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美容クリニックおよそ600院が密集する韓国江南を歩く、政府お墨付き優良観光医療機関とは?アックジョン駅から江南駅まで【編集長コラム】

カレンダー2025.3.24 フォルダー連載・コラム
美容医療のクリニックが多く入居する江南区のビル。(写真/編集部)

美容医療のクリニックが多く入居する江南区のビル。(写真/編集部)

 韓国の美容医療といえば、ソウルの江南区(カンナムグ)がその中心地。

 特にアックジョン駅からシンサ駅、さらにノンヒョン駅、シンノンヒョン駅、江南駅の通りを中心とした一帯は無数の美容クリニックがひしめいている。

 ヒフコNEWSでは、韓国の美容医師や世界でも有数の医療展覧会であるKIMESに取材し、その様子を継続的にリポートしていくが、まずは江南区を歩きながら、有名な施設をチェックしていった。

 注目したのは、政府が優良観光医療機関と指定した施設。文字通り、海外から美容医療を受けに訪れる人々のために、優れた医療機関として認められた施設だ。

 ヒフコNEWSでは、後々、美容医師やソウル市最大のエイジェンシーなどに取材して、こうした医療機関がどのように評価されているのかを明らかにしていく予定だが、まずは、江南区の一帯に、美容クリニックがどのように広がっているのかを自らの目で確認することにした。

美容外科がひしめくアックジョンとシンサ

アックジョンの大通り。美容医療の施設が軒を連ねる。(写真/編集部)

アックジョンの大通り。美容医療の施設が軒を連ねる。(写真/編集部)

 大まかに言うと、ソウル市は北から発展してきた歴史がある。江南区は漢江(ハンガン)と呼ばれる川の南側のエリアを指すが、南へ行くほど、高層ビルやファッション店舗、おしゃれな飲食店が目立って増え、新しい街並みの広がりを実感できる。

 ヒフコNEWSでは、初めはアックジョンの南、江南区庁(カンナムグチョン)の駅から北上したが、アックジョンに入ると、美容外科や皮膚科を示すハングル文字が、繰り返し目に入る。それらは、「정형외과(チョンヒョンウェクァ)」と「피부과(ピプクァ)」という文字だ。それぞれ直訳すると、「整形外科」と「皮膚科」。直訳では整形外科だが、これは美容外科を意味している。アックジョンの通りでは、美容外科のクリニックが特に多いことが、この文字を目にする頻度からすぐにわかる。なお、以下のクリニック名では「美容外科」と表現する。

江南区のビルを見ていると、整形外科を意味する「정형외과(チョンヒョンウェクァ)」の文字が無数に目に入る。これらはすべて美容外科。(写真/編集部)

江南区のビルを見ていると、整形外科を意味する「정형외과(チョンヒョンウェクァ)」の文字が無数に目に入る。これらはすべて美容外科。(写真/編集部)

 江南区の一帯は、四方を400mほどの大きな通りに囲まれたブロック状の街区で、これらの通り沿いに美容クリニックが集中している。ブロックの中の路地には、ファッション店舗や飲食店などが営業する。目抜き通りには企業名も多く見られるが、なかでもひときわ目立つのが美容クリニックだ。

 江南区の中でも北側に位置し、高級レストラン、ブランド店が立ち並ぶアックジョンは、1970年代以降に富裕層が住み始めたこともあり、美容医療の中心地として長く知られている。現在、形成外科専門医が対応する老舗クリニックが目立つ。江南区の中では、後に紹介するシンノンヒョン駅や江南駅などと比べると街としては落ち着いた印象を受ける。

 そうした医療機関の一つで、国が美容医療に限らず認定している医療機関の中で唯一の美容外科であり、同時に政府指定の優良観光医療機関でもあるのが、JK美容外科だ。開院から27年を迎える老舗クリニックで、ソウルの美容クリニックの中でも特に目を引く。アックジョンを貫くノンヒョン路の大通りに面して、金色に輝く外観が特徴的な建物だ。「JK」の名称は、代表院長である形成外科医ジュ・グォン(Joo Kwon)氏に由来する。

金色の外層が目を引くJK美容外科。(写真/編集部)

金色の外層が目を引くJK美容外科。(写真/編集部)

 この施設から斜め前方に位置するのがドリーム美容外科。ここも、政府が指定する優良観光医療機関の一つ。創設から19年の歴史を持つ老舗の一つだ。

漢江に近い高層のビルに入居しているドリーム美容外科。(写真/編集部)

漢江に近い高層のビルに入居しているドリーム美容外科。(写真/編集部)

 アックジョンを江南方面に向かうと、キム・ヒョンジンベーシック美容外科が入居するビルも見えてくる。院名の通り、形成外科専門医のキム・ヒョンジン氏が代表医師を務める医療機関だ。ここも、政府が指定する優良観光医療機関。

アックジョンのビルに入居するキム・ヒョンジンベーシック美容外科。漢字の金亨珍の文字が見える。(写真/編集部)

アックジョンのビルに入居するキム・ヒョンジンベーシック美容外科。漢字の金亨珍の文字が見える。(写真/編集部)

 アックジョンの通りを江南駅に向かって歩く時、ドサン道路を右折して、シンサ駅の方向に向かうことになる。

 シンサ駅に近づくにつれて、高層ビルが目立つようになる。前述の通り、江南駅に近づくほど、新しい高層ビルが増えていく印象を受ける。

 シンサ駅のほど近くにある高層の同じビルに入居している医院として、清潭女神美容外科とルビー美容外科がある。このビルには、ほかにも美容外科が入居しているが、この中で、政府が指定する優良観光医療機関はこれら2施設のみ。

清潭女神美容外科とルビー美容外科。アーチ状のビルの入り口の上にクリニック名が見える。(写真/編集部)

清潭女神美容外科とルビー美容外科。アーチ状のビルの入り口の上にクリニック名が見える。(写真/編集部)

 シンサ駅近くのビルには、巨大な屋外ビジョンが設置されており、そこでは美容製剤や美容医療機器の動画広告が繰り返し放映されている。これらの映像は、最新の施術技術や美容医療のトレンドを視覚的に伝えるもので、韓国における美容意識の高さを象徴している。美容医療機器が政府に承認されているからこそ、広告展開が可能となっている背景にあると見られる。日本では、美容医療機器の承認例がまだ少なく、広告も基本的に認められていない。もっとも、日本では医療機器が承認されていても、一般向けの広告は認められていない。こうした広告展開が、美容医療を韓国でより身近なものにしている一因とも考えられる。

ビルの屋外大型ディスプレーに美容医療関連の広告が繰り返し流されている。(写真/編集部)

ビルの屋外大型ディスプレーに美容医療関連の広告が繰り返し流されている。(写真/編集部)

 シンサ駅の位置する交差点を江南駅に向かって南下していくと、通りに面して立ち並ぶビルに美容外科や皮膚科のクリニックが所狭しと入居している様子が、目に見えて分かる。

 江南駅へと南下し、ノンヒョン駅を超えたところで特に目立っているのが、やはり政府の指定する優良観光医療機関であるナナ美容外科。さらに、シンノンヒョン駅の交差点のほど近くにビュー美容外科がある。こちらも、政府が指定する優良観光医療機関の一つだ。

目抜き通りで存在感を示すナナ美容外科。(写真/編集部)

目抜き通りで存在感を示すナナ美容外科。(写真/編集部)

ビルの1階に大きな看板や幕を掲げているビュー美容外科。(写真/編集部)

ビルの1階に大きな看板や幕を掲げているビュー美容外科。(写真/編集部)

 美容医療の競争の激しさを感じさせるのは、一部のビルで賃貸募集の掲示が少なくない点だ。テナントの入れ替わりが速いことがうかがえる。

 江南駅に到着すると、ひときわ高いビル群が目に入ってくる。こうしたビルの中に入居するクリニックに、トックス&フィル、ドクタープティ医院の看板が見える。いずれも、複数の医院を展開するグループに属する施設。通りを少し入った場所には、エートップ美容外科もある。それぞれ優良観光医療機関に指定されている。

ソウル市内に複数の医院があるトックス&フィル。(写真/編集部)

ソウル市内に複数の医院があるトックス&フィル。(写真/編集部)

複数の医院を展開するドクタープティ。(写真/編集部)

複数の医院を展開するドクタープティ。(写真/編集部)

大通りから入ったビルに入居するエートップ美容外科。(写真/編集部)

大通りから入ったビルに入居するエートップ美容外科。(写真/編集部)

大通りから入ったビルに入居するエートップ美容外科。(写真/編集部)

 近くには、リエンジャン医院江南院の入るビルも見える。ヒフコNEWSの調べでは、江南院は優良観光医療機関の指定の対象になっていなかったが、ホンデやミョンドンの医院が優良観光医療機関に指定されている

リエンジャン医院が入る高層のビル。中央のビル。(写真/編集部)

リエンジャン医院が入る高層のビル。中央のビル。(写真/編集部)

 韓国の江南区は、美容医療人気を肌身で感じられる街だ。ヒフコNEWSでは、江南区エリアで行われる美容医療について取材し、引き続き記事をお届けする。

参考文献

韓国政府が認めたメディカルツーリズムの優良医療機関、法務省入国管理局が美容医療では13施設を指定、公表された「2024年優良観光医療機関」とは?
https://biyouhifuko.com/news/world/11387/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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