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HIFU施術による神経障害、エステのトラブル報告、鹿児島県で2月に被害事例、消費者庁が公表

カレンダー2024.8.17 フォルダー 国内

 鹿児島県で2024年2月、エステサロンでHIFU(高密度焦点式超音波治療)の施術を受けた患者が、施術後に左手の指にしびれを訴え、医療機関で左尺骨神経障害と診断される事故が発生した。

 厚生労働省から6月に、エステなどでの無資格のHIFUが違法であると通知されたばかりであり、エステサロンでのHIFUについての規制強化が一層進むものと見られる。

鹿児島県でHIFU施術による神経障害が発生

HIFUの施術によって神経障害が起きた。(写真/消費者庁)

HIFUの施術によって神経障害が起きた。(写真/消費者庁)

 消費者庁は毎週、消費者が巻き込まれた事故の事例を重大なものと、重大ではないものも含めて公表している。今回、重大ではない事例として、エステで行われたHIFUによる事故を公表した。

 今回の事故は、2024年2月10日に鹿児島県のエステサロンで起きた。

 患者はHIFU施術を受けた直後、左手の指にしびれを感じ、受診したところ左尺骨神経障害と診断された。公表された事故は次の通り。

事故発生日 製品名等 事故内容 発生都道府県
2024年2月10日 その他のサービス(エステ) 店舗において、HIFU(ハイフ)を用いた施術を受けたところ、指に痺れが生じ、受診したところ、左尺骨神経障害との診断。 鹿児島県

 厚労省研究班の研究として東海大学形成外科教授の河野太郎氏が行った調査によれば、HIFU施術による健康被害の約3割が神経障害であることが判明している。同様なケースが他にも発生する可能性があり注意が必要だ。

HIFU施術の規制は強化される方向

23年3月国の委員会がハイフによるトラブルの増加など報告書を出した。(出典/消費者庁)

23年3月国の委員会がハイフによるトラブルの増加など報告書を出した。(出典/消費者庁)

 24年6月、厚生労働省はHIFU施術を行うには医師免許が必要であることを全国に通知した。

 今回、鹿児島県で発生した被害は通知が出される前に起きたものだが、エステサロンなどで医師免許を持たない施術者によるHIFU施術は依然として行われているケースもある。そのような場所で施術を受けることは不適切な施術が行われる可能性が高く、危険性が高いと考えられる。

 今回のようなエステサロンでの事故の公表を受けて、無資格でのHIFU施術に対する取り締まりが一層厳しくなる可能性がある。HIFU施術を検討している人もこのような状況には十分注意が必要だろう。

 HIFUによるトラブルについては、医療機関であっても無縁ではない。エステに限らず、HIFUの施術後に問題に直面した場合は、できるだけ早くに対処を求めることが大切だ。

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ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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