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エステHIFUで顔面まひの事故、整骨院内の併設店で、6月に厚労省が医師資格必要と通知する中で、消費者庁が24年3月の事例を発表

カレンダー2024.7.5 フォルダー 国内
消費者庁が公表。(写真/Adobe Stock)

消費者庁が公表。(写真/Adobe Stock)

 この6月、厚生労働省からHIFU(ハイフ)は医師免許がなければ実施できないと通知されたが、依然として、医師が在籍していないと見られるエステティックサロンがウェブサイトでハイフをメニューに掲げているのが見つかる。

 そうした中で、2024年3月に新たにエステで受けたハイフにより顔面の神経麻痺(まひ)が発生していたことが明らかになった。消費者庁が24年7月4日に公表した。

消費者庁が静岡県で重大事故と公表

静岡県内でエステハイフの健康被害。(出典/消費者庁)

静岡県内でエステハイフの健康被害。(出典/消費者庁)

 消費者庁では、一般の人が巻き込まれた健康被害が都道府県などから通知された場合、それらを重大なものそれ以外に分けて毎週公表している。

 今回、新たに静岡県のエステでハイフにより顔面神経麻痺が発生した事例が報告され、「重大な事故等」として公開された。

 整骨院内に併設されたエステ店舗でハイフが行われ、この施術によって顔面に神経麻痺が発生したというものだった。消費者庁が公開した情報は次の通り。

事故発生日 通知受理日 製品名等 被害状況等 事故内容 事故発生都道府県
2024年3月29日 2024年6月26日 その他のサービス(エステ) 重傷1名 整骨院内に併設された店舗において、HIFU(ハイフ)を用いた施術を受けたところ、顔面左側に顔面神経麻痺の症状を発症する重傷。(注)HIFU:High-Intensity Focused Ultrasound 静岡県

ハイフの健康被害で少なくない神経障害

ハイフ施術のイメージ。出典/消費者庁 消費者安全調査委員会

ハイフ施術のイメージ。出典/消費者庁 消費者安全調査委員会

 ヒフコNEWSで伝えているが、東海大学形成外科教授の河野太郎氏が、厚労省の助成を受けて実施した調査から、ハイフによって発生する健康被害のうち、3分の1がヤケドと多かったが、神経障害が約3割と少なくないことが明らかになっている。今回報告された神経麻痺も神経障害の一つであり、同様な事故が多く発生していることが推定される。

 厚労省の通知を踏まえると、ハイフは、医師が所属していないエステで実施するのは医師法違法と見なされる可能性がある。今後、エステでのハイフ実施は減っていくと見られるが、提供を続けるエステについては事故の発生が懸念される。摘発されるケースも出てくる可能性がある。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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