと思います。では2025年はどうなるのでしょうか。

 2025年は、美容医療を安心に受けられるよう、ルール作りが本格的になる一年になると予想されます。

 大きなところとして、業界ガイドライン作りが始まることと、年1回の定期報告のルールが定められることがあると考えます。

 業界ガイドラインは、厚生労働省の「美容医療の適切な実施に関する検討会」で、学会などが協力して作ることが決まったものです。これまでも「美容医療診療指針」という、レーザー照射やヒアルロン注入などの各種治療が有効なのか、安全なのかという科学的な根拠に基づいた評価をまとめたガイドラインはありました。今後作られるガイドラインは、そうした治療の効果だけではなく、美容クリニックの運営に関すること、契約に関すること、同意の取り方に関することなど幅広い内容が含まれる見通しです。

 分かりやすいところで言えば、契約したその日に施術を行うのは原則禁止といった内容が、業界ガイドラインに盛り込まれることになります。倫理観の問題が注目されましたが、そうした医療関係者の倫理観なども関連してくると見られます。幅広い内容がガイドラインに関連すると見られるため、その作成は困難も予想されます。どのようなプロセスで作成され、どのような内容となるかが注目されます。

 ガイドラインは守られなければ無意味ですが、これまでになかったものが登場することで、美容医療を受ける人が、より安心して、安全に受けられるようになると期待されます。ガイドラインがどのようなものになるか注目されます。

定期報告と美容クリニック選び

 もう一つは、定期報告がルール化されることです。これまで美容クリニックは、どういう運営がなされるか外からよく見えづらいという問題がありました。定期報告によって、美容クリニックの実態が少なくとも行政にとって把握しやすくなり、問題があれば、立入検査が行われ、問題の解決が求められます。

 例えば、定期報告の内容が、公表されるようになることで、一般社団法人によって運営される美容クリニックの実態が見えやすくなる可能性があります。一般社団法人が運営する美容クリニックや医療脱毛、アートメイククリニックなどでは、運営体制が不透明であるという問題があります。医師の関わり方が全く見えないところも珍しくありません。運営が透明化されることで、クリニック選びの参考にできる可能性があります。

 2025年はこれ以外にも美容医療のルール作りが関心を集める機会が増えそうです。美容医療を受ける人は着実に増えていますから、より安心、安全になることが望まれます。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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