国民生活センターのデータから、2023年の美容医療に関連する相談が前年の1.57倍に当たる5833件に上ることが明らかになった。
健康被害は839件
ヒフコNEWSでは美容医療に関連したトラブルの発生について継続的に伝えているが、そうしたトラブルが発生した時に相談先として国の機関である国民生活センターや、都道府県にある消費相談センターがある。
このたびヒフコNEWSが国民生活センターに問い合わせたところ、美容医療に関連したトラブルが冒頭の通り前年比1.57倍の5833件になったことが分かった。
※同センターは、資料の美容医療サービスに含まれるものとして、「医師による医療のうち、『専ら美容の向上を目的として行われる医療サービス』を指し、医療脱毛、脂肪吸引、二重まぶた手術、包茎治療、審美歯科、植毛等が主な施術(医学的処置、手術及びその他の治療)」と説明している。
美容医療に関連したトラブルにはヤケドや神経障害、視力障害などの健康被害、返金や解約などに関連した経済トラブルなどがあるが、そのうち健康被害に関する相談が839件寄せられていた。
22年の相談件数は5年前の約2倍だったが、さらにそこから1.6倍近くに増加しており、美容医療に関連したトラブルの急増が懸念される状況になっている。
厚生労働省が検討会
同センターは、リスクや副作用を総合的に判断することの重要性を強調。トラブルが発生した場合には全国共通の3桁の電話番号「188(いやや!)」に電話するよう呼びかけている。この番号は消費生活センターなどの適切な機関へ案内するためのものとなる。
集められた相談に基づいて、国による対策に生かされることになる。
既にヒフコNEWSで伝えているように、厚生労働省では、美容医療の被害を受けて対策を考えるための検討会の準備を進めている。寄せられた相談も踏まえて規制強化や救済策などが考えられることになる。