資生堂が米国ダーマコスメ「Dr Dennis Gross」手中に、640億円の大型買収、化粧品と美容医療の融合が進化
ポイント
- 資生堂が皮膚科医が創業した米国の化粧品会社を買収
- 専門家が開発に参加した製品へのニーズが世界的に高まっている
- 資生堂のほかに多くの会社で、化粧品と医療との結びつきが強化されている
資生堂は2023年12月23日に、皮膚科医が創業し、「Dr. Dennis Gross(ドクターデニスグロス)」のブランドを展開する米化粧品会社DDGスキンケアホールディングスの買収を発表した。これにより、同ブランドは資生堂の手中に収まることになる。
美容皮膚科など専門的なバックグラウンドを持つ化粧品は「ダーマコスメ」と呼ばれており、化粧品と医療のつながりが強まる傾向が強まっている。
皮膚科医が開発したブランド
資生堂の発表資料によると、買収対象となったDDGスキンケアホールディングスは、皮膚科医のデニス・グロス博士と妻のキャリー・グロス氏によって1999年に米国ニューヨークで設立された。「Dr. Dennis Gross skincare」のブランドは2000年から展開されている。
DDGスキンケアホールディングスは、自宅でピーリングが可能な「Alpha Beta」デイリーピールなど、皮膚科学に基づいた化粧品で人々の支持を集めた。
発表資料によれば、DDGスキンケアヒールディングスの2023年12月期の売上高は9400万ドル(日本円で約133億円)の見通し。買収金額は4億5000万円(同約640億円)となっている。
資生堂は今回の買収の背景として、「『皮膚科医などの専門家などが開発に関わっている、または監修した化粧品』の市場は世界で大きな成長が期待されます」と説明する。
中国の医科大学とも提携
資生堂は23年10月に、中国の医科大学とパートナーシップを締結している。同社が説明するように、専門家が開発に関わる動きは今後さらに強まる見込みである。
他社では、ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業が、獨協医科大学と共同開発し、また同グループでは、新たに美容医療関連の新会社「ポーラメディカル」を今年10月に設立している。さらに、ロート製薬も藤田医科大学と提携した。また日本国内では、ドクターズコスメの取扱いを増やす美容皮膚科などの医療施設が増えているとされる。
化粧品と美容医療が結びつく動きはさらに増える可能性がある。
参考文献
Shiseido to acquire Dr. Dennis Gross Skincare
https://corp.shiseido.com/en/news/detail.html?n=00000000003741
Shiseido to Acquire DDG Skincare Holdings LLC~Strategic Transaction Adds Dermatologist-led Prestige Skincare Brand to Shiseido’s Global Portfolio~
https://corp.shiseido.com/en/ir/pdf/ir20231223_026.pdf
美容医療の未来に?コスメ企業が医科大学と連携する新たなトレンド
https://biyouhifuko.com/news/japan/4151/
美容医療向けに美白とシワ改善の化粧品、ポーラメディカルが2024年1月に、ドクターズコスメに動き
https://biyouhifuko.com/news/japan/4586/
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