熊本県の八代警察署は2024年6月12日、医師免許がないにもかかわらず美容施術として注射を行っていたとして、ベトナム国籍の女を医師法違反の疑いで逮捕した。
国内では外国籍の人物により違法な美容施術が行われ、摘発されるケースが続いている。主に外国籍の人たちの間で利用が広がっていると見られるが、違法な美容医療には注意する必要がある。
100人近くに違法な施術
八代署によると、逮捕されたのは熊本県八代市の自称農業に従事する女で、100人以上に施術を行い100万円ほどの収入を得ていたという。
逮捕容疑は、23年9月に熊本市西区のアパートで、ベトナム人女性のこめかみに注射器で液体を注射した疑い。
同署の調べによると、容疑者は、目の下のクマ取りや唇を厚くする美容目的の施術をしていたと話している。外国籍の女性を中心的に、出張もしながらフィラー注入やボツリヌス療法のような施術をしてきたと見られる。
同署によれば、容疑者はSNSに施術の動画を公開し、熊本県警のサイバーパトロールにより違法な施術が発覚した。県警は容疑者の自宅から医療機器など約60点を押収している。
国内外で広がる脱法美容医療
外国籍の人物による違法な美容施術が摘発されるケースが全国で相次いでいる。
直近では、静岡県で5月にフィリピン国籍の女が複数の成分不詳の液体を注射した疑いで逮捕された。このほか4月にもフィリピン人の女が違法な美容施術で逮捕されている。2月には富山でも違法施術を行っていたベトナム人の女が逮捕された。
海外でも無資格者による美容施術は問題を起こしている。タイでは2月に医師を中心としたグループが摘発された。また、米国では4月に偽造のボツリヌス製剤による健康被害が問題になっている。
国内外で不正な美容施術が広がっている可能性がある。日本ではフィリピン国籍やベトナム国籍の人たちの間で違法な美容医療の利用が広がっているとされるが、注意が必要だ。