男性美容に関連したアイテムの売れ行きが拡大している。富士経済が2024年6月にメンズコスメティックスと男女のヘアトリートメントのアイテムがそれぞれ人気であるなどコスメアイテムの動向を発表した。男性の美容意識の高まりを反映している。
メイクアイテムはユニセックス化が進みにくい
ヒフコNEWSで昨年も富士経済によるメンズコスメの調査について伝えたが、男性のスキンケアニーズの高まりなどで、保湿ケア、顔拭きシート、メイクアップを含む「メンズ整肌料」の売れ行きが好調だ。23年に前年比6.2%増加するという見通しが出されていたが、24年も引き続きメンズ整肌料の売れ行きが良く、前年比6.4%増の314億円になる見通しになっている。特に中高年層のスキンケア、若年層のメイクアップへの関心の高まりにより、メンズ整肌料のニーズが増えている。
中高年層では、保湿ケアやエイジングケア商品、手軽に本格的なケアができるオールインワンの商品が人気。一方で、若年層では脱マスクによる肌の悩みをカバーするためにBBクリームなどの需要が増えている。さらに、男性向けメイクアップのアイテム投入が増える中で、インフルエンサーやYouTuberとのタイアップが盛んになっている。女性向けのメイクアップは男性にとって色味が濃いため、ユニセックス化は進みにくく、男性専用のアイテムが広がりを見せることが予想されている。
男女のヘアトリートメントも売上好調だ。前年比4.1%増の1821億円と増加が続く見通しであるという。人気の背景には、新興メーカーによるナイトケア、スペシャルケアのアイテムの投入がある。特に、I-neの「YOLU」など、ナイトケアを強調するブランドが引き続き好調になっている。美容室などでのハイトーンカラー施術によるダメージケアのためのアイテムが人気だ。
黒髪用のハイトーンカラー人気
男女のヘアケア・ヘアメイク(シャンプー、ヘアトリートメント、ヘアカラー)全体で見ると、売れ行きは24年に前年比2.1%増の6906億円に達する見通しという。シャンプーは1000円台の商品が増え、新興メーカーが注目されてきたが、大手メーカーも同価格帯のアイテムを投入するようになっている。
ヘアカラーはセルフ施術から美容室などでの施術にシフトする動きが続いている。美容室などで使われる黒髪用のハイトーンカラーの人気が続いており、ブリーチ剤を含めた複数の製品を使ったヘアカラーなどが人気になっている。
男性の美容意識の高まりなど新しい動きが注目されている。