ヒフコNEWS 美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイト

再生医療目当てに世界の中国人が訪日観光、インバウンド1人1000万円支出、第1回再生医療抗加齢学会の講演より

カレンダー2024.4.21 フォルダー 国内
第1回再生医療抗加齢学会で講演する東京Rebornクリニックの胡燕氏。(写真/編集部)

第1回再生医療抗加齢学会で講演する東京Rebornクリニックの胡燕氏。(写真/編集部)

 美容クリニックで再生医療を求め、世界中から日本にインバウンドが押し寄せているという。誇大広告や虚偽の宣伝をする仲介業者も横行しており、ルール作りも求められている。

 2024年4月13日、第1回再生医療抗加齢学会で、東京Rebornクリニック理事で国際事業部責任者の胡燕氏が発表した。

中国人は世界中からやって来る

インバウンドの再生医療受診が盛況。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

インバウンドの再生医療受診が盛況。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 日本から韓国に美容医療を受けるメディカルツーリズムは話題に上ることも多いが、日本にも世界から美容医療を受けるために訪日する人は増えている。

 「2016年から幹細胞治療のインバウンドブームがあったが、19年末からコロナ禍により休止していた。22年に再開し、今では世界中の人々がやってきている」と胡氏。胡氏がインバウンドの外国人を集めている東京Rebornクリニックには、年間1000人ほどがやってきているという。

 8割は中国人。日本に中国人がやってくるインバウンドはよく知られているが、胡氏によると、再生医療を求めて来日する中国人は米国、カナダ、ドイツなどさまざまな国からやってきている。「米国も美容医療は盛んだが、日本の美的センスは合っていると思われている。日本人の匠精神が他の国よりも好まれ、追究心があり、事故もないというイメージが持たれている」(胡氏)。美容目的や予防医療目的で再生医療を受けるケースが多い。

 「中国のほかは、ベトナム、韓国、台湾、モンゴルからもインバウンドの人たちは来ている。日本人は1人当たり200万円ほどを支出するのに対して、インバウンドでは5倍から10倍を使う」と胡氏。200万円の治療を5~10回コースで利用するというイメージだ。

誇大、嘘の広告が中国で横行

誇大広告や嘘の宣伝が問題に。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

誇大広告や嘘の宣伝が問題に。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 インバウンドの盛り上がりで、異業種からの参入が増えており、中にはモラルの低い仲介業者も存在する。「肝臓若返りといった誇大宣伝や、東京大学がバックアップしているといった嘘の宣伝などが、海外で勝手に行われている。他社の技術を勝手に自分の技術として紹介したり、中国人を大勢連れてくると吹聴する、くるくる詐欺というのもある」と胡氏。

 胡氏は業界全体の倫理観の欠如が見られ、規制強化も必要ではないかと提案している。認証プログラムのような仕組みも求められるという。胡氏は「日本の美容医療がうさんくさくなる」と心配する。

 日本にインバウンドを呼び込む仲介業者に問題がある場合、対策も必要だろう。安全で安心して受けられるように改善していくことが大切だ。

ヒフコNEWSは、国内外の美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイトです。美容医療に関連するニュースを中立的な立場から提供しています。それらのニュースにはポジティブな話題もネガティブな話題もありますが、それらは必ずしも美容医療分野全体を反映しているわけではありません。当サイトの目標は、豊富な情報を提供し、個人が美容医療に関して適切な判断を下せるように支援することです。また、当サイトが美容医療の利用を勧めることはありません。

Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

お問い合わせ

下記よりお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。