
電話がつながらない。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
「現在電話が大変混み合っておりおつなぎすることができません」
エステ脱毛大手のミュゼプラチナムに電話を掛けてみたところ、電話が通じない。
東洋経済オンラインが2025年3月21日、ミュゼプラチナムが一時休業に入ったことを伝えた。利用者からの問い合わせが集中している可能性がある。
脱毛サロンが苦境にある理由

全取締役の解任が報じられた。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
ミュゼプラチナムは経営の混乱が指摘されており、2月には週刊文春が全取締役の解任を報じた。2024年11月から従業員の給与支払いが遅れる事態が発生していた。年金当局による口座差し押さえがきっかけだ。
この給与支払いの遅れが3月にも続いており、ミュゼプラチナムの一部店舗の従業員が抗議のため自主的に休業に踏み切り、本社が全店舗の一時営業休止を決めたという。
脱毛業界の中でも多くの会員を抱えるミュゼプラチナムが、なぜこのような状況に陥ったのかが問われている。
ヒフコNEWSでは、脱毛業界について何度も伝えてきたが、脱毛を希望する人の支払い方法と、サロン側の資金の使い方に問題があったと考えられる。脱毛サロンは、複数回のコースをまとめ買いするような形で契約されることが多い。こうして得られた資金は、本来であればサロンの中にとどめておくべきものだが、国内にはサロンが多く存在することから競争が激しく、いかに広告を出すかを競い合う状況となり、広告宣伝費などに前受金が流用される傾向があった。売上高が増加しているうちは前受金が次々と入ってくるのでなんとか経営が成り立っていたものの、売上高が減少していくと前受金も減るため、多数の利用者に対してかかるコストを賄うことが難しくなってしまう。
そもそも広告料がかさむうえに、コロナ禍で利用者が減少し、人件費や採用コストも増加していた。脱毛サロンの従来のビジネスモデルが通用しづらくなっていた。
こうした状況はどこの脱毛サロンも共通していると考えられる。2022年脱毛ラボ、23年C3、銀座カラー、ウルフクリニック、24年アリシアクリニック、トイトイトイクリニックなど、脱毛サロンの経営破たんが続いている。帝国データバンクの報告などを踏まえると、直近の2年間で30万人近くが脱毛サロンの経営破たんの影響を受けたと考えられる。経営破たんすると、未実施の施術を受けられないばかりか、支払った前払い金の返金も受けられない。
脱毛利用者が男性で増える

相川佳之(あいかわ・よしゆき)氏。SBCメディカルグループホールディングス CEO(写真/村田和聡)
こうした状況は変化しつつある。
ヒフコNEWSの取材では、SBCメディカルグループホールディングスのCEO、相川佳之氏が次のようにインタビューで応じている。
倒産するところが出ている影響か、従来の「回数コース」ではなく、1回ごとに支払う方式を選ぶ方が急増しています。
また、複数回のコースであっても、施術回数の少ないコースが選ばれやすくなり、一括での支払に不安を感じる方が増えていると実感します。
さらに、男性利用者の増加にも言及している。
最初は予想外でしたが、男性の割合が大幅に増えています。私が個人で買収した「リゼクリニック」、「ゴリラクリニック」のような男性専門院もありますが、リゼクリニックでは男性利用者が女性利用者を上回っています。同じ系列の「メンズリゼ」の方が、利用者数が多い状況です。
こうした中でSBCメディカルグループホールディングスに関連する脱毛サロンでは値上げの動きも出ている。
脱毛料金を下げる競争は永続性がなくなっている中で、脱毛に対する需要や利用スタイルは今後ますます変化していく可能性がある。脱毛を検討している人としてもこうした状況を理解した上で、慎重に施術を受ける場所を考える必要があるのだろう。