国民生活センターが2024年5月28日、「18歳・19歳の消費生活相談件数の状況」を公開した。23年度に寄せられた相談が最も多かったのは脱毛エステで、前年と同様だった。全体の相談件数は前年から微減の9675件だった。
美容と金銭関連の相談が多い
22年4月1日の成年年齢引下げから2年が経過し、18歳・19歳の消費生活相談の現状が明らかになった。全体の相談件数は22年度の1万26件から9675件にやや減少した。国民生活センターの調査によると、「美」(「脱毛エステ」「医療サービス」など)や「金」(「他の内職・副業」「金融コンサルティング」など)に関する相談が多く寄せられ、22年度にも見られた特徴が引き続き確認された。
相談内容の上位は次の通りだ。脱毛エステや出会い系サイト・アプリ、他の内職・副業に関する相談が上位を占めた。脱毛エステに関する相談が962件。医療サービス(美容医療など)が286件。脱毛エステの相談件数は減少したが、医療サービスの相談件数は増加している。
18歳・19歳の商品・役務等別相談件数〔上位20位〕
2023年度 2022年度 順位 商品・役務等 件数 順位 商品・役務等 件数 1 脱毛エステ 962 1 脱毛エステ 1236 2 商品一般(架空請求など) 522 2 出会い系サイト・アプリ 548 3 他の内職・副業(アフィリエイト内職など) 460 3 商品一般 539 4 出会い系サイト・アプリ 449 4 他の内職・副業 377 5 賃貸アパート 293 5 賃貸アパート 285 6 医療サービス(美容医療など) 286 6 他の健康食品 263 7 役務その他サービス(稼ぎ方指南のサポートなど) 281 7 医療サービス 244 8 電気 229 8 役務その他サービス 222 9 他の娯楽等情報配信サービス(情報商材など) 183 9 アダルト情報 212 10 他の健康食品(ダイエットサプリなど) 180 10 脱毛剤 184 11 インターネットゲーム 179 11 他の娯楽等情報配信サービス 180 12 携帯電話サービス 157 12 電気 159 13 コンサート 143 13 携帯電話サービス 150 14 普通・小型自動車 139 14 コンサート 147 15 アダルト情報 136 15 普通・小型自動車 136 16 金融コンサルティング(FX自動売買システムなど) 129 16 修理サービス 134 17 修理サービス(トイレ修理など) 119 17 インターネットゲーム 128 18 スマートフォン 109 18 紳士・婦人洋服(全般) 116 19 紳士・婦人洋服(全般) 101 19 自動車運転教習所 108 20 他の駆除サービス(ゴキブリ駆除など) 100 20 金融コンサルティング 102
契約購入金額や既支払金額は23年度は22年度と比較してほぼ横ばいで、契約購入金額は平均24万8468円、既に支払った金額は平均8万1731円だった。
脱毛エステ倒産の影響も
多くの18、19歳が脱毛エステや美容医療の購入に関連したトラブルに巻き込まれていることが分かる。
相談傾向について前年には、脱毛エステに関連して「前年にはしつこく勧誘されて契約してしまった」「解約できない」「倒産した」といった相談が寄せられていた。23年度は銀座カラーをはじめ大型倒産が報告され、依然として同様の相談が寄せられていることが予想される。
同じく前年には、美容医療についても、脱毛関連の相談や高額な施術を契約した人からの相談が報告されていた。
前年も指摘しているが、従来20代に関連していた問題の低年齢化が起きている。
国民生活センターは次のような注意点を挙げていた。
- 安さや気軽さ、メリットを強調した広告に注意!
- 契約をせかす勧誘や借金を促す勧誘に注意!
- 契約はその後のことを考えて慎重に検討する! 不安があれば周りに相談する!
- 契約後、クーリング・オフや契約の取消しができる場合がある。
- トラブルにあったら、早めに消費生活センター等に相談する。
消費やサービスを購入するときには、このようなトラブルが実際に起きていることを踏まえて、慎重に検討することが大切だ。