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「地域性」と「ノンサージカル」の力で30年、自由が丘クリニックが注目した強みとは、美容クリニックの選び方を考える、自由が丘クリニック理事長 古山登隆氏に聞く Vol.1

カレンダー2025.2.27 フォルダーインタビュー
古山登隆(ふるやま・のぶたか)氏。自由が丘クリニック(東京都目黒区)理事長(写真/秋元忍)

古山登隆(ふるやま・のぶたか)氏。自由が丘クリニック(東京都目黒区)理事長(写真/秋元忍)

古山登隆(ふるやま・のぶたか)氏
自由が丘クリニック(東京都目黒区)理事長

──東京の自由が丘で開業して30年。

古山氏: はい。自由が丘クリニックは2025年に30周年を迎えました。この10年だけでも、自由が丘には60前後もの新しいクリニックが開業したのですが、今も続いているのは10院ほど。そのうち10年以上続いているところはわずか数院しかありません。

 そう考えると、自由が丘という街で美容クリニックを継続していくのは、決して簡単な道ではなかったと思います。

──創業当初から「自由が丘クリニック」という名前を使われていた。やはり街のイメージが良い。

古山氏: 最初は「形成自由が丘クリニック」といった名前を付けましたが、2カ月ほどで「自由が丘クリニック」に変更しました。響きが美しく、親しみやすいフレーズだったので、とても気に入ったのです。

 「自由が丘」はイメージがよいですが、その名前をつけておけば成功に近づくというような甘いものではありません。競争の激しい市場の中で、地道に続けてきたからこそ、地元の方々との信頼関係を築くことができたのだと思います。

──長く地元に根付いている。そこにはクリニック選びのヒントも得られそうだ。

古山氏: 自由が丘の駅から私たちのクリニックに足を運んでいただくと分かりますが、駅からは遠いでしょう?

 美容医療で人気の出る典型的なパターンは山手線の内側で駅前ビルに大きな施設を構え、大々的に広告を打つといったスタイルが多いのではないでしょうか。

 しかし、うちはそれと真逆です。最初の10年間は宣伝を一切しませんでした。口コミだけでスタートして、地元の人に喜んでもらえるようなやり方をずっと続けたんです。

 うちがあるのは自由が丘の中心地というより、ちょっと外れた場所です。自由が丘はおしゃれな街などと言われますが、実際には超高級エリアとは異なります。

 美容医療で言えば、自由が丘の人が美容医療を受けようとしたら、昔であれば銀座に行くのが当たり前だったのです。高級なことは銀座でという感覚です。自由が丘ではありませんでした。でも、そこを「いやいや、自由が丘でもきちんとした美容医療が受けられますよ」と変えていったのです。

 そのために地域で求められる美容医療について常に考えてきました。

──非外科的治療に注目した。

古山氏: 2000年代から、一回きりの手術より、継続して通っていただける“ノンサージカル(非外科的)”の施術が大事になると考えました。ノンサージカルに本格的に注力し始めたのも地域性が背景にあります。

 自由が丘には美意識の高い方が多いと思うのですが、「いかに安全か」「ナチュラルか」「あまりやりすぎないか」という質をとても重視する。それでいて、“効果はちゃんと感じたい”というニーズがある。

 そうした中で、一度手術を受けたら、次に来るのは何年も先というのではなく、ボトックスやヒアルロン酸などでこまめにメンテナンスする考え方が合うと考えました。

──その後、全国で非外科的治療が広がった。

古山氏: 30年の間にヒアルロン酸が日本で広まり、それに伴ってノンサージカルの需要も高まっていきました。うちはその流れに早めに対応できたのが大きかったですね。

 私自身は途中で手術から手を引いて、手術は院長の中北信昭先生が担当し、私はノンサージカルを中心に進める形で役割分担をしました。地元の方に定期的に通っていただける体制を築くことができました。

 美容医療は“さじ加減”が重要です。注入量や施術箇所を定量化しようとする動きもありますが、最終的には経験とセンスがものを言います。私たちはずっと地域に根ざした医療を意識してきました。派手に広告を打って患者さんを集めるのではなく、地元で信頼を積み重ねながら診療を続けていく。そのスタイルが、自然と身についていると思います。

──大規模なチェーンを作る方向にはしなかった。

古山氏: チェーン展開すれば、提供できる施術は限られます。私たちが大切にしているのは「ブランドの質」と「手間のかけ方」です。お互いにリスペクトし合いながらチームとして取り組むことが、満足度の向上につながり、地域の方に安心感を与えられると考えています。

 「何店舗あるか」といった拡大路線には興味がありません。「自由が丘で最高のものを作る」ことをコンセプトにしています。街の人が納得し、「ここに任せたい」と思ってもらえる環境を作ること。その積み重ねが、結果的に30年続けてこられた理由の一つだと考えています。

 自由が丘で10年もいると、「仲間」のように受け入れてもらえるようになったと実感しました。当院は「自由が丘クリニック」という名前をブランドの一部として大切に使い、街の名前を冠しているからこそ、自由が丘への恩返しをしたいという思いがあります。安易な施術や安売りをせず、地元の人々が築いてきた自由が丘のブランド価値を守る責任を果たしていきたいと考えています。

 20周年の際、商店街振興組合の理事長から「あなた方は自由が丘の顔になりましたね」と声をかけていただきました。その言葉を胸に、私たちはこの街で美容医療を提供し続ける覚悟を持っています。その姿勢が結果として、今の自由が丘クリニックのあり方につながっているのだと思います。(続く)

プロフィール

古山登隆(ふるやま・のぶたか)氏。自由が丘クリニック(東京都目黒区)理事長(写真/秋元忍)

古山登隆(ふるやま・のぶたか)氏。自由が丘クリニック(東京都目黒区)理事長(写真/秋元忍)

古山登隆(ふるやま・のぶたか)氏
自由が丘クリニック(東京都目黒区)理事長
1980年、北里大学医学部卒業。北里大学医学部形成外科入局。85年、チーフレジデント。86年、北里大学形成外科研究員。89年医学博士取得。北里大学形成外科講師。91年、日比谷病院形成外科医長。95年、自由が丘クリニック開設。19年、国立大学法人千葉大学医学部形成外科非常勤講師。

記事一覧

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ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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