愛知県警察は2024年5月8日、津島警察署が薬機法違反の疑いで大阪市在住の30歳女を逮捕したことを発表した。
※薬機法=医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
厚生労働省が以前に健康被害を公表
愛知県警によると、女の職業はアルバイトで、厚生労働省の承認を受けていない医薬品5本を24年2月に貯蔵し、これが薬機法違反と判断された。
産経新聞の報道によると、女が扱っていたのは、「メラケアフォルテクリーム」という製品。その成分は、ハイドロキノンとトレチノインなどと示されている。ウェブサイトで確認される情報によると、インドのアジャンタという会社が製造している製品と見られる。
厚生労働省では以前に、インターネットで購入された未承認医薬品などの健康被害情報を公表しているが、この中にメラケアフォルテクリームも含まれていた。次のように被害の状況を説明している。
・20代女性が、鼠経部の色素沈着に対し、ネット経由で入手したメラケアフォルテ(使用量、期間不明)を外用した。本人は、当該品に医薬品成分が含まれていることを認識しておらず、化粧品のクリームとの認識で使用した。
・使用したところ、かぶれが生じ、炎症が起きて色素沈着が強くなったため、医療機関を受診した(医療機関によれば、配合されているヒドロキノン、トレチノインによるかぶれ)。
個人輸入などでの購入で要注意
インターネットで「メラケアフォルテクリーム」を検索すると、依然として販売されていることが確認できる。国民生活センターでは、以前に美白クリームによる健康被害について注意喚起しているが、同センターによると代行業者による輸入品として個人輸入することは日本の法的な規制の対象にならない。このため、知らずにネットで国の承認を受けていない製品を買って被害に遭う人が出てくる可能性がある。
ハイドロキノンは欧州で禁止されており、米国でも化粧品成分として使用が認められていない。日本では市販の化粧品に配合されているものも存在しているが、安易に海外製品などに手を出すと思わぬ被害を受けることもあり得る。注意が必要だろう。