若者や女性も、AGA治療の相談が急増、都が注意点を示す
ポイント
- 東京都は18年から22年にAGA治療に関する相談が2倍以上に増えていることを紹介
- 若年層や女性を含め、AGA治療を提供するクリニックでの契約トラブルが起きている
- 都は、治療内容や契約条件などを理解し、慎重に検討するよう注意を呼びかける
AGA(男性型脱毛症)の治療に関連した相談が増えている。東京都が2023年7月31日、情報を公開して注意喚起している。
4年の間に大きく増加
AGAは男性ホルモンの影響で起こる脱毛で、男性に症状が現れることが多い。一方で、女性でも起こることがあり、これは女性AGA(FAGA)と呼ばれ、50歳以上の女性の40%に認められるとされる。そのため男性にも女性にも関係していると言える。
AGAの治療には、飲み薬や外用剤などが使われるが、治療の契約に関連したトラブルが起きるケースがある。
東京都の調べによると、「AGA・育毛・薄毛治療・増毛等の相談件数」が年々増え、18年には32件だったが、22年には89件に増えており、わずか4年で2倍以上になった。
例えば、無料カウンセリングという宣伝の言葉に引かれてクリニックを受診したところ、早めの治療を促され、100万円の契約。ところが、その後、支払いが不安で解約を希望しているといったケースがあるようだ。相談者は、AGAの症状を現す人の多い中高年の男性だけではなく、若者や女性からの相談も多く寄せられている。
難しいのは、AGA治療は特定商取引法の指定役務に該当しないため、クーリング・オフができないこと。また自由診療であるために、各クリニックごとの価格設定に幅があるほか、中途解約時の解約料が高額になる可能性がある点も問題になる。
契約条件の検討が不可欠
東京都ではAGA治療を検討するときに、次のような点に注意するよう求めている。
- 治療内容やその効果、リスクについて十分な説明を求める。
- 薬を飲む必要があるのか、副作用の可能性があるのか、詳しく確認する。
- 契約内容や中途解約の条件をしっかりと理解する。
- 「効果がなければ返金保証」というような表現があっても、細かい条件を確認する。
- 契約を勧誘された場合、すぐに決めずに十分に検討すること。
- 即日施術を勧められたときは特に注意する。
- 薬に関して、返品・返金ができない場合が多いため、長期間の処方は避ける。
強引な勧誘や解約トラブルなどに悩んだときには、消費生活センターに相談をするよう求めている。
参考文献
薄毛治療(AGA治療)に関する相談が増加しています ~AGA治療にはクーリング・オフが適用されません~
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/sodan/kinkyu/20230731.html
PRPとヒアルロン酸の組み合わせが、女性の脱毛症(FAGA)を救う?
https://biyouhifuko.com/news/research/3062/
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