20代の消費生活のリスク、解約にも落とし穴、美容医療でも大きな問題、最新消費者庁調査が示す
ポイント
- 美容医療を含む消費者トラブルが増える中で実態調査が実施
- オンラインショッピングでのトラブルが依然として高い割合を占めている
- 消費者への情報提供が、トラブルの予防に一定の効果を示している
およそ2割の消費者は、何らかの消費者トラブルに巻き込まれている──消費者庁は2024年2月1日、消費生活意識調査の新たな調査結果を報告している。消費者トラブルを経験する人が依然少なくないことが分かった。
美容医療でも、脱毛や美容医療に関連したトラブルに遭う人が多いとされており、いかに防いでいくのか、国でも対策が強化されていくとみられる。注意すると良さそうだ。
解約料やクーリング・オフの知識不足が目立つ
23年度に実施された「第4回消費生活意識調査」は、消費者の意識や行動、消費者問題の現状を把握する目的で行われた。今回の調査は特に「消費者教育」に焦点を置き、消費者がどの程度教育を受けているか、その効果はどうであるかを探った。
この調査は、全国の15歳以上の男女5000人を対象にインターネットを通じて行われた。質問項目は、消費者教育の受講経験、消費生活に関する知識、過去1年間に遭遇した消費者トラブルの内容、トラブル発生時の相談先など多岐にわたる。
調査結果をまとめると次のようになっていた。
- 消費者教育の受講経験 → 約33.4%の人が学校で消費者教育を受けたことがある。次いで職場研修や地方自治体の講座が利用されている。
- 消費生活に関する知識 → 全体の正答率は38.8%。若年層は比較的高いが、20代は最も低い正答率31.3%を記録。
- 消費者トラブルの経験 → 過去1年間に消費者トラブルを経験した人は20.4%。うち商品やサービスの質に関する不満が39.4%で最多。美容医療関連のトラブルも含まれる。
- 相談先と対応 → トラブル発生時、71.2%が何らかの相談を行い、30.4%が地方自治体の消費生活センターや相談窓口を利用。
これらの中で、特に消費生活に関する知識の現状について次の点が明らかになった。
- 解約・クーリングオフの知識 → 解約に関する知識の正答率は13.1%、クーリングオフについては28.9%と特に低い。
- 契約成立時期の理解 → 契約の成立時期に関する基本的な知識の正答率は33.6%で、基礎的な契約理解が不足していることが示された。
- 年代別の正答率 → 15~17歳と18~19歳の正答率が比較的高く、契約成立時期の知識で15~17歳が51.0%、18~19歳が53.1%。20代は全設問の平均で31.3%と最も低い。
- 消費者契約法と未成年者取消権の理解 → 消費者契約法による取消しの知識正答率は39.0%、未成年者取消権については41.3%と低い。
これらの結果から、消費者教育が十分に行き届いていないこと、特に解約やクーリングオフなどの消費者保護に直結する知識の理解が不足していることが示された。
消費者の知識不足にトラブルの種
オンラインショッピングでのトラブルが目立っている。期待と異なる商品が届いた場合、43.1%の消費者が販売者に連絡し、交換や返品を求めていた。オンラインショッピングには慎重さがもっと必要なのかもしれない。
ヒフコNEWSで伝えているように、解約やクーリング・オフなど消費トラブルは美容医療にも頻繁に起きている。
消費者トラブルを未然に防ぐためには、情報を得ることが欠かせない。10代よりも20代の方が知識不足の傾向にあるなど、調査から分かった状況に合わせた対策が必要なのだろう。何か商品やサービスを購入するときには、注意しておくとよいだろう。
参考文献
「令和5年度消費生活意識調査(第4回)」の結果について(消費者庁)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/036152/
美容に関する深刻なトラブル続く、2023年振り返り、ヒフコNEWSの記事からまとめ
https://biyouhifuko.com/news/japan/4286/
解約料実態の検証が始まる、「キャンセル料に不満」が6割、美容医療関連も、消費者庁が研究会
https://biyouhifuko.com/news/japan/4715/
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