
消費者庁は高知県で起きた重大事故を公表。(出典/消費者庁)
エステの施術で重大なヤケドの事故が発生した。
これは2024年11月に高知県のエステでの施術により発生したもので、消費者庁が2025年2月7日に公表した。
美容施術によるヤケドは要注意
エステサロンや美容医療で使用される施術機器は、レーザーや高周波、超音波など、体に熱を加える機器が一般的に用いられている。
これらの施術では、熱が過剰に加わることで、思わぬヤケドを引き起こすことがある。過去に死亡事故が発生している。
これらの機器は適切に使用されれば美容効果が期待できるが、不適切な操作や個人の皮膚状態によってはヤケドや色素沈着などのリスクを引き起こす可能性がある。
一般的に熱傷はI度(表皮にダメージが及んだ状態、軽度の炎症)、II度(真皮までダメージが及んだ状態)、III度(皮下組織までダメージが及んだ状態)に分類される。今回の事故ではII度熱傷が報告されており、皮膚の深くまでダメージが及んだと考えられる。
今回は、高知県で発生した事故について、次のように整理できる。
事故発生日 | 公表日 | 被害状況 | 事故内容 | 発生地域 |
---|---|---|---|---|
2024年11月11日 | 2025年2月7日 | 重傷1名 | 店舗において、機器を用いた施術を受けたところ、前胸部II度熱傷を負う重傷。 | 高知県 |
美容施術による重大事故は珍しくない

セルフエステに関する相談件数の推移。青い色は歯のセルフホワイトニングの相談件数。(出典/国民生活センター)
美容施術に関連したヤケド事故は継続的に報告されている。
例えば、24年6月には福岡県の美容皮膚科で多汗症治療を受けた人が施術後に両手指のしびれを訴えた。このケースでは、神経に影響が及び、「両腕神経叢損傷」と診断された。
22年には、マイクロ波を用いた多汗症治療で死亡事故も発生している。この事故では、本来脇の治療に適用される機器が他の部位に使用され、重篤な合併症を引き起こした。医学会はこれを受け、適切な使用方法を厳守するよう注意喚起を行った。
美容施術では、ヤケドによる重大な事故が発生する可能性があることを理解しておくことが重要だろう。万が一、問題が発生した場合は、速やかに医療機関に相談すべきだ。