美容医療の現場に立つ男性看護師に集まってもらい、座談会を開催。女性看護師とは違った視点もあり、美容医療を検討するときのヒントにもなるかもしれない。第6回は、男性美容看護師のスキンケアについて。
──とても48歳には見えない髙橋さんをはじめ、肌がきれいなみなさん。どのようなお手入れを?
髙橋: 基本的なことは欠かさないです。日焼け止めは絶対に、体もスプレーで塗ります。あとは、日々のスキンケアをしっかり行っています。使用しているのは、勤務しているクリニックのオリジナルのもので、パルミチン酸レチノールや、通常のレチノイドに比べて炎症反応が出にくい「グラナクティブレチノイド」、ピュアビタミンCが入ったビタミンC誘導体の化粧水などです。濃度や種類がたくさんあります。これらを自分の肌の状態や季節に合わせて使っています。
こうじ: スキンケアは、美容クリニックでしたらどこでも取り扱っているゼオスキンをベースにしています。「ゼオスキン」のレチノールを規定量で使いつつ、レカルカ、ピュアメルというピュアビタミンC、ガウディスキンなど色々使っています。
朝と夜でスキンケアはガラッと変えています。最近、就寝前はレカルカを使い、塗りたてはベタベタして不快感があるんですけど、起床時にちょうどいい状態になっています。朝はさっぱりとしたゼオスキンのラインを使って……というように、色々カスタマイズして楽しんでいます。スキンケアが生きがいです。
こば: 私は、正直スキンケアを面倒に思うこともあるので、そこまで時間はかけずに行っています。
セラミド、油、ペタペタするテクスチャーが苦手なので、トゥベールのセラミドとビタミンCをずっと使っています。スキンケアの大事さも分かった上で簡素化し、できることを継続しています。
顔はあれこれしているのに、体の皮膚に触れた時に若い頃のハリが全くなかったら嫌なので、体のケアも大事にしています。筋トレもしますし、ボディクリームも好きです。ロクシタンやジョンソン、海外の匂いがしっかりするもの、いい匂いに癒されています。
──確かに、体のケアは手を抜きがち。何か服用しているサプリメントはあるか。
髙橋: トラネキサム酸とハイチオール(システイン)は毎日飲んでいます。
こうじ: サプリ、すごく好きでたくさん飲んでいます。トラネキサム酸、ビタミンC3000+ビタミンD。あとは、グルタチオン(3つのアミノ酸がつながった薬剤)、ユベラ(トコフェノール=ビタミンE)、ビオチン(ビタミンBの一種)、ミヤリサン(酪酸菌を主に含んだ整腸薬)という酪酸菌を一緒に。
ビオチンと酪酸菌を一緒に摂ると、ビオチンがしっかり奥まで届くとされています。アトピーへの効果が期待され、「ビオチン療法」ともいわれるほどです。
アクネトレント(イソトレチノイン)も飲み続けています。飲むビタミンAで、お肌のターンオーバーを促進、肌を少し乾燥させるお薬なんですけど、ニキビが綺麗に治るんです。もともと顔も体もニキビ肌で、結構皮脂性なので、3日に1回アクネトレントを飲んで調整しています。
──ニキビは、アクネレントで治った?
こうじ: はい、結構良くなりました。それと、時々ダーマペンをしてほぼ治りました。
こば: 最近はやっていないですが、私もアクネトレントとダーマペンでニキビはだいぶ良くなりました。
──美白を目指し、肌を白くするための薬剤を服用すると白髪が増えるという話も聞くが実際はどうなのか?
髙橋: そういう説は聞きますが、過剰摂取によるものではないでしょうか。
こうじ: グルタチオンは4倍量を飲んでみたら白斑がたくさん出ました。規定量以上を飲むと、体にどのような反応が出るのか、気になって実験的に飲んでしまうことがありますが、やはり規定量を守って飲んだほうがいいです。
髙橋: グルタチオンは、白斑や白髪の副作用を聞いたことあります。
こば: 私は、サプリの服用もお肌よりも「痩せなきゃ」と体型維持に注力していますね。ご飯を食べる毎食前に漢方の防風通聖散を飲んでいます。美容看護師にはそういう人多いですよね?
こうじ: そうですね。美容看護師は、顔だけではなくて体型も見られています。自分が手本にならなければいけないので、顔も体型も気を付けています。
こば: 体型維持管理は基本ですよね。一方で、お酒が好きで、生活が派手になりがちな美容看護師も結構たくさんいます。
──ストレスが溜まるから?
こうじ: 病棟の看護師に比べるとストレスは溜まらないと思うんですけど、「キラキラしていたい」と思う人が多いからではないでしょうか。だから、アフタヌーンティーにすごく行きます。アフタヌーンティー好きな美容看護師多いですよね?
髙橋: 多いですね。
──皆さん、夜遅くまで飲んだりしているのに、肌がきれいだからすごい。
髙橋: 僕は行かないですよ。もう落ち着き遠目で見ています……。
こば: 基礎がきちんとできていると、多少のことでは荒れないです。
こうじ: そうですね。そのためにサプリを飲んだり、日々のスキンケアをしっかりしているんです。
──スキンケアにプラスして、美容施術もされる?
髙橋: マッサージピール、ジェネシス(ロングパルスYAGレーザー)はだいたい月1で交互にやっています。ピュールはマッサージピーリングです。ハイフも、半年に一回ほどですが顔にやりますね。
こうじ: 自分はマッサージ大好きです。艶感が増しますよね。
髙橋: そう思います!
あとは、食事も気も付けています。なるべく、自炊をしようと思っていて、朝と夜はできる限り自分で作っています。
──どんなものを作って食べているのか。
髙橋: 以前は外食が中心だったんですが、年齢を重ねて外食に飽きてきたこともあり、具材の多いお味噌汁を作ったり、必ず肉か魚のどちらかは食べます。タンパク質は必ず摂って、日焼けをしたときは「トマトをちょっと多めに食べようかな」とか。
こうじ: すごいですね!
髙橋: 炭水化物も好きで、ご飯、麺類、パンも食べますし、夜抜くこともありません。バランス良くしっかりと食べて。外側からも内側からもケアすることを意識しています。
少し前までは、内側からのケアをあまり考えていなかったんですけど、ある時、忙しさも相まってだるさが抜けない時期がありました。「何がいけないんだろう」と、姿勢を改めたり食べ物を見直したり。色々とやっていく中で、きちんと食事をする、睡眠をとる。そういうことを改め、健康的な生活を心掛けたら体が楽になっていったんです。
──睡眠然り、食事は大事。
髙橋: そうですね。あと、大事なのは無駄なSNSは見ない。
SNSで人を叩いたり、悪口、愚痴を言っている人をシャットアウトし、ストレスを溜めない。そういう少しずつの積み重ねで肌も変わっていくのでは。
──おっしゃる通り。外側からのケアのみならず、心身の内側からのケアも大切にして健康に美しくなりたいものだ。