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ハイフによるシワやたるみの改善、韓国研究の知っておくべきポイント

カレンダー2023.2.16 フォルダー最新研究

ポイント

  • ハイフ(HIFU)による目元や口元、首のシワを消す効果を検証
  • 16週間の短期間の研究によって、各部位にできたシワ改善効果を確認した
  • 効果がどれほど持続するか不明点もあり、長期間の効果を研究する必要がある

気になるシワやたるみ。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

注目されるHIFU(集束超音波療法、以下、ハイフ)でシワやたるみにサヨナラをすることは可能なのか。新年度が始まり、心機一転を告げる春の季節。ゆるんだ肌を引き締めるハイフで肌の若返りを目指そうという人もいるかもしれない。ハイフは、超音波エネルギーを用いて、顔のシワやたるみを改善する医療行為。日本でもその名を聞いたことがある人も多いだろうし、実際に受けている人も少なくないだろう。皮下に熱を発生させ、コラーゲンの生成を促すなどの効果がある。美容医療の分野ではまだ新しいものだが、広く利用されるようになっている。今回、韓国の研究グループがシワ改善効果を検証しており、安全性や有効性についての研究の結果が明らかにされた。

肌のたるみやシワを改善するハイフという方法

肌

改善につながる解決法になる?写真はイメージ。(写真/shutterstock)

年齢を重ねると、皮膚がゆるみ、目元、口元、首元にシワやたるみが出てくることがある。それに対して皮膚の下の組織の量を増やし、これらのシワやたるみを目立たなくすることを目的とした治療法が人気を集めている。

例えば、ハイフを含めた超音波治療や高周波治療など。中でも超音波を使用するハイフは、皮下の狙った層に超音波を集中させ、熱を発生させる方法だ。コラーゲンの生成を促進し、肌の弾力性を向上させ、シワやたるみを目立たなくする方法だ。韓国の中央大学校の研究グループは、ハイフが効果的で安全かどうかを確認する研究を実施した。この研究成果は、2022年3月に皮膚疾患や治療法をテーマとするダーマトロジック・セラピーという医学雑誌に掲載された。

論文のアウトラインは次の通り。

今回の研究では、周波数が550万ヘルツの超音波を使い、皮膚表面から2.0mmの深さをターゲットとした。ハイフは一般的にターゲットの深さを調整することができる。4.5mm程度の深さは表在性筋膜(SMAS)、3.0mm程度の深さであれば、皮下組織、1.5mm程度の深さであれば真皮の範囲をターゲットにすることになる。

研究チームは、102人の被験者を34人ずつの3グループに分け、目元、口元、首それぞれの箇所への2mmの深度のハイフの効果を調査した。治療は2週間間隔で3回行われ、その効果は治療後10週間と16週間で評価された。研究グループは、目元、口元、首は皮膚の厚みがほおよりも薄いため2.0mmの深さをターゲットにするのが特に好ましいと判断している。

肌のたるみやシワを改善するハイフという方法

肌

ハイフの効果を検証したところ…写真はイメージ。(写真/shutterstock)

こうして確認されたのは、治療後10週間、16週間のいずれにおいても、目元、口元、首のシワが消失したこと。一方で副作用は確認されなかった。ただし、研究者は、今回の結果が短い期間での結果で、対象者の9割が韓国人、しかも実際に組織を採取して分析したわけではない点があるので注意が必要だという。結果をどこまで幅広い人に適用できるかは限度もあり、今後も研究は続ける必要がある。

以上が、論文のポイントだ。

今回の研究からは、ハイフはおおむね4カ月間くらいの期間で見るとシワの減少に有効で、安全であることが分かった。

研究グループは、ハイフの長期的な効果を探るために、より多くの研究が必要であることを述べているが、確かにこの施術の安全性と効果については、長期的に深く理解することが必要不可欠。ハイフの効果が長く続くかどうか、多くの人が関心を寄せており、今後の研究成果が大いに注目される。

参考文献

Han HS, Park JW, Kim SY, Yoo KH, Choi SY, Kim BJ. Safety and efficacy of high-intensity focused ultrasound for treatment of periorbital, perioral, and neck wrinkles: Prospective open single-center single-arm confirmatory clinical trial. Dermatol Ther. 2022 May;35(5):e15420. doi: 10.1111/dth.15420. Epub 2022 Mar 30. PMID: 35249260.https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/dth.15420

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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