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米国の美容関連施術トップ5、コロナ禍でトレンド変化、米国形成外科学会(ASPS)データ

カレンダー2023.12.15 フォルダー 海外

ポイント

  • 美容関連施術は2019年から22年の3年間で19%増加した
  • 外科的手術と非外科的治療の両方の件数が大幅に増加している
  • コロナ禍のマスク生活や体重の変動などにより施術のニーズが変化した
美容関連施術トップ5とは。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

美容関連施術トップ5とは。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 米国形成外科学会(ASPS)の発表している「最も受けられている施術」のデータを基に、米国における施術のトレンドを見ていく。

22年の施術件数は19年と比べて19%増

人気の施術。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

人気の施術。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 米国形成外科学会が、CosmetAssureおよびPatientNowと共同で行った調査結果を、2023年9月に報告している。このデータによると、米国で22年に実施された美容関連施術は2620万件で、19年と比較して19%増加していた。

 2022年に行われた約150万件の外科的な施術の中で、トップ5は次の通りだった。

施術名 22年件数 19年比の増減
脂肪吸引術 325,669件 23%増
豊胸術 298,568件 4%増
タミータック(腹部脂肪切除) 161,948件 37%増
バストリフト(乳房吊上術) 143,364件 30%増
眼瞼手術 115,261件 13%増

 このほか学会によると、乳房縮小術は7万1364件に達し、19年から54%の急増を見せていた。

 非外科的治療は約2370万件行われ、トップ5は次の通りだった。

施術名 22年件数 19年比の増減
ボツリヌス療法 8,736,591件 73%増
ヒアルロン酸フィラー 4,883,419件 70%増
スキンリサーフェシング 3,322,292件
皮膚治療、コンビネーションレーザー 2,915,199件
注射による口唇増大術 1,378,631件

※は前年調査対象ではなかった。

コロナ禍に目の手術が急増した

22年はコロナが影響。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

22年はコロナが影響。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 このほか約102万件の再建手術が行われ、トップ5は次の通り。

施術名 22年件数 19年比の増減
腫瘍除去術 344,697件 2%減少
手の外科手術 204,412件 ほぼ増減なし
乳房再建術 151,641件 12%増
あごや顔面の手術 52,488件 29%減
瘢痕修正術 50,930件 9%減

 新型コロナウイルス感染症の流行とマスク生活により、顔の中でも特に目立つ目の手術を受ける人が急増した。また、フェイスリフト手術や頬インプラントの件数も増えたという。さらに、体重の変動により、脂肪吸引術や、外科的な手術以外の手段による脂肪減少術のニーズも高まった。

 ソーシャルメディアの影響で、特定の施術の増加も見られた。例えば、フィラーを使った口唇増大術や頬の脂肪除去術が増えたという。

 コロナ流行による行動制限が緩和されて、マスク着用者も減っている。今後またニーズは変化する可能性もあるのだろう。

参考文献

American Society of Plastic Surgeons Reveals 2022’s Most Sought-After Procedures
https://www.plasticsurgery.org/news/press-releases/american-society-of-plastic-surgeons-reveals-2022s-most-sought-after-procedures

X世代が美容整形ブームの最前線、米国美容医療支出3兆円超、米国形成外科学会(ASPS)報告
https://biyouhifuko.com/news/world/4736/

2022年、美容医療の世界ランキング公開、第3位はまぶたの手術、第2位は豊胸術、前年に続く第1位とは?国際美容外科学会(ISAPS)調査
https://biyouhifuko.com/news/world/3331/

コロナ・パンデミックが世界の美容を変えた、その背景に韓国美容のトレンド
https://biyouhifuko.com/news/world/147/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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