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美容医療の肌管理、韓国はスピード感で日本はナチュラル感重視、多診療科クリニックのワンストップケア、BBクリニック院長のイ・チョフィ氏に聞く

カレンダー2025.4.16 フォルダーインタビュー

 韓国の江南区に本院を構え、日本の東京にも姉妹院を展開するBBクリニックは、形成外科、皮膚科、産婦人科、血管外科など複数の専門科が連携する医療機関。韓国では、肌管理と呼ばれ美容医療が一般の化粧のように普及しているが、日本でも韓国のトレンドを受けて肌管理がよくささやかれるようになっている。胸部外科専門医として下肢静脈瘤治療を行いながら、肌管理も手掛けているBBクリニック院長のイ・チョフィ氏に医院の強みと今後の展望を聞いた。(聞き手/ヒフコNEWS編集長 星 良孝)

BBクリニック院長のイ・チョフィ氏。当日は咳がちであったためマスク着用での取材となった。(写真/編集部)

BBクリニック院長のイ・チョフィ氏。当日は咳がちであったためマスク着用での取材となった。(写真/編集部)

BBクリニック院長のイ・チョフィ医師。(写真/編集部)

  • 日韓の美容意識の違い→ 韓国では短期間での変化や複数施術の組み合わせが好まれる一方、日本では自然な仕上がりと段階的な変化が重視される。
  • 日本人に人気の施術→ ダウンタイムの少ないフィラー、ボツリヌス製剤、糸リフト、レーザーなどのプチ整形が好まれる傾向。
  • アフターケアへの配慮→ 本格的な手術はアフターケアのしやすさから日本国内で希望されることが多いが、韓国で施術し日本の姉妹院で抜糸やフォローするケースも増加。

──肌管理が浸透して、美容医療がますます身近になっている。日本と韓国でアプローチに違いが?

イ氏: 大きな枠組みでは両国とも「美しくなりたい」という思いは同じです。

 韓国の方々は短期間で劇的に変わる結果を好む傾向があります。フィラーをはじめ複数の施術を組み合わせる傾向があります。

 日本の方は「自然な仕上がり」を重視し、段階的な変化を希望されるケースが多いですね。どちらが優れているというわけではなく、ニーズの方向性が異なるだけです。

 私の印象として韓国はスピード感重視、日本はナチュラル感重視という違いがあると思います。もっとも、美肌が長続きするためには、施術ばかりでなく日常的なケアがベースにあることが重要です。日本の方には、ダウンタイムの少ない施術だけではなく、韓国で行われている美容医療の選択肢をもっと知っていただくことは意味があると考えます。そうすることで、より幅広い提案が可能になります。

──日本から来院する方の傾向は。

イ氏: 日本人の美意識は高く、来院者数は毎年伸びています。人気はダウンタイムの短い、いわゆるプチ整形であるフィラー、ボツリヌス製剤、糸リフト、各種のレーザーが好まれる傾向があります。

 日本語の医院のウェブサイトでは、ダウンタイムの少ない施術についての紹介がメーンになっている面があります。

 鼻形成や眼瞼手術といった本格的な整形手術は、帰国後のアフターケアを考えて日本で受けたいと希望される方が多いのも事実です。一方で、当院では、東京に姉妹院があり、施術は韓国で受け、抜糸などのアフターケアを日本の姉妹院で行う方も増えています。

BBクリニック院長のイ・チョフィ氏。(写真/編集部)

BBクリニック院長のイ・チョフィ氏。(写真/編集部)

  • ワンストップ医療体制→ 多診療科の専門医が院内に揃い、美容と健康を包括的にケア。
  • 美容と健康の統合→ 静脈瘤治療や幹細胞治療などを通じて、美容と同時に健康面の改善も重視し、心身のトータルサポートを目指す。
  • 日韓連携の施術体制→ 韓国での施術後も、日本国内でアフターケアや施術を受けられる環境を整備。言語や距離の不安を軽減。

──BBクリニックならではの強みは。

イ氏: 形成外科、皮膚科、産婦人科、胸部外科、麻酔科など専門医が院内にそろい、美容と健康に関わる医療をワンストップで提供できる点です。

 私自身は、心臓血管外科で学び、今も下肢静脈瘤の治療を続けていますが、下肢静脈瘤というのは健康上の問題であると同時に、脚の見た目を気にされる方も多いんですよね。美容と健康が表裏一体であるという点において、総合的なケアともいえます。

 このほか、例えば、婦人科形成やデリケートゾーンの美白治療を合わせたいというニーズもあるでしょう。専門医が連携し、一つのクリニック内で一貫して行えるようになっています。

 手術には必ずリスクが伴いますが、胸部外科や麻酔科の専門医が常駐していることで、万が一の緊急時にも対応しやすい体制を整えています。このような体制が、海外からやってきて韓国で施術を受ける場合であっても安心感につながると考えています。

──美容と健康は深く関係する。

イ氏: 美容と健康は切り離せないと考えています。人によっては、まず血管の治療が必要な場合もあれば、皮膚のトラブルが根本にあり、それを改善しながら美容施術を行うこともあります。ご本人がコンプレックスを解消し、自信を持てるようになることは、メンタルヘルスの向上にもつながると考えています。
 そうした観点から、今後はトータルケアのさらなる充実を図りたいと考えています。例えば、PRP(多血小板血漿)注入のようなアプローチもあります。見た目を良くするだけでなく、健康面でもサポートできる総合的なクリニックを目指しています。

──アフターケアの体制を教えてください。

イ氏: 当院は日本語のカウンセリングスタッフがいますし、オンラインでのアフターケアの相談も行っています。困ったことやトラブルがあれば、すぐに問い合わせが可能です。また、必要に応じて、姉妹院での対面診察や処置にも対応しています。大きな手術を受けた後は特に、抜糸や経過観察は重要ですが、それを日本で受けられることは大きな利点です。
 もちろん万が一、術中や術後に重篤な合併症や症状が出た場合には、近隣の大きな大学病院と連携し、すぐに救急搬送できる体制を整えています。

──これからのBBクリニックの韓国と東京との関係は?

イ氏: 日本での展開を進めている理由の一つは、韓国で施術を受けた方へのアフターフォローを行うためです。また、韓国式の美容医療をより身近に受けられる環境を整えたいと考えていることもあります。価格的なメリットや高い技術力に魅力を感じて、韓国での施術を希望される方は多いものの、アフターケアや言葉の問題で不安になる方は多いです。そこで日本に姉妹院を作り、韓国と同様の施術を、日本でもより身近に受けられる体制を整えたいと考えています。

江南駅に近いBBクリニック江南院。(写真/編集部)

江南駅に近いBBクリニック江南院。(写真/編集部)

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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