鹿児島県で2024年8月、包茎手術において重大な医療事故が起き、男性が重症を負った。
消費者庁がこの10月に重大事故として公表した。
消費者庁、包茎手術による重大事故を公表
消費者庁は、一般消費者に関わるトラブルについて、重大事故とその他の事例に分類し、定期的に公表している。この中には、美容医療やエステティックサービスに関連するトラブルも含まれており、今回、包茎手術に関する事故が重大事故の一つとして報告された。
今回の報告によると、この事故は鹿児島県の美容外科で発生した事故で、手術を受けた患者が、手術部位の痛みと腫れの症状を訴えた。別の医療機関を受診したところ、陰茎背動脈損傷の疑いがあると診断され、腹部などに内出血などが認められる重傷と判断された。消費者庁の資料で記載された内容は次の通り。
事故発生日 | 通知受理日 | 製品名等 | 被害状況等 | 事故内容 | 事故発生都道府県 |
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令和6年8月17日 | 令和6年10月2日 | 医療サービス(美容外科) | 重傷1名 | 美容外科において、包茎手術等を受けた後、手術部位の痛みと腫れを発症。他院を受診したところ、陰茎背動脈損傷の疑いと診断され、腹部等に内出血等の重傷。 | 鹿児島県 |
男性の美容医療事故の半数以上を占める
8年前に公表された消費者庁の調査から美容医療における包茎手術のリスクが明らかになっている。
具体的には、国民生活センターが16年に発表した報告によると、11年から15年の5年間で男性に関わる美容医療の相談件数は2131件で、そのうち1092件、つまり51.2%が包茎手術に関する問題だった。特に20代が多かった。
当時の主なトラブルは、手術後の痛みや機能障害、高額な施術費用、即日手術の強要などが報告された。消費者契約に関する説明不足も問題だった。ヒアルロン酸やコラーゲンの不適切な使用による後遺症が指摘された。医師資格を持たない者による施術がさらなるトラブルを引き起こした。
今回の鹿児島県での重大事故は、包茎手術に関連するトラブルが今も続いていることを示唆している。手術を検討する男性には引き続き注意が求められる。