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肌への脂肪とボツリヌス製剤の微細注入、自然な若返りを狙う、シンガポールのワッフルズ・ウー氏が解説、第33回日本形成外科学会関連講演TAAT

カレンダー2024.11.8 フォルダー 国内

 自然な若返りを実現する手法として、微細な脂肪とボツリヌス製剤の注入が効果的であると講演で解説された。

 2024年10月、第33回日本形成外科学会基礎学術集会の関連講演会で、シンガポールのワッフルズ・ウー氏(ワッフルズ・ウー エステティック サージェリー&レーザー センター院長)がこの技術のメリットや実際の症例を紹介し、新たな治療アプローチについて語った。

微細な脂肪やボツリヌス製剤の組み合わせで若返り

国際セッションである「The 1st Aesthetic and Antiaging Tokyo(TAAT)」も開催。(写真/編集部)

国際セッションである「The 1st Aesthetic and Antiaging Tokyo(TAAT)」も開催。(写真/編集部)

  • 微細な脂肪注入→顔の各部位に少量の脂肪を均等に注入し、自然なボリューム感と若返り効果を出す手法
  • ボツリヌス製剤の微細注入→従来のボトックスとは異なり、表情筋に影響を与えない範囲で肌の浅い層に少量を注入し、自然な表情を保ちながらシワ改善と肌の引き締めを実現

 ウー氏によれば、微細な脂肪注入は顔の各部位に少量ずつ脂肪を注入することで、自然なボリューム感を出す手法。極細針を用いて、顔全体に均等に少量の脂肪を注入することで、若返り効果が得られるとともに、自然な質感が実現するという。特に目の周囲やほうれい線、口周りなど、陰ができやすい部位に注入することで、肌の光沢感が改善され、健康的で自然なツヤが引き出される。

 一方で、ボツリヌス製剤を使用した微細注入では、従来のボトックス施術と異なり、表情筋に影響を与えない範囲で少量を注入することが特徴。肌の浅い層、皮下に極少量を注入することで、自然な表情を保ちつつ、シワ改善や肌の引き締めが可能になると説明。こうした技術は、顔全体のバランスを整えたい場合に適しており、仕上がりの好みに従って調整も行いやすい。

多面的な若返り治療と効果の持続性

第33回日本形成外科学会基礎学術総会の会場。(写真/編集部)

第33回日本形成外科学会基礎学術総会の会場。(写真/編集部)

  • 効果の持続性→微細な脂肪注入やボトックスは肌のハリや潤いを高め、皮膚層への注入で効果がさらに長期間持続
  • コンビネーション治療→脂肪注入やボトックスに加えて、肌に熱を加えるエネルギーベースのデバイスを併用する治療法で、総合的な若返り効果が得られ、満足度が向上

 講演では、顔だけでなく、首元のシワやたるみにも微細注射技術が応用されていることが解説された。ボツリヌス製剤と脂肪を組み合わせた治療法により、首のシワが改善され、肌の弾力が回復し、「若々しい首元」の実現に効果的とされる。

 皮膚層への注入ではさらに長期間持続することが確認されているという。また、ウー氏は単一の技術にとどまらず、肌に熱を加えるエネルギーベースのデバイスを併用した「コンビネーション治療」の重要性を強調。これにより、より総合的な若返り効果が得られ、満足度も高まると述べた。

 さらに、ボツリヌス製剤の注入量は治療部位や目的に応じて細かく調整される必要があると説明された。首のシワ改善には28ユニット、顔の毛穴や赤み改善には20ユニットなど、ニーズや部位に応じた適切な注入量の設定が求められるという。

 ウー氏が解説した微細注入技術は、今後日本国内でも注目される可能性がある。安全かつ自然な若返りを求める新たな選択肢となるかもしれない。

参考文献

美容整形を海外で受ける前に知っておきたいこと、米国の研究から学ぶ潜在的なリスク
https://biyouhifuko.com/news/world/1261/

脂肪吸引の進化、筋肉際立たせる新施術、安全性向上にAIも使う、南米と米国の美容外科医が最新情報、第112回日本美容外科学会(JSAS)開催
https://biyouhifuko.com/news/japan/7604/

美容医療の疑問やトラブルの相談、最も多いのは「目・まぶた」、厚労省検討会で示された6月3週間の相談内容、日本美容医療協会が情報を提供
https://biyouhifuko.com/news/japan/8367/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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