あなたの美容医療、大丈夫?大手弁護士事務所のベリーベスト法律事務所が被害情報収集を開始
ポイント
- ベリーベスト法律事務所が美容医療による被害情報を収集するサイトを開設した
- 美容医療の相談件数や被害報告がある中で、被害弁護団を設立する可能性もあると説明
- 美容医療の人気が高まる一方で、その安全および安心への関心が高まっている
美容医療のトラブルがたびたび報じられる中、弁護士らが美容医療の被害についての情報を募集する動きが出てきている。2023年6月27日、ベリーベスト法律事務所が美容医療の被害情報を集めるウェブサイトの開設を発表した。
被害の相談件数が増加
年度 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 |
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相談件数 | 2036 | 2209 | 2766 | 2464(前年同期1853) |
※2022年12月31日までのデータ
ヒフコNEWSで伝えているように、美容医療に関するトラブルは大きな注目を集めている。国民生活センターの報告によると、22年度の「美容医療サービスをめぐる相談件数」は2022年12月末時点、前年同期と比べて33%増加していた。これらの相談には、レーザー脱毛、豊胸手術、脂肪吸引、包茎手術などの治療が含まれている。高額な治療費、痛み、腫れなど、経済的な不安や健康上の被害の相談が寄せられている。
厚生労働省研究班では、美容医療の合併症や後遺症を積極的に調査しており、20代女性での被害が多い実態のほか、しこり、傷跡、変形や左右差などの合併症や後遺症の発生が報告されていた。
3月には国の消費者安全調査委員会が、HIFU(ハイフ)についての被害報告をしていた。この報告では主にエステティックサロンでの被害が多かったが、美容医療クリニックでの被害も認められた。
被害弁護団を設立の可能性も
全国に拠点を持つ弁護士事務所であるベリーベスト法律事務所は、このような相談や不安の高まりを受けて、美容医療の被害実態の把握に乗り出した。同事務所では「美容医療(整形・皮膚・歯科等)の被害に関する情報受付を開始し、6月26日(月)に美容医療被害情報受付フォームを公開した」と説明している。
同事務所では、相談が多ければ、被害弁護団(訴訟活動における弁護士集団)を設立する可能性があると明らかにしている。ただし、相談件数が少ない場合には、被害弁護団は設立されない。
また、同事務所が情報提供元として想定しているのは、被害に遭った本人のほか、情報を持つ医療関係者、その他の情報を持つ人なども含む。匿名でも受け付ける方針で、幅広い情報提供を求めている。なお、美容医療被害情報受付フォームのページでは、クリニック名、施術箇所、施術名、施術日、経緯や被害内容、支払った金額、被害回復のための治療費、報告者の氏名や連絡先を回答できるようにしており、今後の訴訟の可能性も視野に、できるだけ詳細な情報の提供を希望している。
既に発生のトラブルでは集団訴訟への動きも
最近の報道では、歯の矯正治療に関して、歯科医院を東京地裁に提訴する動きが出ている。さらに、ヒフコNEWSで再三伝えているように、クリニックを突然閉鎖した男性専門医療脱毛のウルフクリニックでは、返金トラブルが発生しており、集団訴訟の可能性が示唆されている。
美容医療の利用者や医院数は増える傾向にあり、規制緩和後の市場はコロナ以前の水準に戻ったとされる。美容医療の人気が高まるにつれて、美容医療の被害も注目されやすくなっている。集団訴訟のような事態に発展する可能性もあり、美容医療の安全や安心はますます重要視されそうだ。
参考文献
【被害情報の募集】美容医療の被害に関する情報受付を開始しました。
https://www.vbest.jp/topics/info/928/
美容医療被害情報受付フォーム
https://inquiry.vbest.jp/cosmetic/
美容医療関連の相談件数が前年より33%増加、国民生活センター
https://biyouhifuko.com/news/japan/810/
エステティックサロンなどでの日本のハイフ関連事故の詳細明らかに、国の消費者安全調査委員会が報告書
https://biyouhifuko.com/news/japan/629/
成人年齢18歳に、10代の脱毛エステや医療のトラブル相談が急増
https://biyouhifuko.com/news/japan/1696/
「異物肉芽腫、しこり形成」が美容治療の合併症では最多、厚労省研究班報告
https://biyouhifuko.com/news/japan/1248/
マウスピース歯科矯正「実質無料」トラブルで業界大激震、被害は1000人・10億円以上か
https://diamond.jp/articles/-/307802
ウルフクリニック「経営関与の会社」破産へ、美容医療の信頼性に懸念抱かせかねない問題
https://biyouhifuko.com/news/japan/2002/
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