
全取締役の解任が報じられた。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
週刊文春が2025年2月15日、エステ脱毛大手ミュゼプラチナムの社長解任を報じた。
ヒフコNEWSではエステ脱毛や医療脱毛の経営についての混乱を報じてきたが、エステ脱毛大手であるミュゼプラチナムでも混乱が続いている。
脱毛業界の動きから何を考えればよいのだろうか。
アリシア破たん引き継ぎ支援を提案したが

2024年12月10日、アリシアクリニックは破産手続開始決定を受けたと発表した。(写真/編集部)
- 脱毛業界の正念場→ 2024年12月のアリシアクリニック経営破たんを受け、業界全体に影響が広がっていた。
- ミュゼプラチナムの対応→ アリシアクリニックの施術・返金未対応者向けに「引き継ぎ支援」を提案し、スタッフの雇用も継続方針を公表していた。
- ミュゼプラチナムの給与遅配など発覚→ 一方で、ミュゼプラチナム自体において東京商工リサーチの報道で給与の支払い遅延が発覚。年金当局の口座差し押さえが原因とされ、テナント料の支払いも遅延。社長は投資家の支援で2024年内の正常化を見込むと説明。
ヒフコNEWSでは、2024年12月の医療脱毛大手アリシアクリニック経営破たんを受けて、脱毛業界が正念場を迎えていると報じた。
ミュゼプラチナムは、アリシアクリニックの経営破たんで施術や返金を受けられなくなった人を対象として「引き継ぎ支援」を提案していた。アリシアクリニックのスタッフに対しても、退職直前の給与水準を保った形で雇用する方針も公表していた。
そんな中で、東京商工リサーチによる運営社長に対するインタビューで、ミュゼプラチナムの給料の支払いが遅れていることが明るみに出た。
東京商工リサーチによると、年金当局による口座差し押さえにより、ミュゼプラチナムの資金繰りが悪化していた。結果として、2024年11月25日、従業員に対する給与の支払いが難しくなっていた。このときには12月6日には正常化したと報告されていた。また、テナント料の支払いも遅延していたと明らかになっていた。
同社社長は、投資家からの資金により、2024年内に正常化すると説明していた。
社内文書が流出

社内文書が流出。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
- 給与遅配の継続→ 週刊文春の報道で、2024年末の給与遅延が2025年にも続いていたことが判明。
- 経営陣の解任→ 全取締役が解任されたと報じられ、元社長が従業員に給与遅配の謝罪を表明する文書が流出。
- 脱毛業界の厳しい状況→ 広告費の増大が経営を圧迫し、2024年2月にはトイトイトイクリニックも経営破たん。業界全体の厳しさが続くと予想される。
今回、週刊文春の報道により、2024年末の支払い遅延が2025年にも継続して発生していたことが判明した。
さらに、今回、同誌は新たに全取締役が解任されたと報じた。詳細は、同誌を確認していただきたいが、元社長が従業員に向けて、給与遅配の謝罪を表明する文書が流出している。
ヒフコNEWSの取材では、脱毛サロンは前受金を用いて広告を大量に打つことで、人を集めることが重要になっている。脱毛サロンが多数存在する中で、この広告をどれだけ出せるかという競争が激しくなっており、過剰な広告を出すことによる出費の増加が経営を圧迫している。
ミュゼプラチナムに限らず、置かれた状況は似ていると考えられる。この2月には、都内で脱毛サロンを展開していたトイトイトイクリニックも経営破たんした。今後、脱毛の経営が厳しい状況は続いていくことが予想される。