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「定期縛りなし」の罠?実は解約まで続く“隠れ定期購入”の問題、美容製品などで相談相次ぐ、誤解招く表現のカラクリとは、国民生活センターが注意を呼びかけ

カレンダー2025.2.25 フォルダー 国内
動画やSNSの広告がきっかけに。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

動画やSNSの広告がきっかけに。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 「定期縛りなし」という売り文句で、1回目の商品購入を安くした上で、誤解させた上で無理矢理定期購入させられるという販売スタイルが問題を起こしている。

 国民生活センターが2025年1月に注意を呼びかけている。

「定期縛りなし」が「定期購入」を意味するケース

「定期縛りなし」の表現が誤解を招く。(出典/国民生活センター)

「定期縛りなし」の表現が誤解を招く。(出典/国民生活センター)

 国民生活センターの説明によると、あえて定期購入であることを分かりづらくして、無理矢理契約させるようなケースが相次いでいると見られる。動画広告やSNS広告がきっかけになることが多いと説明している。

 例えば、あるケースでは、50代の男性が、動画広告を見て「定期縛りなし」と示されたダイエットサプリメントを購入。この際に男性は「定期縛りなし」の意味は定期購入ではなく、1回だけ試しに購入できるという意味で理解していた。1回目の購入価格は900円と比較的手頃だったので、買ってみたところ、商品が届くと、次回お届け予定日が示されており、定期購入にされていた。

 また、別のケースでは、50代の女性が、SNSの広告を見て、育毛剤を「定期縛りなし」ということで購入したのだが、やはり「定期縛りなし」は定期購入の意味で、1回目の購入費用は1900円だったのに対して、思いもよらず送られてきた2回目の商品は約1万5000円と高額。これを受け取りを拒否したが、支払いを求められた。

 「定期縛りなし」という言葉は、意味があいまいで誤解を招きやすい。ここまでのケースで国民生活センターに相談した2人は、いずれも「定期縛りなし」は、定期購入を求められることがないといった意味に受け止めていたが、実際には、定期購入の期間が縛られておらず、解約しなければ、購入が続くという意味で使われていた。

 国民生活センターでは、「定期縛りなし」や「回数縛りなし」という広告の文言が、「1回限り」という理解を誘うのだが、実は定期購入であり、これに関連した相談が寄せられていると紹介する。「定期縛りなし」は、「最低購入回数の指定がない契約」という意味である可能性があると解説する。

 このような注意を知らなければ、理解するのは難しい。

トラブル回避のため定期購入か否かに注意

困った時は相談。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

困った時は相談。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 国民生活センターによると、契約条件を示した最終確認画面に、定期購入の記述がないかを確認するように求めている。逆に、こうした記述がないのに、定期購入になっている場合には、申し込みを取り消せる場合があり、最終確認画面をスクリーンショットして保存しておくよう勧めている。また、誤認に基づく契約をした場合には、「消費者ホットライン188」に相談することで、適切な対応を受けることができるという。

 ヒフコNEWSでは、基礎化粧品やサプリメントなど美容製品の販売サイトなどで、「定期縛りなし」という表記が珍しくないことを確認した。仮にこうした表現が、今回の国民生活センターの注意のように定期購入を意味していたとしたら、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性がある。購入する場合には、定期購入になっていないかを確認するといいだろう。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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