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ポニーテールフェイスリフトで自然な若返り、米国のカオ氏が独自技術を解説、最小限の切開と3段階のつり上げで美しさを引き出す、第33回日本形成外科学会基礎学術集会TAAT

カレンダー2024.11.9 フォルダー 国内

 顔の皮膚を持ち上げて肌を引き締めるフェイスリフト手術は、さまざまな改良が重ねられ、より自然で持続的な若返りが可能になっている。米国ロサンゼルスの美容外科医、チアチ・カオ氏(カオ・プラスティック・サージャリー院長)は2024年10月の第33回日本形成外科学会基礎学術集会「The 1st Aesthetic and Antiaging Tokyo (TAAT)」で、独自に考案した「ポニーテールフェイスリフト」の手法を解説し、顔の自然な美しさを引き出すためのポイントを紹介した。

自然な若返りを目指すポニーテールフェイスリフト

第33回日本形成外科学会基礎学術総会の会場。(写真/編集部)

第33回日本形成外科学会基礎学術総会の会場。(写真/編集部)

  • 従来のフェイスリフト手術→顔の皮膚を大きく切開しリフト効果を得るが、耳前部やこめかみに傷跡が残りやすく、血流が遮断されることでハリが損なわれるリスクもあった
  • ポニーテールフェイスリフトの特徴→カオ氏が開発した技術で、最小限の切開で顔全体を引き上げる、自然で繊細なアプローチを実現
  • 3段階のリフト→頬、こめかみ、額の順に3段階で顔全体を引き締め、自然な表情を保つ施術法

 従来のフェイスリフト手術では、顔の皮膚を大きく切開して皮膚を引き上げることでリフト効果を得るが、耳前部やこめかみに目立つ傷跡が残る場合があるなど課題があった。カオ氏のポニーテールフェイスリフトは、こうした問題を解決するために開発された技術で、最小限の切開で顔全体を引き上げる、きめの細かい対応を行うことによる自然な外見を目指すアプローチが特徴となっている。

 名前の通り「髪をポニーテールに結んだ時のような」自然な引き上げを目指しており、カオ氏はこの独自技術「ポニーテールフェイスリフト」と「ポニーテールリフト」を商標登録している。顔のラインを一方向に引っ張るのではなく、顔全体のバランスを見ながら少量の切開と「つり上げ」技術を組み合わせ、複数段階でリフトを行う。カオ氏は22年以上にわたり、600例を超える施術を経験している。

 カオ氏のポニーテールフェイスリフトは、3つのレベルに分けて施術を進める「3段階のリフト」を取り入れている。具体的には、頬、こめかみ、そして額を順番に持ち上げることで、顔全体を引き締め、自然で滑らかな表情を保つ効果を実現する。また、筋肉や皮膚に無理な引き上げを行わないため、術後の肌の張りや筋緊張が抑えられ、仕上がりが柔らかな印象になる。

アジア人に適した配慮と技術の進化

国際セッションである「The 1st Aesthetic and Antiaging Tokyo(TAAT)」も開催。(写真/編集部)

国際セッションである「The 1st Aesthetic and Antiaging Tokyo(TAAT)」も開催。(写真/編集部)

 ポニーテールフェイスリフトには、顔のボリュームを失わず、若々しい印象を引き出すための工夫が施されている。特に、アジア人特有の肌質や骨格に合わせたアプローチが取られており、顔の浅い部分と深い部分を異なる引き上げ力で支える「つり上げ」方法が、顔全体のリフト効果を長持ちさせるための鍵となっている。

 今回の講演で紹介されたポニーテールフェイスリフトのように、フェイスリフトのテクニックは常に改良が重ねられ、より自然な見た目を実現するよう進化している。また、アジア人特有の美しさを引き出すという点が意識されているのもこの技術の特長だ。今後、こうした自然な見た目を実現する美容医療の発展がさらに広がりを見せることが期待されている。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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