ポイント
- 肌を分析して美容に活用するサービスが脚光を浴びている
- ポーラは2024年3月、7月1日から肌の細胞レベルでの働きを推測するサービスを開始
- 花王とアイスタイルなども皮脂のRNAを調べるサービスの開発について発表
細胞レベルで肌を分析する最新美容、ポーラが7月から開始、花王やアイスタイルなど共同で「RNA」活用
肌を分析して美容に活用するサービスが注目を集めている。
ポーラは2024年3月、7月1日から肌の細胞レベルでの働きを推測してスコア化するサービスを開始すると発表。花王とアイスタイルなどが共同で、皮脂のRNAをモニタリングし、美容などに応用するサービスの開発を進めることを発表した。
個人に合わせた美容を実現する「パーソナライズ」の潮流が到来する兆しが見られる。
動画や画像から肌のタイプを調べる
ポーラは、肌の3つの層である表皮、真皮、皮下組織を対象に、同社が開発した動画解析技術「モーションスキャンテクノロジー」を用いて細胞の活動を推測する。この技術により、その人に表れやすい肌トラブルを予想する。
同社によると、約14秒の動画ならば静止画840枚分の情報が得られ、肌の動きや速さや方向の特徴から、約170万もの特徴データが抽出されるという。撮影後3分後、独自アルゴリズムで肌の3つの層の働きを分析し、3つの層ごとに10段階でスコア化する。
さらに、新たに肌を撮影するカメラ(肌カメラ)の情報に基づき、「キメの流れ(シワリスク)」も分析可能になった。この手法では、「細胞のはたらき」「ゆらぎ」「形状」「色調」という4つのカテゴリーで肌の状態をスコア化する。これにより、肌タイプを「きよらか肌」「かがやき肌」などの9種類から分類する。
個人の肌の特性に基づき、パーソナライズされたケアが提供可能になる。
あぶらとりフィルムで摂った皮脂を分析
花王とアイスタイルは共同で「RNA共創コンソーシアム」を設立することを発表した。ここにはコーセー、マツキヨココカラ&カンパニー、キリンホールディングス、パーフェクト、ヘルスケアシステムズも幹事社として参加する。
このコンソーシアムでは、皮脂からRNAの情報を得て、個人の肌や体の状態を正確に把握し、パーソナライズされたケアの提案することを目指す。
※RNAはリボ核酸とも呼ばれ、DNAからの情報を基にタンパク質を合成する際に重要な役割を果たす細胞内成分。DNAの遺伝情報をmRNA(メッセンジャーRNA)として転写し、タンパク質合成の指示書として機能する。RNAを分析すると、細胞内でどのような遺伝情報が現在使われているか、つまりタンパク質がどのように、いつ、どれだけ作られているかのリアルタイムな情報を得ることが可能になる。
皮脂はあぶらとりフィルムで簡単に採取可能で、この方法で得られる遺伝情報を含んだRNAからさまざまな情報を得ることが花王独自の技術。この技術により、肌や体の情報を詳しく調べることができるという。
肌分析サービスの発展は、個々の肌の特性を深く理解し、それに最適なケアを提供することにつながる。化粧品メーカーの取り組みだが、医療との連携が深まる中で、美容医療の分野にもこのような新しい技術が広がりを見せる可能性もある。
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